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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第39話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 
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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第全話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第39話

ガラスの靴 第39話
 事件を起こして警察に捕まったウ・スンヒの身柄引き受けにユン・ソジュンと警察署に行った本物のキム・ユニことイ・ソヌ。
しかし、ソヌを逆恨みするスンヒはこうなったのは全てお前のせいだと言ってソヌを殴りつける始末。

 結果的に酔って寝てしまったウ・スンヒをソヌとソジュンで家まで連れてくことに。
車を運転しながら呆れて言うソジュン。
「どんだけ酒飲みゃ、こんな醜態を演じられるんだ?全くもう…。」

 ソヌの家ではキム・テヒがソヌが家にいないことに気がついて探し始める。
そのソヌは車の中でスンヒを介抱していた。
気がつくスンヒ。
「あれ?…どれぐらい寝てたの?」
「3時間ぐらい。」
「起こせよ。」
「起こしたわよ。でも全然起きなかった。アンタ、酔っ払っていたわよ。覚えてないの?」
慌てて車から飛び出すスンヒ。
「ちょっと待って!あなたに話があるの。」
「私は話なんてないわ。」
「ねぇ、もしかして酒場で働いているの?」
「働いているわ。だから何だって言うの!」
「何でそんなところで働くの。他にいくらだって仕事はあるじゃない。」
「私が出来ることって酒飲んで遊ぶことぐらいだもん。アタシはアンタみたいに働き者じゃないし、ましてや事務職なんて性格に合わないわ。それで仕事を探したら、酒場しかなかったのよ。お金も稼げて、タダ酒が飲めて一石二鳥じゃないの。」
「何で、そんな生き方をするの?」
「関係ねぇよ!」
「アタシが酒場で働こうが働くまいが、体を売ろうがうるまいが、アンタに何の関係があるのさ。」
「勿論、関係ないわ。そんなの分かっているわよ。」
「だったら、何で口を出すの!」
「…アンタが可哀想だから。アンタが哀れだから口を出すの。」
「私が可哀想ですって?」
「たった一回の人生じゃないの。アンタの人生はまだ終わってないのよ!」
「忠告なんかするなよ。オメェがアタシをこういう風にしたんじゃん!死ぬまでアンタを憎んで生きるわ。」
「辛かったら、却ってハッキリ辛いって言えばいいのに。だったら、助けてあげるのに。」
「助けてやるですって?じゃぁ、会長の孫娘に戻してよ!出来ないでしょ?だったら、チョルン兄さんをアタシに返しなさいよ!出来ないでしょ?二度とそんなセリフを吐くんじゃないわよ。」
そう言って去っていくスンヒ。
「お~い、酔い覚ましの薬買ってきたぞ!」
ソジュンが薬を差し出すと投げ出すスンヒ。
「何なんだよ、お前。」
荒れるスンヒをもはやだれも止められない…。

こっそり家に戻るソヌとソジュン。
「今日はありがとうね。」
「先に2階に上がりなよ。」
そこにテヒが現れる。
「どこに行っていたの?」
「あ…ユニがちょっと散歩したいってね…。」
何とかごまかそうとするソジュン。
「何の用で深夜2時までうろうろするの?」
「…そ…それは…。」
「正直に言って!」
困った顔になるソジュン。
ソヌは部屋でため息をつく。
ソジュンがあれこれ話を聞かれる羽目になった。
「何ですって?酔っ払ったウ・スンヒを送ったぁ?」
「酔っ払いをそのまま道端にほっとくわけにいかなくて…。聞かなかったことにしてよ、姉さん。ユニに口止めされてたんだから。ユニの頼みも頼みだけど、スンヒの様子を見てたら、俺が見ても気の毒だったからさ。」
「どこが気の毒よ。あの子のせいでユニが酷い目に遭ったんだから。」
テヒは妹を酷い目に合わせた悪女でしかないスンヒに同情の余地はなかったが、ソジュンは優しい性格からか、ソヌ同様にスンヒを気の毒がっていた。

 そのウ・スンヒは夜明けにパク・チョルンのところに押しかけて「イ・ソヌとだけは結婚してくれるな」とねじ込む。
しかし、チョルンは「この世の中で愛しているのはソヌ唯一人だけだ。結婚取り消しはあり得ない」ときっぱり断る。
 朝、パク・チョルンはビールの倉庫も兼ねているイ・インスの組事務所に結婚式の招待状を持って行く。
「新郎・パク・チョルン、新婦・キム・ユニ…。いやぁ結婚はほんなこつなんやな!」
招待状を見て手放しで喜ぶカントン若頭。
「兄貴ったら、招待状を組長と若頭に見せるのを何だか決まりが悪いって渋って、今日やっと持って来たんですよ。」
「ほんなこつ、チョルンは義理っていうもんを知らんばい!」
「おめでとう、チョルン!」
組長も嬉しそうだ。
「すみません。この中で一番若いのに一番最初に嫁を貰うことになって。」
チョルンの申し訳なさそうな顔に組長が「幸せに順番なんてないよ」と言って慰める。
「式、来てくれますよね?」
「俺みたいなのが行っていいのか?」
「当たり前じゃないですか!組長は俺にとって実の兄同然なんですから。必ず来て祝福してくださいよ。」
「おお、分かった。」

 朝、叔母のキム・ヒョンジャがウエディングドレスの注文をしに、ソヌを連れ出す。
ウエディングドレスの専門店にはスタク、ヨヌンと共に、チョルンも行く。
チョルンが仕立てたタキシードを着て更衣室から出てくる。
「いやぁ、お兄ちゃんってこんなカッコいい人だったんだ!」とヨヌンは感激し、スタクは指でOKサインを出す。
叔母のキム・ヒョンジャは「う~~ん…ちょっとズボンが短くない?一生に一度のものなんだからそういうところはきっちりしないとね」などという。
ソヌも更衣室を出てくる。
「どう?」
「いやぁ、元々美人なのは分かっていたけど、こんなにきれいだなんて…。まるで天使だ!」
驚くチョルンを見てほほ笑むソヌ。
「うわぁ、きれい!素敵ですよね、叔母さん。」
「うちは元々美男美女ぞろいだからね。」
ヨヌンの言葉にヒョンジャも満足気。
そこでスタクが持ち込んだカメラで突如記念撮影。
ヒョンジャは「まぁ…田舎くさい!」と文句を言いたげな表情。

 ウェディングドレスの店の前でソヌはチョルンと別れて叔母と次の場所に行く。
興奮したチョルンはスタクに今撮った写真の現像をしに写真館に行こうとスタスタ歩きだすので、スタクとヨヌンはあきれ返る。
その様子を物陰からサンパンウル一家が覗いていた。

 夜中まで酔っ払っていたスンヒは朝寝中。
そこにテヒから電話がかかってきて呼び出されるスンヒ。
喫茶店で会うテヒとスンヒ。
「妹に会ったって?助けてあげようと警察署まで行った子をひっぱたいたんですってね。」
「その…あれは酔ってのことで…。」
「お酒を飲むんなら、飲まれるまでなんじゃダメでしょ。酔っ払って警察署に連れて行かれないよう大人しくしていなさいってこと。それと私の妹だなんて言いふらさないこと。分かった?」
「お姉さん…。」
「あなたはうちとは何の関係もない人なの。もう二度と連絡しないで!」
文句を言って立ちあがるテヒ。
そして札束入りの封筒をスンヒに突き出す。
「何ですか?これは…。」
「アンタが大好きなお金だよ。酒場で働いたりせずに、このお金でお店を開いて暮らしなさい。不足はないはずよ。」
「お金をくれなんて言った覚えはないわ。」
「アンタのためじゃなく、うちの妹のために用意したの。アンタ、お金のために妹をいじめたんでしょ?」
「ソヌがそんなことを言ったんですか?私がおカネが必要だから嫌がらせをしたと。」
「お金を仕舞いなさい、そして、二度と妹に手を出さないで。」
「持って帰ってよ!こんなお金!アタシは物乞いなんかじゃない。馬鹿にするなよ。こんなお金なくったって生きていけるわよ。」
「まだ、人としてのプライドは少しはの子っといるのね。」
「あなたには良い薬になったはずだわ。欲を出して、人に迷惑をかけて、おのれの分をわきまえずにいるとどういうことになるか経験したんだから。これからは、ひっそりと生きることね。」
そう言ってテヒは去る。
残されたスンヒは徹底的に侮辱されたと思い、復讐の炎を燃やす。

 ジェヒョクはアメリカに立ち去るために荷物をまとめていた。
その中からひょっこり出てきたイ・ソヌの履歴書。
それを見て、ひったくりに自転車で体当たりした勇ましいソヌを思い出していた。
そして、本社ビルの掃除係だったときのことなど愛をはぐくんできた日々も。
ジェヒョクはソヌの履歴書の写真をはがして、そっと自分のクレジットカード入れに挟み込んだ。

 夜遅く…チョルンはソヌの家まで現像したウェディングドレスの写真を持ってきた。
「まだ結婚できるって実感がわかないんだ。写真を見ると胸がドキドキして…。」
まるで初恋の女性と初デートをする少年のようなチョルン。
「あなたが幸せなら、私だって嬉しいわ。私はきっといいお嫁さんになれるわ。だから、結婚してから態度変えないでよ。」
「愛しているって言ってくれ。これまで一度も聞いたことないから。」
「後でね。結婚式が無事に終わってから…。」

 スンヒはキャバクラで浴びるように酒を飲んでいた。
そこに現れたのはあのイ・インス組長を襲撃したサンパンウル一家だった。
「お久しぶりですね…。チェハ財閥会長の孫娘…でしたよね?」
酒を酌み交わしながらサンパンウル一家の組長が言う。
「その後、いかがお過ごしですか?確か、偽物の会長の孫娘が追放されたとか…。」
ウイスキーを一気飲みするとスンヒは答えた。
「私と何を話したいのよ!」
「チェハ財閥の孫娘がパク・チョルンと結婚すると聞きましたが、本当ですか?」
「本当ならどうする気なの?」
「やはり事実か…。」
「チェハ財閥の孫娘を嫁にもらえるパク・チョルンという男は実に運がよろしい。」
「本当にそうかしら?無事に結婚式を挙げられると思う?…おっさん、アタシと取引しないこと?」
ぐびぐびと酒をあおると、店でも出せとテヒが置いて行った札束の入った封筒をポンとサンパンウル一家の組長の前に突き出した。
「あそこの家が出したお金よ。アタシに店でも出せってね。このお金で厄介払いしようって寸法よ。」
「それで?」
「正直、真面目に生きるのは私のスタイルじゃないの。だからこのお金で駈けをしようと思って。」
「賭けですか…。どんな賭けをお望みですか?」
「私を追い出し、チェハ財閥の孫娘に収まり、しかもパク・チョルンまで奪い去ったイ・ソヌ…。あの女を殺してちょうだい。」
「難しい注文ですね。」
「お金で何でもやってくれるんでしょ?あなた方は!」
「まぁ、相手にもよりけりでしょうな。」
「やるの?やらないの?」
すると…サンパンウル一家の組長は薄気味悪く笑った。

 そんな陰謀が企てられているのも知らず、ソヌはチョルンが持ってきた写真を見て笑っていた。
ノックの音が聞こえたので慌てて写真を仕舞うソヌ。
ノックの主は姉のキム・テヒ。
「ねぇ…今日は久しぶりに2人で寝ない?」
広いダブルベッドに一緒に寝るソヌとテヒ。
「覚えているかしら…。子供の頃、2人でこうして並んで寝て、お前が寝られないと、私が昔話をしたわよね。」
「うん…お姉ちゃんが怪談話をすると、怖くてトイレにも行けなかったわよ。そんなときは父さんついて来てよって駄々こねてね…。」
「そうだったわね。父さんはいい人だったなぁ。」
「こうやってお姉ちゃんと昔話をしたら、何か父さんに会いたくなっちゃった。」
「あんた、結婚してもいつもそばに私がいることを忘れないでね。お姉ちゃんが父さんの代りなんだからね。」
「そうね…。」
姉妹仲良く抱き合って寝た。

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 翌朝…。
チョルンの家ではみんなが晴れ着に着替えるのに大騒ぎ。
パク運転手は車椅子のままスーツに着替え、お婆さんは一張羅のチマチョゴリを着る。
ヨヌンは「あれぇ?ストッキング、どこかしら?」などと探し回っている。
スタクも今日はスーツ姿。
ところが、肝心のチョルンが出てこない。
ヨヌンが部屋に行くと、着替えもせず、ヨガのような変な姿勢で座ったまま…。
「どうしたの?」
「ん…緊張して立てない!震えが止まらない!このまま歩けなくなっちゃうのかな!?」
ヨヌンはハンドバックから飴を出してチョルンになめさせ、みんな待っているんだから震えないで出てきなさいよと促す。
それで漸くチョルンはウッシャァ!と気合を入れてぱっとタキシードに着替えて下に降りたのだった。
そしてチョルンは妻をもらう前に最後の挨拶をするといってクンジョルをするのだった。
「お父さん、お婆さん。これまで育ててくださってありがとうございました!」
 ソヌはその頃、ウェディングドレスに着替えていた。
傍らの姉・キム・テヒが「ユニ、本当に素敵ね」という。
「お父さんがいたら、どれほど喜んだことか…。」とソヌ(本物のキム・ユニ)が答える。
「きっとご覧になって喜んでいるわよ。…あんた、幸せに暮らすのよ。」
ソヌの手を握っていうテヒ。
そこにヨヌンが来た。
「お兄ちゃん、緊張するからって直接式場に行ったわよ。」
そこで、テヒが先に式場に行くことになった。
テヒが行った後、隠れていたウ・スンヒが出てきた。
そして、更にその後にはサンパンウル一家。
彼らは新婦専用車の運転手に当て身をくらわせて気絶させると、組の車に監禁した。

 ウ・スンヒはソヌ拉致の引き込みのためソヌの控室にやって来た。
しかし、そんな陰謀など知らないソヌは単純に喜んで「あ、スンヒ!」と迎える。
単にお祝いに来たとしか思っていないからだ。

 式場となる教会には既に大勢の人が集まっていた。
イ・インス組長もスンヒの母やファン・グットもやって来たが、チャン・ジェヒョクの姿はそこになかった。
彼は会社のチーム長室にいた。
「本当に式には出ないつもりですか?会社の人たちはみんな行っちゃいましたよ」とオ・ハニョンが言う。
「午後2時から中国のバイヤーを迎える。準備をしておけ」
無表情に指示を出すジェヒョク。

式が始まる時間が近づいてきたというのに、ソヌが来ない。
教会の入口で、心配そうに時計を見るチョルン。

 スンヒは運転手がサンパンウル一家の若頭に入れ替わった新婦専用車にソヌをまんまと誘導する。
「ねぇ、スンヒ一緒に行こう!」
そういうソヌと一緒の車に乗ってはソヌ暗殺計画が水の泡。
「私が、一緒に式場に行ったら、気分を害する人たちが大勢いるじゃない。だから私はここで失礼するわ。」
スンヒは言葉でうまく誤魔化した。
車に乗ったソヌが異常に気がついた。
「あれ?キム運転手は?」
「急病で交代しました。」
そこで気がついた。
この顔は以前に襲ってきた隣町のヤクザ者ではないか?
慌てて、車を降りようとしたところ、両側からチンピラが乗り込んできて、ソヌをがっちりと押さえこんだ。
かくして、ソヌはサンパンウル一家に拉致されてしまった。

 花嫁の服を着替える施設ではストッキングに穴が開いたと履き換えに手間取っていたヨヌンがいた。
履き換え終わって出てくると、店の人が「あら、新婦の方ならお友達ともう出発しましたよ」という。

 式場ではいつまでたってもソヌが来ないので出席者がざわつき始めていた。
スタクがヨヌンにいつまでたってもソヌが来ないと電話をする。
しかし、花嫁の服を着替える施設には既にソヌを乗せた車はいなかった。
「大変!ソヌ姉さんがいないの!ストッキングが伝線して履き換えている間にいなくなっちゃったの!」
ヨヌンは電話をしている間に不審なセダン車が停まっているのを目撃する。
後部ドアを開けると、何とそこにはソヌの車を運転するはずだったキム運転手が後ろ手に縛られ、口にガムテープを貼られていた。
「わ、わ…どうしよう!」
スタクはチョルンに言う。
「ソヌがいなくなったそうです。ソヌの車を運転するはずの人が縛られて、口にガムテープを貼られて…。」
そこに電話がかかって来る。
サンパンウル一家の組長からだ。
「どうも、パク・チョルンさん。イッヒッヒッヒ…。今日は結婚式だそうですな。私は新婦に用がありましてね…。」
組長室にチンピラ達がソヌを連れてきた。
「ダメ!来ちゃダメ!早く警察を呼んで!」
絶叫するソヌ。
「てめぇ…ソヌに何しやがる!」
「花嫁に会いたかったら、自分で取り返しに来るんだな。一人で来い!」
「何だと?」
「警察にチクったり他の人間を連れてきたら、花嫁はぶっ殺す。一人で静かに来い!我々同士で解決しようじゃないか。」
電話が切られ、真っ青になるチョルン。
チョルンはスタクに言う。
「ソヌがさらわれた。会場の人たちには俺がソヌを取り返してくるから待ってろって伝えてくれ。」

 サンパンウル一家はソヌを倉庫に閉じ込めた。
そしてチョルンは一人車を飛ばしてサンパンウル一家の組事務所に向かった。

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第38話

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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第全話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第38話

ガラスの靴 第38話
 ジェヒョクにバーに呼び出され、そこでジェヒョクとの別れを告げていたソヌ。
しかし、後をつけてきた叔母・キム・ヒョンジャは話も聞かず、一方的にソヌとジェヒョクが密会を重ねていると思い込んでしまった。

 テヒが会社のリムジンで帰宅すると、怒り狂ったキム・ヒョンジャが本物のキム・ユニことイ・ソヌを怒鳴りつけているところだった。
「アンタ!なんてことするの!いくらなんでもテヒはお姉さんでしょ!チャン・チーム長はフィアンセなのよ!それを公衆の面前で姉のフィアンセと密会するなんて!」
「叔母さん、それは誤解です。」
「私がこの目で見たんです。どこが誤解ですか!お姉さん裏切っているじゃないの!いったいどういうつもりで逢いに行ったのよ!行くところまで行くつもりなの?」
「そんなんじゃないです。」
「だったら、何さ!」
「叔母さん、私とチャンチーム長の関係はとっくに終わっているんです。さっきはチーム長が酔ってました。他に他意はないんです。どうか分かって下さい。」
余りの一方的な言い方に弁明するソヌの目に涙が…。
ありとあらゆる罵詈雑言と叱責を止めないキム・ヒョンジャ。
見かねて、テヒが間に入り、「私の部屋で待っていなさい。あとの話は私がつける」と言って、ソヌを2階に行かせる。
ソヌはテヒが来るまでの間、ずっと泣いていた。

 キム・ヒョンジャとテヒが2人で話す。
ヒョンジャは怒りにまかせてソヌが如何にけしからん人間であるかを力説する。
そして、もうこうなれば、あのチャン・ジェヒョクと婚約解消してしまえ!と結論付ける。
それを黙って聞いていたテヒは言う。
「私が婚約解消をするのは簡単です。問題はソヌとジェヒョクの2人です。あの2人は未だにお互いに忘れることが出来ずにいます。そのためにお互いに苦しんでいるのです。」
「それで、アンタ、フィアンセを妹に譲る気?」
「本人たちがそれで納得するんならそれでもいいです。」
「アンタ、アタマおかしいんじゃない?」
「ユニもジェヒョクも寂しく辛い子供時代を送ってきた人たちです。2人とも捨てられて、傷つきながら、可哀想な人生を送ってきました。これ以上傷つけたくないんです。しかも、嫌いになって別れたわけでもないのに。2人さえよければ…。」
「うるさい!」
婚約を公式にマスコミ報道され、体面しか考えてない叔母・キム・ヒョンジャ。
テヒは体面より本人たちの気持ちを尊重したいというものだから、話が全くかみ合わない。
結局交渉は決裂した。

 テヒはソヌの部屋に行く。
「お姉ちゃん、怒ってるでしょ?話がこんな風に大きくなるなんて思ってもみなかったわ。私はチョルンと結婚するつもりだから、きれいに清算しようと思って行っただけなのに…。ごめんね、お姉ちゃん。私のミスです。」
「こっちにおいで…。」
ソヌを抱き寄せるテヒ。
「分かってるわ。あなたの気持は。お姉ちゃんにすまないなんて思うことないよ。お姉ちゃんは大丈夫だから。」
姉の肩で泣くソヌ。
それをドア越しに盗み聞きしてイラつく叔母・キム・ヒョンジャ。

朝、チョルンが上機嫌でトラックを出そうとすると、いきなり道をふさぐ車が。
「何やってだ、コラ!」
怒鳴るチョルン。
しかし、車の公募座席の窓が開くとそこにはキム・ヒョンジャの姿。
「ちょっと、話があるんだけど…。」
チョルンを喫茶店に呼び出すキム・ヒョンジャ。
「歳はいくつ?」
「27歳です。」
「ユニのどこがいいの?」
「全部です。頭の先からつま先まで全てです。笑い声も話し声も、怒ったときの声もです。」
「他に好きな男性がいたことも知っているの?」
「はい。知っています。」
「その男が、姉の婚約者ってことも?」
「何で急にそんなことを聞くんですか?」
「2人は夕べも2人っきりで逢ったのよ。2人ともまだ感情の整理がついていないみたいなんだけど。だからこそ、パク・チョルンさんとの結婚を決心したみたいなんだけど。一人でチャンチーム長との関係を切れないから、あなたにぶら下がったところもあるんじゃないかしら。そうでもしなければ、関係を終わらせることが出来なかったから。」
「いったい、何が言いたいのですか?」
「そんな状況でもうちのユニと結婚できる?好きな人との関係を清算するためにあなたと結婚する。そんな女性をあなたは幸せにできるの?もし、それでも結婚したいというのなら、私はこれ以上反対はしません。喜んで認めます。どうなの?辛い?」
 キム・ヒョンジャが家に帰って来た。
ソヌのお帰りなさいという挨拶も無視して…。
そして、ソヌに電話がかかって来た。
チョルンからだ。
仕事中なのにソヌをトラックを停めた公園に呼び出した。
「お前に聞きたいことがある。正直に答えてくれ。」
「お前、何で急に俺と結婚しようって言ったんだ?理由を知りたい。純粋に俺と結婚したいのか、他に事情があるのか…。」
「…叔母さんに会ったのね?」
「お前の返事が聞きたい。チャン・ジェヒョクから逃げ出したいからか?」
「ごめんね、チョルン。チーム長も私もこのままだとお姉ちゃんを苦しめるだけだと思ったから。いっそ私が結婚すれば、チーム長もきれいに精算できるかと思って…。」
「それで、全部か?本当はチャン・ジェヒョクのためじゃなく、自分が辛いからじゃないのか?怖くなって俺と結婚するって言ったんじゃないのか?」
「あなたが好きなの!チョルン。療養中からずっと想ってた。退院したらあなたと結婚しようって。だから私に機会をちょうだい。」
苦悩するチョルンは無言でトラックを出した。

 スタクがユン・ソジュンのレストランにやって来た。
ヨヌンを訪ねてきたのだった。
ヨヌンを待っている間にユン・ソジュンとチェ・ミニョンがやってくる。
「あれ?スタクさんじゃないですか。どうしたんですか?」
「この人だれ?」
「あ、ヨヌンさんのお兄さんの後輩ですよ。あ、スタクさん、こちらは幼馴染のチェ・ミニョンさん。」
ソジュンがスタクにミニョンを紹介する。
「女友達…ですか。」
「まぁ、男友達ではないから、女友達ってことになりますね。」
そこにヨヌンが出てくる。
「あら、スタク兄さん、こんにちは!あ、ミニョンさんだ。最近大学の講義をしていらっしゃるんですって?」
「ええ、忙しくって。人に物を教えるのがこんなに大変だなんて知りませんでしたよ。」
「夕方、同窓生の集まりがあるんだけど、俺に会いたいって、早くから来たんだぜ。」
「なによ、会いたいから早く来てくれって言ったくせに。ったく、ビョーキね。」
「可愛いじゃないですか。」
「見たろ?俺が可愛いってよ。」
「ねぇ、冷たい飲み物御馳走してよ。」
複雑な顔をしたスタクが、小声でヨヌンに言う。
「話がある。ちょっと来てくれないか?」
そういって立ち去るスタク。
行った後、「気に入らないって顔していたな…」とソジュン。
スタクが横恋慕しやしないかと冷や冷やしている様子。
それを見て、「最近はあまり会ってないから大丈夫」となだめるヨヌン。
ヨヌンが下に降りて行くとスタクが言う。
「ヨヌンさん、あの社長というヤツと関係を終わらせる気はないの?」
「そんなことスタク兄さんが何で知りたがるのよ。」
「ソヌ姉さんとチョルン兄さんが結婚したら、親戚同士になるのに、まずいんじゃないか?」
「法的にも道徳的にも問題ないと思いますけど。」
「法的って…もう結婚まで考えているんですか?ヨヌンさん。」
「そんなの私の問題でしょ。スタク兄さんには関係ないじゃない。」
「そんなこと言うなんて、寂しいよ。」
「何で寂しがるの?そんな関係じゃないのに。」
「そのぉ…ヨヌンさんと俺は…。」
「もういいから、帰りな。チョルン兄さんのとこに早く行きなよ。」
「今日はチョルン兄さんは仕事をしてません。」
「仕事に行ってない?何で?」
「それは俺にも分かりません。」

 丁度その頃、パク・チョルンは漢江の川辺にトラックを停めて一人悩んでいた。
自分はただのあて馬じゃないかと。
ソヌも同様にジェヒョクとの関係を終わらせる問題で苦しんでいた。

 キャバクラでホステスを続けるウ・スンヒ。
実は、パク・チョルンのことを密かに待っていた。
それで、受付のボーイに「あの、今日はいつものビール配達の人、来ないんですか?」と聞き、「ああ、パク・チョルンさんは今日は来ませんよ。明日か明後日にはくるでしょう」と言われてしまう。

 チョルンは悩んだ末、イ・インスの組事務所に行った。
そして、カントン若頭も入れて、3人で夕食を食べに行く。
「チョルン、一体どげんしたと?」
カントン若頭がうかない顔のチョルンに尋ねる。
組長と若頭はチョルンがソヌに振られたと思うが、その方が却ってましだと答えるチョルン。
「それより酷いことってなんね?」
首をかしげるカントン若頭。
「それやったら、他ん男とば、ソヌしゃんの付き合っちいるんか?」
「その『他の男』と別れるために結婚してくれって言うんですよ。結婚は神聖なもの、お互いに純粋な心でするものだ。何か不純な動機で結婚するのはよくないことだと思ってきました。」
「それで?」
「正直、ちょっと裏切られた気持ちです。」
「で、別れるか?」
「まさか、そげんこつはなかでしょ。」
組長の質問にうつむいてしまうチョルン。
「もし、そうなら、きれいさっぱり忘れることだよ。…結婚は神聖さ。けどな、それよりも、もっと大きな意味がある。自分が好きな人の過ちを包み込み、許し、最後まで理解することだよ。別れる気がないのなら、きれいさっぱり忘れて、彼女を受け止めろ!それこそが大きな愛だ。それが侠(おとこ)の愛ってもんだろ。」
イ・インス組長がアドバイスをし、若頭がそれに従う。
「お前の愛が本物なら悩むことなどない。お前は自分の真の愛をソヌに見せてこい。それが男ってものだろう。」

家へとぼとぼと帰るイ・ソヌをチャン・ジェヒョクが待ち伏せる。
「ソヌさん、話があるんだ。」
「私はチーム長に言うことは何もありません。」
「すまん。ソヌさん。ソヌさんを苦しめるつもりはなかったんだ。心から好きになれる人を見つけたのは人生でこのただ一回だと思っていたんだ。」
「それは未練や執着だとは思わなかったんですか?…そう、私たちが愛し合っていたのは事実でしょう。でも、今は違います。今私とチーム長の間にあるものはただの未練であり、執着でしかないんです。私たちの執着のせいで周囲の人を苦しめているんです。もう帰って下さい。私たちのためにもうこれ以上テヒ姉さんを傷つけることはできません。」
「未練に執着?」
「そう…。間違いないと思うわ。」
「そう見えたなら、すまん。実は、もう二度とキミを苦しめないと約束しにここに来たんだ。」
そういうとジェヒョクは車に乗って行ってしまった。
ジェヒョクが行くと入れ違いでチョルンがやって来た。
「また、あいつか。今度は何だ?何でまたやって来たんだ。お前、いつまであいつに会い続けるつもりだ?」
「今日で最後よ。もう会わないから。」
「約束できるか?」
「約束するわ。そうすれば、許してくれるんでしょ?」
「そんな簡単に許せる問題じゃないだろう。…二つだけ聞いてくれ。そうしたら、怒らないから。」
「何?」
「まず、俺へのプロポーズはなかったことにしてくれ。」
「そうするわ。」
「代わりに、俺のプロポーズを受けてくれ。やはりプロポーズは男がするもんだろ。」
そして赤いバラ一輪を取り出して言う。
「これまで誰かを愛していたことは忘れよう。愛は今から始まるんだ。一生幸せにする。俺と結婚してくれ。」
赤いバラを受け取ってニッコリするソヌ。
「まだ、もう一つ残っているぞ。」
「何?」
それは熱いキッスだった。
そしてチョルンは雄叫びをあげる。
「ひゃっほ~~!これでソヌは俺のものだぁ!」

 家に帰ったソヌはテヒに報告する。
「結婚することにしたから。叔母さんがチョルンを訪ねて許して下さったんですって!チョルンと二人で決めたの。私、今幸せよ。お姉ちゃんを先越すのはちょっと悪いと思うけど、お姉ちゃんさえよければ、チョルンと結婚したいの。」
「本当に結婚したいの?」
「うん。」
なんだか自分のせいでソヌに身を引かせてしまったみたいで、申し訳なさそうなテヒ。
困った顔をしながら言う。
「そう…それであなたが幸せになれるのなら、いいわよ。」
「お姉ちゃん!」
ソヌはテヒを抱きしめる。

 夜、応接間に家族みんなが集まる。
「え?結婚?母さんがついに許したんだ。どうなっちゃってるの…。」
驚くユン・ソジュン。
仏頂面で「だから何だって言うのよ。本人たちがいいっていうんだから」というキム・ヒョンジャ。
「ごめんね、ソジュン兄さん。お姉ちゃんもソジュン兄さんも追い抜いて末っ子の私が先に結婚するんだもん。」
「別に悪いことなんてないさ。俺だって相手がいればさっさと結婚するって。おめでとう!」
「結婚式は派手にならないように両家の家族だけでやりましょう」と面白くなさそうに言うキム・ヒョンジャ。
「あら、叔母さん、一生に一度の結婚式よ。ちゃんとやってあげたら?」
テヒがツッコむと、キム・ヒョンジャはいう。
「運転手の息子風情と結婚させるのを噂にしたいわけ?本人同士がしたいという結婚だとはいえ、隣近所のいい笑い草だわ。」
「いいわよ、お姉ちゃん。簡素で。だって私には招待する人なんて別にいないもん。チョルンだってそうよ。」
「だったら、新婚旅行はどこにする。兄ちゃんがプレゼントしてやるよ。言ってみな。海外がいいか?」
「だったら、済州島がいいわ。まだ行ったことないもん。」
「おお、分かった!じゃぁ、いいホテル、とっといてやるよ。」
「ありがとう、お兄ちゃん。」

 テヒは部屋に入り、本当にこれで良かったのかと一人で悩む。
そこにユン・ソジュンがやってくる。
「入ってもいい?」
「ええ。」
「泣いてるのか?もしかして、妹を先に送りだすもんだから寂しいの?」
「私に我がまま言えばいいのに。もっと色々言ってくれれば、却って気が楽なのに。なのにあの子ったら何も言わないんだもん。だから、胸が苦しいの。」
「姉さん…。ユニが幸せになれればそれでいいじゃない。」
「でも…」
「ユニは自信満々に見えたぞ。人生にも結婚にも。ひょっとしたら、俺やテヒ姉さんよりずっと強い人かもしれないね。」
「そうね…。そうかもしれないわ。」
「心配するなよ。ユニの後ろにはいつも姉さんがいるんだから。」

 パク運転手の家にはユニが訪れ、チョルンと二人、お婆さんとパク運転手にクンジョル(慶事や正月などに目上の人に挨拶する行う挨拶)を行う。
手放しで喜ぶお婆さん。
「嬉しいねぇ。生きているうちに孫の結婚を見られるとは。ソヌがうちの嫁だなんて…あたしゃ、もう思い残すことはないよ。」
感極まって泣き出すお婆さん。
「こんな善い日に涙を流すの?」
やや呆れ気味のヨヌン。
「兄貴!どうやって許しをもらったのさ。」
興味津津のスタク。
「このパク・チョルン様が決心して出来なかったことなんてあるか!しかも、俺のようにハンサムで立派な花婿候補がどこにいる!違うか?ソヌ。」
「もう、お兄ちゃんったら、歯止めが利かないわね。」
チョルンの大風呂敷に爆笑するヨヌン。
お婆さんに促されてパク運転手も一言。
「お前たち、本当にやっていける自信はあるのか?」
「はい、自信あります!」
元気よく答えるチョルン。
「ソヌもか?」
「心配しないでください。私たち、上手くやっていきますから。」
「そうか…。ソヌを信じよう。」
チョルンが宣言する。
「ソヌはうちでみんなと一緒に暮らす。今度はヨヌンと一緒に部屋でなく、俺と一緒だ!」
「おじさんとお婆さんさえよければ、これからは私たちがお世話いたします。」
「おじさんじゃなくてお義父様でしょ?姉さん」
ソヌの言葉にヨヌンがツッコミを入れる。
「…お許しいただけますね…お義父さん…。」
ソヌの言葉にみんな拍手する。
ソヌとチョルンを中心に、一家は盛り上がる。

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 テヒとジェヒョクはその頃一緒にバーで飲んでいた。
「結婚式は来週の土曜日になりそうよ。本当はあなたにも出てほしいけど、嫌なら押し付けないわ。私は妹が辛く苦しい環境で育ってきたことがいつも胸の痛むことだったの。可哀想で。でも、妹を見ていたら、むしろ私の方が情けない生き方をしてきたんじゃないかって思えてきたの。物質的には私の方がはるかに恵まれてきたけど、私はソヌのように心から笑ったことがないの。」
テヒの言葉も聞かず、ジェヒョクは口の中でブツブツとつぶやいている。
辛さはやはり隠せない。
「アメリカにいつ発つの?」
「整理が出来次第…。ここには俺の居場所はないから。」
「いつかときがたてば、私たちも想い出として笑って今の出来事を話せるようになるのかしら…。」
「さあな…。」

 結婚が決まったチョルンは仕事に一層身が入る。
キャバクラへの酒の配達に精を出す。
ホステスをやっているスンヒが店の奥から出てきた。
「チョルン兄さん!仕事はいつ終わるの?」
すると助手を務めるスタクが言う。
「ここで最後だよ。」
「よかった!これから食事しない?」
「そんなカネがあったら、お母さんに持ってけよ。無駄遣いしないで。」
すげないチョルン。
そこへスタクが付け加える。
「チョルン兄さんな、来週の土曜日に結婚するんだ!」
「え?誰と?」
「俺がこの世の中で結婚するって言ったらイ・ソヌ以外にだれがいる!」
「イ・ソヌと?あの家で結婚を認めたって言うの?」
「ソヌが招待したいって言っていたぞ。来るか?」
「ソヌが幸せになるのを見に行くなんて…。」
「お前、まだ真人間になるのには道は遠いな…。スタク、行くぞ。」
さっさと行ってしまうチョルン。
スタクはこっそり招待状をスンヒに渡す。
2人が行ってしまうと、招待状をくしゃくしゃに丸めてスンヒは泣くのであった。

ファン・グットとスンヒの母親は家で内職のぬいぐるみ製作をやっている。
 老眼で糸が針の穴を通らず苦労する。
「貧乏になったら、目まで悪くなった!」
スンヒの母がそういうとファン・グットが代わりに通してやる。
「スンヒったら、遅いわねぇ…。」
「あいつときたら、鼻の穴に空気が入るだけで、ろくなこと考えないけぇ。」
「しかし、それで何とかやっていけているんだから。チェハ財閥会長の孫娘にまで成り上がって、一晩でどん底の生活。普通だったら、どうにかなっているわよ。」
「スンヒはキツい女じゃけぇ、心配してやる必要なんてないじゃろう。」
そこにいきなり果物の大きな籠を持ってソヌが現れた。
驚くスンヒの母。
「あんた、ここまで何の用なの?」
「おばさんに会いに来たの。お話があって。」
招待状を出して言う。
「私、結婚するんです、おばさん!」
「結婚?相手は?」
「チョルンです。」
「え?あの乱暴者のかい?」
「はい。」
「良い家のお嬢様が何であんなのと結婚するのよ。」
「馬鹿なこと、言よーりゃがるんじゃないよ。結婚は愛の力じゃろうが。」
「お二人でお祝いに来て下さるとうれしいんですけど。」
「そんな…私たちが顔を出せるようなところじゃないじゃない。」
「そうじゃ。わしらが行けるようなところじゃないけぇ。」
ソヌに招待された二人は遠慮をする。
「私を育ててくれた方々でしょ?だったら、嫁ぐところも見届けてくださいよ。必ず来て下さいね。」
加えてソヌは白い書類封筒を差し出す。
「姉に頼んで銀行から買い取りました。抵当に取られていたお店の権利書です。」
「そ…ソヌ!」
スンヒの母とファン・グットは店の権利書まで取り戻してもらえ、感激してソヌと手を取って泣きだす。
「本当にありがとう。ソヌ。私たちはもう一度食堂で人生をやり直すわ。本当にありがとう!」

 ソヌが家に帰ると叔母のキム・ヒョンジャが待っていて、明日ウエディングドレスを作るから、時間を開けておきなさいという。
「ウエディングドレスですか?レンタルでいいじゃないですか。」
「そういうことは私に任せて、黙ってついてきなさい。明日から忙しくなるわよ。今晩はゆっくりと御休みなさい。」

 ソヌが2階に上がると急に電話が。
ユン・ソジュンが代わりに出ると、なんとキム・ユニを名のる女が捕まったという警察署からの連絡だった。
その警察署にはふてくされたスンヒがいた。
「あんた、本当にチェハ財閥会長の孫娘なのかい?」
訝しげに警官が聞く。
「ええ。そうよ!私がハッキリ言ってやるわよ。電話代わって!」
警察署に捕まっていたもう一人の一見ホステス風の女が吠える。
「アンタがチェハ財閥会長の孫娘だって?だったらアタシとなんかもめるわけないじゃん!」
「なんですってぇ?」
「おい、いくらこういう状況だからといっても筋ってもんがあるだろうよ。人の男を掠め盗って!」
キレたスンヒはその女と殴り合いになる。

 家を飛び出そうとするソヌ。
「どうもスンヒみたい。」
「そんなの分かり切ったことだろう?何かやらかして、嘘をついたんだろう?」
制止しようとするユン・ソジュン。
「でも助けが必要なのは確かでしょ?」
「行くのか?」
「代わりに、テヒ姉さんには内緒ね。バレたら心配するでしょ?」
「やれやれ。頑固だなぁ…。一緒に行ってやるよ。その方が安心だろ?」

 警察署に駆けつけるソヌとユン・ソジュン。
「電話を頂きました。キム・ユニさんがここにいるそうですね。」
ソジュンが最初に切り出す。
ソヌが振り向くとそこにウ・スンヒがいた。
「あ、スンヒ!」
「ソヌ、アンタ何でここに?」
「あんたこそ、いったい何をやったの?」
「こいつ、イカれているのよ。カネもないくせにバンバン浪費して…。借金だけで何千万ウォンもあるんじゃない?それを返そうと、人の男に手を出すし。人間のクズね。」
呆れるソヌ。
「何じろじろ見てんだよ!」
毒づくスンヒ。
「何でそんなめちゃくちゃな生き方をするの!」
「何でかって?テメェのせいだよ!」
「お前のために来てやってるのに何だよ、その態度は!」
怒るソジュン。
「お前は口出すなよ。これはアタシとソヌの問題なんだからさ。」
「何だと!…ダメだ、こいつ。同情する必要なんかないぜ。さっさと行こうぜ。」
チョルンは身柄引き受けをせず帰ろうとソヌを促す。
それを見たホステス風の女は「こんなヤツ、何年か刑務所で臭いメシを食えばいいのさ」と睨んで言う。
「るせ~な、このアマ!」
「それはこっちのセリフだ。本当に哀れな女だな…。」
それを聞いて殴りかかるスンヒ。
「止めなさいよ、もう」
ソヌが間に入って喧嘩を止めさせようとすると、スンヒはソヌを殴りつけた。
「おめぇはよ、誰の前でいい子ぶってやがんだよ!誰のせいでこんなになったと思ってやがんだよ!てめぇのせいだ、このクソ女!チョルン兄さんまで奪いやがって!アタシにはもう何も残ってねぇんだよ!お前を必ず不幸にしてやるからな!」
激しく逆恨みをするスンヒだった。

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第37話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 
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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第全話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第37話

ガラスの靴 第37話
 スンヒとにらみ合いになるソヌ。
「お目にかかれて光栄だわ。スンヒ。そうでなくても一度会おうと思っていたから。チョルンから話を聞いて、家に行こうと思っていたの。」
「何で?何で私に会おうとしていたの?私がどれほどぶっ壊れて悲惨なことになっていたのか気になっていたんでしょ?それを自分の目で確かめて馬鹿にしようと思っていたんでしょ?」
「なんてこと言うんだ!」
横で聞いていたチョルンが怒る。
「知らなかったの?私は曲がったことが嫌いなの。どうなのチェハ財閥会長の二番目の孫娘になれた気分は?上から目線で見て、さぞや楽しいことでしょうね。」
「あんたがどんな暮らしをしていたか心配していたのよ、スンヒ。辛い目に会ったんじゃないかって。」
「へっ、有難くて死んじゃうわ。私のことを心配してくださって、感激して涙が出るわ。頼むからいい子ぶりっこは止めてくれる?いっそのこと、私のことをせせら笑って、ざまあみろって言ってくれた方がはるかに人間らしいわよ。」
「あんた、本当にろくでなしだね…。」
「私が涙を流して土下座でもすると思った?そんなことするぐらいなら、死んだ方がマシよ!」
そういってスンヒは行ってしまった。
チョルンは「もう相手にするな」というが、ソヌは「何か可哀想。何とかならない?」というがチョルンは「こんなときはほっとくのが一番さ」と言うしかなかった。

 コンビニで焼酎を買い、一気飲みしてふらふらと街を彷徨うスンヒ。
自然と涙がこぼれる。
すると、オープンカーに乗った遊び人に「よぉ!何で泣いてんだよ」と声をかけられる。
「失せろ!」
「いや~~、きっつい女だねぇ。兄ちゃんが遊んでやるぜ!」
「私、高いわよ!しかも先払い。」
遊び人の男は財布から札束を出す。
それを数えて、胸元にしまいこむと、車に乗り込んで言う。
「兄さん、どこで遊ぼうか?」
ほぼ、娼婦のようになってしまったスンヒ。

 ジェヒョクがテヒの家の門前まで来るが、呼び鈴を押さずためらった末、車に戻り、行こうとする。
すると、そこにチョルンのトラックがやってきた。
助手席にいるのはソヌ(本物のキム・ユニ)だ。
「さ、着いたぞ!」
チョルンが門の前にトラックをつける。
ところがソヌはすぐに降りずに悩んだ表情で言う。
「スンヒはこのうちにいて、本当に幸せだったのかしら!?何か急に気になっちゃったのよねぇ。」
「お前はどうなんだ?」
「うちは…何でもモノがあふれて豊かよ。でも何でもあるってことは思ったよりつまらないことのように思えるの。お姉さんに会えて一緒に暮らせるのはうれしいけど、何だかあの家は私の身の丈にあっていない感じがするの。どこか居心地が悪くて変なの。」
「それはさ、慣れていないからじゃないの?時がたてば何でもなくなるよ。」
「じゃぁ、行くわね。」
「そのまま行くのかよ。久々の再会だぜ。キッスぐらいサービスでして行けよ!」
「会うやいなやまた、それ?」
「男の純情を少しは分かれよ。お前一筋にず~~っと我慢してきたんだぞ。雰囲気なんて全然ないし、キスらしいキスもしてくれないし、お前、冷たいだろ!」
「分かったわよ。目を閉じなさいよ。」
「目を閉じるのはお前のほうだろ。」
「じゃぁ、いいわよ。」
「ちょっと待て、目を閉じるから。」
すると、顔にキーホルダーを押しつけてトラックから降りる。
「はい、お土産!じゃぁね!」
「あ~~!ひでぇ!こんなの詐欺だぁ!イ・ソヌ!」
しかし、チョルンはしっかりもらったキーホルダーをトラックのキーに取り付け、そのまま行ってしまった。

 いったん門の中に入ってから、外へ出てキョロキョロと覗いてから、再び中に入るソヌ。
どうもジェヒョクが訪ねてきていることをひそかに期待している様子。
しかし、物陰にいるジェヒョクの車を見つけられなかった。
家に入ると家政婦さんにお土産を渡す。
応接間ではテヒと叔母・キム・ヒョンジャが口論になっていた。
「出勤だって?」
「ええ。ユニが望めば復職させてあげようかと。」
「チャン・ジェヒョクとユニが同じ会社にいてやってられないとか言っていたくせになによ!で、その二人をくっつけるわけ?婚約者と妹を同じ会社に?ダメよ!話にならない。」
「ユニは優秀な子で、会社では必要な人材なの!」
「それでも駄目なものはダメ!」
ジェヒョクとの恋が原因で叔母が復職に反対するのを陰で聞いてショックを受けるソヌ。
叔母は世間体ばかりを気にし、当人の感情を全く無視し、ジェヒョクをアメリカに送るか辞職に追い込むかしろと決断を迫り、テヒを困らせる。
キム・ヒョンジャは部屋から出てくるとソヌを見て毒づく。
「外で聞いていたんでしょ。なら、同じことは二度と言わないわ。アンタは当分会社に行ってはダメ!理由は分かるわね!」

 ソヌはテヒの部屋に入る。
「ただいま。…外で叔母さんとの話、全部聞いちゃった。チーム長のことでしょ?」
「もう、いいわ。気にしなくて。私はジェヒョクの問題とは関係なく、あなたの復職を願っているの。チェハ通信にはあなたが必要だし、何よりもあなたがそこで仕事を従っているじゃない。」
「とはいっても…。」
「あなたさえよければ好きなようにさせてあげたいの。疲れたでしょ?今日は部屋でお休み。」
「チーム長と私は叔母さんが心配するようなこと、ないから。お姉ちゃんとチーム長の結婚には問題なんて何もないわ。」
そうはいったものの、ジェヒョクのとの関係は終わったとはいえ、双方未練タラタラで一人になると思いだすのもまた事実であった。

 翌日のウ・スンヒの家。
スンヒの母は久々にユッケジャンを作る。
ファン・グットは「何の匂いじゃ!旨そうじゃ!」と大喜び。
夜中にほっつき歩いたスンヒは布団をかぶって起きようとせず、「ご飯なんかいらない!」などと言っている。
「毎日、お酒を飲んで夜中にうろついているからでしょ?お酒を飲んで解決する問題なんてあるの?」
「もう!ほっといてよ!」
「何よ!癇癪なんか起こして。お前のためにお肉を買ってわざわざユッケジャンを炊いてあげたのに…。」
自分がうまくいかないことに腹を立て、母親にまで食ってかかるスンヒ。
すさんだスンヒは文句を並べ立てた挙句、家を飛び出して行った。

 昼寝をしているキム・ヒョンジャ。
掃除機の音がうるさくて目を覚まし、家政婦を叱りつけようと下に降りてきたら、掃除をしていたのは何と本物のユニ・イ・ソヌ。
「あんた、何やってんの?」
「あんまり暇だから掃除してました。おばさんが洗濯している間に。」
「そういうことは全て家政婦の仕事。あんたは掃除機に触らなくていいの。」
「掃除ぐらい、いいじゃないですか。5分だけ我慢してください。すぐに終わりますから。」
そう言われて部屋に引っ込むキム・ヒョンジャ。
「ったく!あの子ったら…。バカじゃないの?」
ソヌも掃除を手早く終えて、部屋に戻ると薬を飲むが、どうも居心地が悪い。

 そこでソヌは、外に出て、チョルンの家に向かった。
玄関まで来るとお婆さんが出てきた。
「アイゴー、ソヌ!体は大丈夫かい?白血病になんかなって。何ですぐに言わず、このババに隠しておった!」
心配しながら駆け寄ってくるお婆さん。
お婆さんはすぐソヌを中に招き入れる。
それを車椅子姿のパク運転手が出迎えてくれる。
「ああ、ソヌか…。」
お婆さんはソヌに梨をむいてあげ、「あ、洗濯ものを干すのを忘れておった」と部屋を飛び出していく。
パク運転手とソヌ、2人っきりになる。
「チョルンに会ったか?」
「はい、昨日会いました。」
「あいつはずっとお前さんを悩ませているんだろ?俺は止めとけと言ったんだが、あいつは頑固だからな。全く聞こうともせん。」
「何のことですか?」
「状況は変わったのだ。お前さんはもう、昔のソヌじゃない。もはやチェハ財閥会長の2番目の孫娘で、令嬢じゃないかね。むろん、お前さんが人が変わったようにならないことは俺もよく分かっている。お前さんは家族を見つけ出しただけかもしれないが、俺たちから見れば、もはや雲の上の人なのだよ。しかも、好きな人が他にいるんだろ?…詰まらんことをいってすまん。しかし、チョルンの父親として、息子が傷つくのが心配でならないんだよ。」

 組事務所ではそんなパク運転手とソヌのやり取りも知らずに、チョルンがソヌに求婚すると言い出した。
「ソヌの言うとおり、ヤクザから足を洗って、トラック運転手になったし、ソヌも病気がよくなったんだから、求婚したっていいと思うんですよ!」などとイ・インス組長やカントン若頭を前にして演説するチョルン。
カントン若頭は「嫁しゃんも来んおれっち組長ば差し置いて、きさんだけ結婚して幸しぇな家庭生活ば送ろうっちしゅるんかい?物事には順序っちゆうもんのあっけんちゃろう!」とちょっとおかんむり。
そして、こともあろうにカントン若頭はスタクに組長と自分のお見合いを仲介してくれなどと無茶を言いだす。
そして組長はやはり、サンパンウル一家につけまわされているんじゃないかと心配をしている。
「組長、心配しないでください。あんな連中、一発ブッ飛ばせば大丈夫ですから。」
そういうとチョルンはトラックで配達に出かけた。

 身の置き所がなく、寂しい気持ちで気が付いてみたら、チェハ財閥本社ビルの前に来てしまったソヌ。
会社に当分行くなという叔母・キム・ヒョンジャのキツい声を思い出し、慌ててきびすを返そうとするが、そこでチャン・ジェヒョクと出会ってしまう。
苦い顔をするオ・ジャニョン。
会社の前の公園で2人きりになり、ジェヒョクが話しかける。
「元気にやってるか?」
静かにうなずくソヌ。
「よかった。」
「チーム長は?」
「朝から晩まで忙しく働いているよ。それが元気な証拠と言えば証拠だけど。」
「実は悩んでいるんです。姉も見つけ出し、立派な家に入って、何もかもが完璧なはずなのに、幸せな気分になれないんです。新しい家族とは親しくなれないし、私をよく知っている人たちは急によそよそしくなりました。私は何も変わっていないのに周囲の人は私が変わったというんです。なんか、ガラスの瓶に閉じ込められたみたい。」
「僕も、最近何だかやりにくいんだ。ソヌさんのことは忘れようとしても忘れられない。今でも愛しているけど、僕にはソヌさんを幸せにしてあげる自信がないんだ。」
そう言ってソヌを抱きしめるジェヒョクを遠巻きに見るオ・ハニョン。
そこにテヒがやってきて、同じ光景を見てしまう。
「私が来たこと、言わないでね。」
「どういう意味か分かります。会長。」
ジェヒョクとソヌの恋愛で2人とも頭を抱えているのは一緒だった。
ソヌはジェヒョクに「もう、手を離してください」といい、テヒに苦労をかけたことを申し訳なく思うソヌ。
「やっとのことで妹を探し、しかも白血病の治療をして命を助けてくれた姉を裏切ってチーム長と一緒になることはできません。今日のことはなかったことにしてください」と涙をこぼしながら言うソヌ。
そして、ジェヒョクを振り払い行ってしまう。
 テヒの方もジェヒョクの心がまだソヌにあるのを分かって、会長室で一人、涙をこぼす。

 そんなややこしい四角関係があるなんて思いもしないチョルンはソヌの家の前にトラックを停めて、何度も何度も愛の言葉を繰り返し、プロポーズの練習をしている。
そこにソヌが現れた。
「ソヌ!どこ行っていたんだ?ずっと待っていたんだぞ。」
突然チョルンに抱きついてソヌが言う。
「ねぇ、私たち、結婚しない?チョルン!」
ビックリして目をむくチョルン。

 会社の重役と下に降りてきて、ロビーで別れたテヒは一人ポツンと座っているジェヒョクの姿を見つける。
「何しているの?」
「退勤するとこ?」
「うん…ちょっと座ってもいい?」
「仕事が忙しいんだ。」
「じゃぁ、上がれば?」
エレベーターでチーム長室に戻って行くジェヒョクの心がまだソヌでいっぱいであることを考えるとテヒの心は重い。
会長車の中でもずっとため息をつきっぱなしだった。

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 テヒが帰宅するとその恐怖の叔母さん・キム・ヒョンジャが閻魔大王の用に座り、向かい合ったソファーにはソヌとチョルンが座っている。
イライラした声でヒョンジャが切り出す。
「いいところにきた。こっちに座りなさい!全く、呆れ返ってものが言えないわ!」
「いったいどうしたっていうの?」
「この二人、結婚するんですって。け・っ・こ・ん!」
「ええ?結婚!?」
「はい。結婚したいです。お許しください!」
堂々と言うパク・チョルン。
「病気も治ったし、何よりもチョルンが私をずっと待っていたから。」
言葉を添えるソヌ。
「どうか心配しないでください。俺が責任を持ってソヌを幸せにします。」
「何に責任を持つって?」
「トラックで稼ぐお金はひと月200万ウォン以上です。」
「何ですって?トラックぅ?」
「はい。トラックです。」
「あのね~、この子はチェハ財閥会長の妹なのよ!トラック運転手風情が口を聞ける相手じゃないのよ。住む世界が違うわ!」
「住む世界が違うといって、それが結婚できない理由になるでしょうか?」
「それにね、アンタの親父さんのせいでこの子のお祖父さんは亡くなったのよ!」
あんまりな言い方にソヌが「それは事故でしょ!」と反論する。
「とにかく、お酒飲んで運転したオヤジの子供じゃないの!何で、あんな家の人と付き合うのよ。全く理解できないわ。ユニもユニだ。うちに来てそんな奴と結婚するなんて言い出して。とにかく、こんな結婚反対だ。ふざけるな!」
ものすごい勢いで怒鳴って行ってしまうキム・ヒョンジャ。
ヒョンジャがいなくなるとテヒがようやっと「すみません、チョルンさん」と切り出す。
「いえ、気にしないでください。最初から猛反対されるって分かっていましたから。」
「ユニ、私と2人だけで話をしよう。チョルンさん、ちょっと待っていて下さる?」
「俺はいいですよ。」

 ソヌを自分の部屋に呼ぶテヒ。
「ちょっと座りなさい。…いったいどうしたの?急に結婚だなんて。」
「お姉ちゃんも反対するの?チョルンがパク運転手の息子さんだから?もしそうなら心配しないで。私、あのうちでは娘同然に扱われて過ごしていたんだから。みんないい人たちだし、チョルンだって私に優しくしてくれるわ。」
「チョルンさんのこと、愛してる?それで結婚するの?」
「大好きよ。」
「愛しているかと聞いたのよ。」
「一緒に暮らせば、愛せるわ。チョルンぐらい私を大切にしてくれる人はこの世の中に誰もいないわ。」
「もしも…ジェヒョクとの関係を清算したくて結婚するんだとしたら、お姉ちゃんはとても賛成できないわ。そんなの、あなたが幸せになれない結婚よ。」
「お姉ちゃん!」
「分かっているわよ。お姉ちゃんのためを思って決めてくれたんでしょ?けどね、お姉ちゃんのために気を遣う必要なんてないわ。あなたは自分が幸せになる道だけを考えなさい。お姉ちゃんはあなたの望むことは何でもしてあげる。だkら、お姉ちゃんのために自分の幸せを投げ出すような真似はしないで。」
「お姉ちゃん、私はね、確かに苦労はしてきたけど、一度も幸せを投げ出したことなんてないわ。これまで私は誰よりも幸せになろうと頑張って来たんだもの。これからもそうよ。私、チョルンのこと大好きよ。チョルンと一緒なら幸せになれそうなの。チーム長は私のものじゃない。だから私にもうチーム長の話はしないで。」
ソヌはソヌで姉がジェヒョクとの関係でこれ以上苦しむ姿を見たくなかったのだった。

 話を終えて、ソヌは応接間に降りてきた。
「話は済んだかよ!」
「ええ。」
「何て言っていた?」
「お姉ちゃん、考える時間を少しくれって。」
「…そうだろうな…。お前、部屋どこだ?」
「二階だけど、何で?」
「上がっていいかな?」
部屋にソヌと入って、いきなり抱きしめるチョルン。
「今日はいい日だ!お前にプロポーズされたんだから。」
「チョルン…。」
「本当は俺の方から言おうと思っていたけど、お前の口からそれを聞けるのも悪くない。…大切にするよ。死ぬまで。浮気なんて絶対しないし、幸せにするよ。」
「そう…。信じるわ。」
「ありがとう。」
「何が?」
「俺を信じてくれて…。俺に結婚してくれって言ってくれたこと…。」

 テヒは部屋で一人困った顔で父と祖父の遺影に話しかける。
「父さん…お祖父ちゃん…。こういうときってどうすればいいのかしら。どうしていいのか分からない。」
そう言って、ため息をつくばかりだった。

 チェハ通信の営業会議。
部下から上がって来る報告はいずれもアイコンパックの成功談ばかり。
中国進出の話まで出てきた。
会議が終わったところで、ジェヒョクは会長室に呼び出される。
そこで、テヒがチョルンと結婚しようとしていること、そして、そのためにチョルンが昨夜家にやって来たことを伝える。
「叔母さんは猛反対しているけど、ユニの気持ちは堅いわよ。」
「何で…何で急に結婚しようなんて言い出したんだろう…。」
「たぶん、その理由は私よりあなたの方がよく分かっていると思うんだけど。私も困っているの。あなたなら、何で妹が急に結婚しようなんて言い出したのか事情を知っているかと思って。あなたたち、何かやったの?」
「何が聞きたいんだ?」
「本当にこのままユニの結婚を許していいものなのかが知りたいの。本当にあなた方、それでいいの?」
「すまん。俺はキミに何も言えない。」
そう一言言うと、ジェヒョクは会長室を出て行った。

 さて、こちらはユン・ソジュンのレストラン。
ヨヌンは社長のソジュンからとんでもないことを聞かされる。
なんと、自分の兄・パク・チョルンがイ・ソヌを結婚するという話だ。
「で、どうなったの?」
「うちの母親は反対するし、結局、結論を出すのに時間をくれってことになったよ。ソヌは度胸あるねぇ。うちの母親の前で一歩も引かないんだぜ。」
「2人とも上手くいけばいいんだけどね。」
「しかし…結婚しちゃったら、ヨヌンの兄さんを何て呼べばいいんだ?」
「それより、そういうことになったら、私たちの間柄も厄介なことになるわよ。親戚同士の付き合いになるんだから。」
「何ややこしいこといってんだよ。」
「それが現実だからよ。」
「心配すんなよ。俺の方も何とかうまくやるから。」

寄る、ジェヒョクはバーで一人酒を飲む。
そしてバーから家にいるソヌに電話をかけて呼び出すのだった。
その電話を盗み聞きしていたのは叔母・キム・ヒョンジャ。
ソヌはバーにやって来て、ジェヒョクの座ってるカウンターの横に座る。
「…結婚するんだってな。」
「はい。」
「もしも、僕がダメだっていったなら?…もし僕が引き止めたらどうする?」
「そんなこと言わないでください。チーム長らしくもない。」
「僕らしいってなんだ?いつも理想的、何でも上手くやる人ってことか?…何で急に結婚するなんて言い出したんだ?僕のせいか?未だにソヌさんのことを愛しているから?それで怖くなって他の人と結ばれようとしているのか?」
「チョルンが好きなんです。」
「ソヌさんが愛しているのは僕ではないのか?」
「その話はもう済んだことですよ、チーム長。過ぎたことを蒸し返さないでください。私たちはもう終わったんです。心の中の言葉はどうか胸にしまってください。心の中の言葉を口にすると、お互いに傷つくだけです。」
席を立とうとするソヌの手をつかむジェヒョク。
そこへ、後をつけてきた叔母・キム・ヒョンジャがやって来た。
「叔母さん。」
「アンタが何で!」
別れを告げに来たソヌの言葉をヒョンジャは聞く耳も持とうとしないのだった。

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第36話

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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第全話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第36話

ガラスの靴 第36話
 スンヒはホステスとなり飲めない酒を飲み、漢江の川辺で吐く。
「おい、大丈夫か?」と覗き込むチョルンに「あっちへ行けよ!」と毒づきながら更に吐く。
 「どこに消えたのかと思ったら、しょうもねぇ酒を売る店でホステスをやってたとはね。」
「関係ないわよ。」
「関係ねぇ?ソヌの人生を横取りしたじゃねぇか。しかもソヌが白血病になったのに知らんぷりしやがって。やっと本物の姉さんに出会えたのに死にかけているんだぞ。分かってんのか?」
「関係ないわよ。あいつが死のうが生きようが。」
「お前、いかれてやがるな。どれぐらい殴られたら、反省というものをするのかよ。」
「反省?私のどこが悪いの。ソヌが私からチョルン兄さんを取り上げなかったら、あの女がうちの家をかき乱さなかったら、私はここまでやらなかったわよ。あいつのせいで私の人生はボロボロになったのよ!」
「何もかも全部ソヌのせいにする前に、自分が何をやったか考えろ。ソヌのことは置いといて、自分自身のことを反省しろ。」
「理解できないわ。私の人生が、ひん曲がろうが、折れ曲がろうが、何の関心もなかったじゃない。なのに今頃になってお説教?いつから私のことを心配してそういう御大層なことを言うわけ?」
「ウ・スンヒ!」
「そうやって口を出したかったら、ソヌの心配でもしなさいよ。まぁ、ソヌもチェハ財閥会長の2番目の孫娘になったわけだから、チンピラ風情のアンタなんか相手にもしないかもね。」
「このクソ女!悪い性格は丸めて漢江に捨てちまえばいいが、ソウル市民が川の汚染で我慢できなくなるな。」
怒って立ち上がるチョルン。
「もう行っちゃうの?私を置いて。…酷い人」
涙を流すスンヒを振り返ってみるが、そのままチョルンは行ってしまった。

 さて、手術当日。骨髄移植のため手術室にソヌ(本物のキム・ユニ)とテヒが入る。
「大丈夫。必ず成功するわ!」と声をかけるテヒ。
手術が始まった。
テヒは心の中で「父さん!助けて。」と祈り、ジェヒョクは普段行くこともない教会に行って、「どうかソヌさんをお守りください。私の命と引き換えでもいいです」と祈る。

 手術室のドアが開いて、ナムグン(南宮)医師が出てきて言う。
「とりあえず手術は成功です。あとは術後の経過を見守らなくてはなりません。」
手術室の前にいたテヒ、ジェヒョク、ユン・ソジュンは喜ぶ。
「姉さん!助かったんだよ。おめでとう!」とソジュンが言う。
「テヒ、お疲れ様!」というチャン・ジェヒョク。
久々に笑顔を見せるキム・テヒ。
その様子を陰から見るパク・チョルン。

 地下道にホームレスが寝ている。
その中で拾ったジュースとパンを貪り食う女の物乞いがいた。
なんとそれはスンヒと共にキム・テヒの家から追放されたテヒの母親だった。
テヒの母親はパンをかじり終わると、スーツケースをずるずる引きずって当てもなく彷徨おうとする。
スーツケースが一人の横になったホームレスの足に当たる。
「なんじゃ、人に荷物ぶつけて…。」
怒って起き上がるホームレス。
それは何とファン・グット。
「あ!アンタ~~!」
「いったいどうしたっていうんじゃ。」
「家を追い出されて、1週間ぐらい旅館に泊っていたけど、お金もなくなって…。」
「スンヒはどうなった。」
「あんなクソ女、名前も聞きたくない!周りを騙して、バレたらさっさと逃げちまうんだから。それでアタシはどれほど苦労したことか!」
気の毒になって妻でもあるスンヒの母を抱きしめるファングット。
「もう、大丈夫じゃけぇ。わしがいるけぇのぅ!」
抱き合う2人を見て、周りのホームレスは呆れ返る。

 そしてスンヒの母とファン・グットは病院にやって来た。
ソヌの見舞いのため。
許してくれるかな…と病室のドアの前でうろうろしているとテヒが出てきた。
「あなた方!ここでいったい何をしているんですか!」
「ソヌが入院して治療を受けとるときいたけぇ、見舞いに来たんじゃ…。」
「あなたたち、まだ反省していないようね。あなた方みたいな詐欺師は警察に訴えないとダメかしら?それとも、妹をトラックでひいたんだから治療費を請求しようかしら。いずれにせよ、5年か10年、刑務所で暮らしたら?」
ソヌに一喝され「アイゴ~~!お許しください!」と跪くスンヒの母。
「許して?あなたたちがやったことは許せるレベルだと思って?」
ファン・グットもそれを聞いて跪き「頼む!こらえてくれ!わしがスンヒが偽物だと暴いたんじゃ。じゃけぇこらえてくれ!」とテヒを拝み倒す。
騒ぎを聞いてソヌが出てきた。
「もう立って下さい。」
「ユニ、あなたはまだ歩き回っちゃダメでしょ。ここは私が解決するからベッドに戻って。そこの2人!二度と私たちの前に現れないで!今度出てきて妹を苦しめたら、ただではおかないわよ!」
テヒがファン・グットとスンヒの母を一喝すると、二人は飛び上がって行こうとする。
そこをソヌが引き止める。
「これは私が入院するまで住んでいた家の鍵です。行くところがないのなら、しばらくここで過ごしてください。ほら、おばさん。受け取って下さい。そうでなくてもお姉さんの家を追い出されたって聞いて、心配していたんですから。周りの人は何と言ってもおばさんは恩人です。私を拾って育ててくれたわけですから。」
そう言って家の鍵を渡す。
「ソヌ…。本当にごめんなさい。あなたには随分悪いことをしました。ありがとう…ソヌ。」
涙を流すスンヒの母。
スンヒとは違い、やっと自分が犯した過ちの大きさに気が付き、この2人は真人間になったようだった。
その様子を見てほほ笑むテヒ。

 ユン・ソジュンのレストランでもアイコンパックを利用した割引クーポンを出すようになった。
お客さんの会計を済ませたパク・ヨヌンは婚約指輪をソジュンに返す。
「何で返すんだ?」
「ソヌ姉さんの手術で社長も大変でしたから、切り出せませんでしたが、もう引き延ばすわけにはいきません。指輪は持って帰って下さい。私はこの指輪をこれ以上するわけにいきません。」
「理由はいったい何なんだ?」
「うちの兄さんはソヌ姉さんのことが好きです。兄が社長の従妹を愛しているんです。兄を差し置いて私が結婚するわけにはいきません。そうでなくてもあの家では私たちのことについて反対が酷いでしょうに、ソヌ姉さんと兄のことを認めるわけがないじゃないですか。こういう状況ならいっそ私が身を引いた方がいいと思って…。」
「見た目より、ずっと純情なんだな…。」
そういうと指輪をヨヌンの指に戻すソジュン。
「俺が嫌いじゃないんなら、もう指輪をはずすなよ。話は分かったけど、ヨヌンさんのお兄さんの件はあくまでもお兄さんの問題だよ。俺たちのことは俺たちの問題だ。俺のヨヌンさんを愛する気持ちに変わりはない。どんな状況でも心変りなんてしないさ。だから、ヨヌンさん、俺だけを信じてくれ!…あ、そうだ!ユニ、いやソヌが田舎に行くって。保養のために1,2か月過ごすそうだ。テヒも一緒だ。俺も運転手役で付いて行く。だから余計なこと考えないで、店をしっかり守ってくれよ。」
そういうとキスをして引っ込むソジュン。

学校の校庭でトラックの運転を練習するチョルン。
練習を見守るスタク。
それを陰から覗き見るサンパンウル一家。
バックが苦手で、コーン代わりに置いた空き缶やビールケースをすっとばす。
「あ~あ、ほとんど上手く出来るようになったのに、何でバックはダメなんだよぉ!」
文句を言いながら運転席から出てくるチョルンにスタクは「いや、それでも初めより随分上手くなりましたよ」と慰める。
そこへヨヌンがすっとんでくる。
「お兄ちゃん!ソヌ姉さんが保養のために田舎に行くんだって!」
「いつだ?」
「今日の午後ですって。うちの社長も一緒に行くんだって、たった今うちのレストランを出て行ったわよ。」
「酷いな…家族同然に過ごした間柄で、何にも連絡しないなんて。」
スタクがブツブツ文句を言っているとチョルンは駆け出して行った。

 病院では保養に行く支度をソヌとテヒがやっていた。
「何?チョルンを待っているんでしょ?私が連絡してあげようか?」
「いいわよ。忙しいだろうから。」

 走って行くチョルンの命を狙ってサンパンウル一家が取り囲む。
ヤクザ達を殴りつけて走り去るチョルン。
追いかけるヤクザ達。
ヤクザをやっとのことでまいて病院に着いたチョルン。
しかし、タッチの差で間に合わず、病室は既にもぬけの殻だった。
ベッドに置手紙が一つ。
ソヌからだ。
「チョルン!私元気になって帰って来るから、待っててね! ソヌ」
手紙を見て涙ぐむチョルン。

それから2カ月。
チョルンはトラック運転手になっていた。
イ・インス組長もビールの問屋らしきものを運営しており、組の若い衆がチョルンのトラックの荷役をやっている。
組長が声をかける。
「チョルン、トラック運転手の仕事はどうだい。」
「やりがいがありますよ!」
「ソヌからは連絡がないみたいだな…。あれから半月ぐらいにはなるのかな。」
「いや、もう二カ月になりますよ。」
「会いたいだろ?」
「はい。会いたくて死にそうですよ。でも大丈夫。元気になったら帰ってくるって言ってましたから。ソヌがどこかで生きているというだけで俺には力になります。」
荷役が終わり、カントン若頭が「終わったぞ!」と声をかける。
元気よく配達に行くチョルン。

 キャバクラにビールを配達に行くと、スンヒが客に殴られていた。
客と喧嘩になった様子だった。
それを見てスンヒを連れ出すチョルン。
「嫌になったか?トラックに乗せてやろうか。」
「私…もう行くところがないの。」
「お前の母さんな、前にソヌが住んでた家にいるぞ。連れて行ってやるから立ちなよ。」
すると煙草を取り出し吸い始めるスンヒ。
「見事に堕ちたでしょ。私の人生…。私もシンデレラのガラスの靴を一度は履きたかったな…。そうして派手に暮らしたかった。それって悪いこと?それって死ななければならない罪?」
「自分で努力して得たものじゃないだろう?自分の足に合わないものはどんなにいいものでもむやみに履くもんじゃない。」
「或る人は生まれたときから選ばれて、或る人はいくら一生懸命生きてもこんな風に報われない。世の中不平等でしょ?」
「それはお前の心の問題だろ?お前の心が不平等な限り、世の中はお前にとって不平等だろうよ。」
チョルンはスンヒの煙草を取り上げて消し、一言言う。
「行こう。お前、お母さんのことが心配にならないのか?どうやって暮らしているか気にはならないのかよ!」

 ソヌが入院する前まで暮らした家で、スンヒの母は内職に精を出していた。
ぬいぐるみを仕上げる仕事だった。
「家賃なら払ったじゃないか!」
文句を言いながらスンヒの母が出て行くと、そこにはチョルンが。
驚くスンヒの母。
「おい、入ってこいよ!」
チョルンが呼ぶとスンヒが出てきた。
「スンヒ!いったいどうしていたのよ!お母さん心配していたのよ!」
ファン・グットの前では恨みつらみを言ったものの、そこは実の親子。
思わず娘を抱きしめる。
それを遠巻きに見て、ファン・グットとチョルンは半ば呆れ顔。
チョルンはそのまま帰った。

 スンヒに母親が聞く。
「お前、今までどこに行っていたんだい?」
「ん?あちこち。」
それを聞いてファン・グットが「お前、飲み屋にいたろう?」と言う。
睨みつけるスンヒ。
それを制止するスンヒの母。
「いやぁ、生きていただけでもよかったよ。そうでなくても若い娘の失踪事件のニュースを見る度にお前じゃないかってずぅっと心配していたんだよ!どこにいたかなんて重要なことじゃない。無事で何よりだったよ。」
「お母さん、ごめん!」
「いいよ。もう。さ、早くお食べ!」
スープをスンヒの口元に運ぶスンヒの母。
「しかしじゃ、ソヌが住んでた家を使わせてもらえて、えかったよ。そうでなければ、この母さん、道端でずっと寝ているはめになったんじゃけぇな。」
ファン・グットがソヌの好意に感謝する発言をする。
「そうなのよ。一度、お礼に伺わないと。」
母親もその言葉に一言付け加える。
それを聞いたスンヒは急に険しい表情となり、スプーンを置く。
「どうしたの?もっと食べなさいよ。」
「要らない!ああ、飯がまずくなる!」
自分の義父と実母がソヌに助けられたことを知り、スンヒはイライラを募らせるのだった。

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 そして、夜、チョルンのトラックは倉庫に戻る途中でテヒの家の前に立ち寄る。
まだソヌが帰ってこない…。
寂しい気持ちでたばこを吸うと、倉庫に戻ってしまった。
その少し後に入れ違いにユン・ソジュンが運転するリムジンが家に着いた。
療養生活を終えて、ついに本物のユニ・イ・ソヌが帰って来たのだ。
「母さん!帰ったよ!」
ソジュンがキム・ヒョンジャに元気に言う。
そして、キム・テヒが叔母・キム・ヒョンジャにソヌを紹介する。
「どうもはじめまして。キム・ユニです。」
挨拶をするソヌ。
「わざとらしく名前を変えなくたってあなたがキム・ユニだということはもう充分分かっているわ。」
「もっと早くに挨拶すべきだったのですが、手術を受けて、田舎で療養生活をしていたので、ご挨拶が遅れました。」
「あなたが謝ることはないわ。そういう事情だったんですもの。もう体は大丈夫なの?」
「はい。」
「治りがすごく早かったんですって。お医者様も驚いてましたわ。」
「体が健康になってホントによかったわ。食事の支度が出来たから、一緒に食べましょう。」
「メニューは何だい?いい匂いがするなぁ~」
うれしそうなソジュン。
「家政婦さんがあれこれ準備してくれたのよ。さぁ、食べましょう。」
部屋に飾られたキム・ピルチュンの肖像画に目が行くソヌ。
「お祖父さんもあなたの帰宅を心から喜んでいるわ」とテヒ。

スープを一口飲んでソヌがいう。
「あ~~!美味しい!これ叔母さんが作ったんですか?」
「いいえ、このうちは家政婦さんが台所仕事を全てやってくれているの。」とテヒが説明する。
「ねぇ、おばさん、このスープの味の秘訣をあとで教えてくださいよ。」
ソヌはレシピに関心を持つ。
「お教えしますわ。難しくないですから。」
ほめられた家政婦も嬉しそう。
「おばさん、ここにきて一緒に食べましょうよ。」
「家政婦さんは後で部屋で食べるの。」
「部屋?」
「家政婦さんの控室。」
「そうなんですか。でもみんなで食べると美味しいですよ。」
説明を受けるものの上流階級の暮らしにちょっと戸惑うソヌ。
「本当にうるさい子ねぇ。食事は黙って食べなさい。用事がある時以外は何も言わないように。」
「すみません。…ところで、叔母さんはどなた似なんですか?」
「なんですってぇ?」
「お祖父さんには似てませんね…。もしかしてお祖母さん似なのですか?美人でスタイルも良くて、言葉が洗練されているからか、大変深みのある方に見えますが。」
妙なことを言われて目を白黒させるキム・ヒョンジャ。
そこで笑い出すソジュン。
「何よ!この子ったら。」
「ンクックックック…何でもない!」
それを見てテヒまで笑い出し、苦い顔になるヒョンジャ。
「叔母様、どうぞ召し上がって下さい。食事が冷めてしまいますよ。」

 スンヒを追い出した後の部屋にソヌを案内するテヒ。
「ユニ、ここ、前にウ・スンヒが使ってた部屋なの。嫌だったら替えるけど。」
「別に気にしなくていいわよ。しかもスンヒとは昔一つの布団で寝ていたんだから。」
「なら、いいわ。疲れたでしょ?今日はもう休んで。」
テヒを抱きしめるソヌ。
「ああ、嬉しい!お姉ちゃんのそばにいられて!」
幸せをかみしめるテヒとソヌ。

 ユニを寝かせて、応接間に出てくるテヒ。
ヒョンジャも休んでいて、ソジュンと2人きり。
「ユニは寝たの?」
「気を使って気疲れしたみたい。顔に疲れたって書いてあるのに、寝ない寝ないっていうから、無理やり寝かしつけちゃった。」
「正直のところ、ユニが母さんと衝突するんじゃないかって不安だったんだよな。今日の様子じゃ、そんな心配はいらないみたいだな。」

 そのユニは部屋で父、姉、幼年時代の自分が映った写真を大切そうに眺めている。
そう、夢に何度も出てきたあの懐かしい顔だ。

 その頃、ユニ(イ・ソヌ)が入院前に住んでいた部屋でウ・スンヒと母、ファン・グットは寝ていた。
母親とファン・グットは大いびきをかいていたが、眠れなくて起き上がってしまうスンヒ。
台所に行って、焼酎をがぶ飲みする。
そうして零落れた自分の姿に涙するのだった。

 翌日、ユニはチェハ通信会長室にやって来た。
「お姉ちゃん、来ちゃった!」
「よく来たわね。まァ座ってよ。」
ソファーに座る2人。
「2か月ぶりよね…。」
「久々に会社に来るとドキドキするわねぇ。ねぇ、また勤めたいんだけど。」
「当分はダメよ。分かっているわよね。」
病み上がりの体を気遣うテヒ。
代わりに…と昼食に誘う。
「いいえ、私行かなくちゃ。会いたい人がいるから。」
「そう?残念ね。遅くまでうろつかないで早く帰ってきなさいよ!まだ完治したわけじゃないんだからね。」
笑いだすユニ。
「何がおかしいの?」
「お姉ちゃんは昔から全然変わってないのね。心配するといつも小言が始まるもん。」
「そう?私から見たらあなたはまだ9歳の小さな妹なのよ。」
「もう少し待ってて。私が元気になったらお姉ちゃんが私を頼れるようにしてあげるから。」
「言葉だけでも嬉しいわ。」
「じゃぁ、私、行くね。」
「車で送ってあげようか?」
「地下鉄の方が楽だし、却って速いわ。」
「じゃあ、ロビーまで送ってあげる!」
廊下でジェヒョクに会う。
「チーム長、お久しぶりです。」
「元気にしてたか?」
「昨日、ユニと一緒に田舎から戻って来たの。友達に会いに行く途中で会社に寄ったんですって。」
テヒが療養を終えたことを簡単に説明する。
「元気になったみたいで、安心したよ。」
「ええ。姉さんがずっとそばで面倒見てくれていたんです。おかげ様で元気になりました。」
「それは良かった。」
しかし、この3人は微妙な三角関係を演じた間柄。
やはり微妙な空気が流れる。
姉と別れて地下鉄の駅へ向かう道で複雑な気分になるユニ。

 会長室で2人だけで会うテヒとジェヒョク。
「私たちも久しぶりよね。先週はお互いに忙しくて話もできなかったし。」
「遅くなったけど、正式に代表取締役に就任したこと、おめでとう!」
「私もおめでとうを言わなくっちゃ。アイコンパックを売りだして、チェハ通信の株価がずっと上がり続けているんですって?無線インターネット市場も順調に広がって…。」
「うちの商品の人気が出てね。早くて完成度が高いって。」
「全部あなたのおかげね。おかげで会長業を無事に勤められるし、チェハ通信も助かったし。お祖父様が生きておられたら、実に立派だとお褒めになったでしょうに。」
「もう、チェハ通信は危機を乗り切ったし、幸いにもソヌさんは元気になったし、俺が立ち去っても問題がないと思うけど。どうする?」
「ジェヒョク、その問題は…。」
「整理する時間が欲しい!だろ?2人で2か月過ごしてそれなりの結論が出たと思うよ。そろそろ結論を出した方がいいと思うよ。」
「あなた…。まだユニ、いやイ・ソヌを愛しているの?」
うつむいてしまうジェヒョク。
「もしそうだったら、まだあなたとユニが愛し合っているのなら、私は譲ろうかと思っているの。ユニもあなたも私にとっては世界で一番大切な人たちだから。もしあなたさえよかったら、ユニとあなたを祝福する用意があるわ。本気よ!」
「いや、お前と俺はフィアンセの間柄じゃないか。お前さえよければ、俺はいつでも身を引く。でももうダメだ。これ以上振り回すなよ。」
「あなたを手放したくないの。会社のこともそうだけど、私には相談相手が他にいないもの。こんな大きな会社を経営するためにはあなたのような人が必要なの。こんなことであなたを辞めさせたら、会社にとっても大きなマイナスよ。」
「優秀な人ならいっぱいいるじゃないか。キミさえよければ何人だって推薦できる。」
「私が必要なのはあなたなの。チャンチーム長。行かないで。友達でもいいから、会社にどうか残って。…それが私の出した結論なの。」
困った顔になるチャン・ジェヒョク。
一人になってソヌに電話するが、留守電だった。

 元イ・ソヌが借りていたボロ屋。
母と暮らすウ・スンヒは化粧をしていた。
「どこに行くの?」
「ん?ちょっと行くとこがあって。」
「まさか、また酒場で働くんじゃ…。」
「そんなのじゃないわよ。ちょっと会う人がいて。」
「誰に会うって?…まさか…カレシ出来たの?」
「ええ、いるわよ。素敵な人が。」
「変なのに引っかからないでよ。」
「そんなんじゃないわよ。」
男性関係を心配する母親を鬱陶しがるスンヒが出かけるとき2万ウォンくれという。
渋々渡すスンヒの母。

 チョルンの家ではパク運転手が病院から退院し、車椅子生活を送っていた。
「父さん、行って来るよ。」
「今、出勤か。運転気をつけろよ。…ところでチョルン、ソヌからは何の連絡もないんだろ?…お前…俺がこんなことを言うのを寂しく思うなよ。…俺はお前がソヌを諦めた方がいいように思うんだ。あの子がここに帰って来たとしても、もう昔のソヌじゃないんだ。チェハグループ会長の二番目の孫娘なんだ。うちは貧しい家だ。」
「そんなこと、俺だって分かってるさ。でもまず第一にソヌの健康でしょ。元気になったら帰ってくるって言ってたから、きっと帰ってくるよ。」
そういって仕事に出かけていくチョルンを不安げにパク運転手は見守るしかなかった。

 駐車場に停めてあるトラックに近付くと大きくフロントグラスに「バカ」と書いてあった。
「誰だ!こんなことする奴は!」
チョルンは近くで遊んでいた子供たちに「お前ら、落書きしたろ!」と怒鳴るが、子供たちは「やってないよ~。サッカーしかしてないもん。」と否定。
「じゃあ誰がやったか見ていたろ?」
「女の人でした!よく知っている人だって。落書きして公園に行ったヨ!」
「俺の知っている人だって?」
公園に行って叫ぶチョルン!
「この野郎!このパク・チョルン様のトラックに落書きをして逃げたヤツは誰だ!出てこい!隠れているんじゃねぇ!三つ数えている間に出てこい。ひと~つ!ふた~~つ、みっつ!」
パシッ!
後から誰かがチョルンをはたく。
「このっ!」
拳を振り上げて振り向くとそこにいたのはソヌだった。
「落書きの犯人がここに来たわ。」
「ソヌ…本当にソヌだよな?」
「落書きされてアタマに来た?」
「ああ、来たとも!」
「どうする?」
怒る…といいかけてソヌを抱きしめるチョルン。
「随分待たせたね…。電話一つかけないで、連絡一つしないで…寂しかったでしょ?」
「いや、信じていた。元気になれば、俺のところに戻ってくるって。で、お前、治ったのか?本当に元気になったのか?」
「元気になったよ。」
「もう、痛くないのか?」
「痛くないわ。」
「一回りしてみろ!」
くるりと回るソヌ。
「笑ってみな!」
にっこりするソヌ。
「お前のせいでどれほど心を痛めたか分かるか!」
「分かるわ。だから余計に連絡できなかったのよ。病気で苦しむ姿を見せまい。元気になったらまた会いに行こう。…そう決心していたの。あなたに会うために薬も頑張って飲んだし、治療も頑張ったんだから。」
思わず抱きしめ、「お前のことを愛している…本当に愛している!」というチョルン。

 チョルンのトラックの前で待つスンヒ。
そこに親しげに話すチョルンとソヌが登場。
「あんた、スンヒでしょ?」
ソヌが近付くと顔をそむけるウ・スンヒ。

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第35話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 
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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第全話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第35話

ガラスの靴 第35話
 キム・テヒの腕の中で崩れ、意識を失ったイ・ソヌこと本物のキム・ユニ。
集中治療室に運び込まれたユニ。
「先生!妹は大丈夫でしょうね?大丈夫だと言ってよ!」
泣きながら医者の袖をつかむテヒ。
「今は絶対的に安静が必要です。」とだけ答える医者。
「さ、外に出よう。」というチャン・ジェヒョクの手を振りほどいて、「イヤ!ユニのそばにいる!」と泣くテヒ。
ジェヒョクにようやっと廊下に連れ出されたテヒはベンチに座り、天に祈る。
しばらくすると医者が出てきた。
「ユニは大丈夫ですか?」
尋ねるテヒに医者は答える。
「もう落ち着きました。大丈夫です。」
「今、病室に入れますか?」
「絶対安静が必要なので、その点気を付けてください。」
病室に入るテヒとジェヒョク。
眠るユニ。
胸元を見ると指輪がひもでくくられている。
テヒがそれを手に取ると、まさにそれは本物の母の指輪だった。
「私一人を残して逝かないで…。どうしてこんなことになってしまったの?こんなそばにいたというのに…。私にお姉さんを名のれる資格なんてあるのかしら…。妹と知らずに傷つけてしまった。考えれば考えるほど呆れた話よね…。目が覚めたら、あなたをなんて呼ぼうか…。」
そう言いながら泣きじゃくるテヒ。
かける言葉を失ったジェヒョク。
チョルンはその間、ずっと不安そうな面持ちで廊下のベンチに座っていた。
ジェヒョクが出てきたので、チョルンが訪ねた。
「ソヌは?」
「まだ意識を取り戻していない。テヒはずっとそばに付き添うそうだ。」
「…そうですか。…ところで、ソヌがチェハ財閥会長の下の孫娘だというのは間違いないんですか?」
「そうだ。間違いない。」
「じゃぁ、ソヌはこれからどうなるんですか?本来座るべき地位に就くというということですか?」
「多分そうなると思うよ。」

 テヒはユニに付き添って、子供の頃のことを思い出していた。
父が死に、姉妹がばらばらに遠く離れた養護施設に送られそうになった日のこと、チェハ通信で働いていた日々のこと、ユニがジェヒョクと交際していたこと、自分がそのユニを冷たくあしらってきたことなどが走馬灯のようにテヒの脳裏によみがえってくる。
ユニの手を握って泣くテヒ。
「お姉ちゃん…。」
「あ、目が覚めたのね。具合はどう?」
「夢かと思った。お姉ちゃんに会ったのは夢だと思ってた。本当にお姉さんなのね。キム・テヒが私の本当のお姉さんなのね…。私と一緒に旌善(チョンソン)で暮らしていた、あのテヒ姉さんよね?」
「そうよ…お姉さんよ。夢なんかじゃないわ。また会えたのよ。」
「うれしい…。」
「いったいどこに行ってたのよ。お姉ちゃんがそこを動くなって言ったでしょ。どれほど探したか分かる?」
「お姉ちゃんと離れるのが怖かった。それで付いていこうとして…。ごめんなさい、お姉ちゃん。動かないで待っていたら、こんなにも長く離れ離れにならなくても済んだのに。」
「いいじゃないの、また会えたんだから。」
「よかった…こんな素敵な女性に育って…苦労が多かったでしょ?」
テヒの言葉に首を横に振るユニ。
「ごめんなさい。冷たくあしらって。お姉ちゃんを許して。」
「私は今どれほど幸せか分かる?お姉ちゃんに会えたのがとてもありがたいことだし、テヒ姉さんが本物のお姉ちゃんで本当に良かった。」
テヒとユニは涙ぐみながら2人でいつまでも手を握り合っていた。
 
 チェハ通信会長室にいきなりやって来たウ・スンヒ。
「ちょっとぉ、テヒ姉さんはどこなの?」
「出かけましたよ。」
答えるチン室長。
「どこ行ったの?」
「チャンチーム長が来て、2人で何か話をしてから、2人で出かけましたが。」
「2人で?それ、いつのことですか?」
「一、二時間前ですかねぇ…。慌てて出て行きましたよ。血相変えてね…。いったい何があったんですか?」
「結構です。行ってください。」
チン室長が出て行くと慌てるスンヒ。
「どうしよう…。」

 病室からテヒが「また、眠ったわ」と言って出てきた。
そしてテヒがチョルンに言う。
「長い間、うちの妹の面倒を見てくれて、本当にありがとう。お世話になりました。」
「お世話だなんて。ソヌと俺はそんな間柄じゃないですから。」
「今になって出てきた姉の言う言葉じゃないですよね。」
「そんなつもりで言ったんじゃないですけど…。」
「いずれにしても、ありがとう。ちょっと家に戻ります。本物の妹が見つかったということを報告しなければならないし、解決しなくてはならない問題もあるので。すぐに戻りますから、妹が目を覚ましたら、そう伝えてください。」
「分かりました。」
安心した表情でジェヒョクと病院を出るキム・テヒ。

 テヒと入れ替わりに病室に入り、眠るユニの傍らに座るチョルン。
「ソヌ…。今、幸せか?ホントの姉貴が見つかって好い気分か?今日ってお前に初めて会った日なんだぞ。もう俺なんか相手にしないよな…。」
ソヌのために買った指輪を取り出して、独り言を言うチョルン。
姉が見つかったのはいいことだが、実はイ・ソヌが雲の上のようなお金持ちの娘と知って寂しい気持ちになるチョルン。

 ジェヒョクが車を運転しながらテヒに聞く。
「これからどうしようか…?俺とお前、そしてイ・ソヌさんのこと。ソヌさんが本当の妹だっだなんて、俺は…」
「もうやめて。今、そんなこと考えたくない。そんな気分じゃないし。そんな気力もないわ。今は、どうすれば妹を助けられるか?どうすれば、これまでの過ちを改められるか…それしか考えられないの。もう頭の中がどうにかなりそう。」

 家の外をうろうろするウ・スンヒ。
台所ではスンヒの母親が、家政婦さんの手伝いをしながら、料理を作るが、家政婦の味付けに「何これ。味薄いわねぇ…」と文句をつけ、味付けをし直し、「ああ~旨い!」と言う。
スンヒの母親が味付けし直した和え物の味見をして「まぁ!しょっぱい。邪魔するんなら出て行ってくださいよ!ああ~~、もう台無し!」と怒る家政婦。
そこにスンヒとユン・ソジュンが部屋に入って来る。
「テヒ姉さんは?」
「まだ帰ってきてないわよ。」
うるさそうに答えるキム・ヒョンジャ。
「俺も今帰って来たとこだし。電話はかかってきてないの?」とヒョンジャに尋ねるソジュン。
「かかってきてないわよ。」
「何の連絡もなかったですか?叔母さん。」
「ないわよ。なんか用事でもあるの?」
「いいえ…。連絡がなければ別にいいです。」
そういうと部屋に引っ込んでしまったスンヒ。
ヤバいと思ったスンヒは逃げる準備をしようとクローゼットや引き出しの物を旅行かばんに詰め始めた。
そこにスンヒの母親が来た。
「ちょっと、何してるの?」
「母さんも荷物をまとめて!早く!」
「いったいどうしたっていうのよ。」
「バレた。」
「何が?」
「全部バレちゃったのよ!私が偽物でソヌが本物だってこと。テヒ姉さんに全て知られちゃったのよ!チャン・ジェヒョクが出てきて全部言っちゃったのよ!」
「うわぁ~~大変!どうしよ、どうしよ!」
パニックになるスンヒの母親。
「まだ家族にはバレてない。だから急いで荷物をまとめるの。分かったわね?」
「どうしよ!どうしよ!」
「早く!何やってんの!テヒ姉さんが帰ってきたら、全て終わりよ!」
「お…終わりですって?」
スンヒの母は急いで家政婦室に入り、自分の私物を取り出し始めた。
屋敷の門前にジェヒョクの車が停まった。
「あなたはうちに帰って。これは家庭の問題だから、あなたが介入すべきでないから。一人で解決できるわ。」
「一人で、本当にいいの?」
「一人じゃないわ。叔母さんもソジュンもいるから。大丈夫。帰って。」
「そうか。」
車を出そうとするジェヒョクに一言言うテヒ。
「ジェヒョク…今日はありがとう!」

 スンヒは無造作にスーツケースに私物をねじ込んだものを持って階段を降りるが途中でこけて、荷物を散らばらせる。
慌ててスーツケースに荷物を突っ込むスンヒ。
 その様子を見たキム・ヒョンジャは「何やってんお?」と不思議な顔をする。
そこについに現れ、仁王立ちをするキム・テヒ。
「う…お姉さん…。」
「立ちなさい!あなたに聞きたいことがあるの。立ちなさい。」
冷徹な表情で言うテヒ。
「あなた、お母さんの指輪は?」
「失くしたっていったじゃない。」
「もう一度聞くわ。お母さんの指輪は?」
「失くした。」
バシッ!
テヒがスンヒを殴る。
驚くキム・ヒョンジャとソジュン。
「テヒ!」
「そっちは黙ってて!さぁ、母さんの指輪をどこにやった!言えないのか!アタシが代わりに言おうか?私は病院に行って来たの。そこでイ・ソヌに会ったわ。あの子が母さんの指輪を首から下げていた。」
「いったいどうなっちゃってるの?イ・ソヌですって?」
テヒの怒りの言葉に戸惑うヒョンジャとソジュン。
「…姉さん。」
「ああ、もどかしくってしょうがないわ、いったい何があったっていうの?ハッキリ言いなさいよ、もう!」
「叔母さん、それとソジュン。よ~~く聞いて!今、私の前にいる妹は偽物よ!ユニの指輪を盗んで、私とお祖父さんと家族みんなを騙していたのよ。」
「ニセモノ?いったいどういうことなのよ!」
「本物の妹は別にいたのよ、叔母さん。私の前にいる偽物はのうのうと暮らして、本物の妹は一人寂しく、白血病で闘病生活を送っていたのよ!」
「ああ、頭がどうかなりそう…助けて。」
叔母・キム・ヒョンジャは気絶しそうになり、ソジュンに支えられる。
「アンタ!どうしてこんな酷いことが出来るの!本物の妹がすぐ近くにいるのを知りながらぬけぬけとよくこんな嘘つけたわね!アンタ、それでも人間なの!」
「…姉さん…。」
「黙れ!アタシのことを呼ぶな!妹の苦痛と苦労を思えば、私はアンタを生かしてはおけない。妹が死にそうなのに最後までとぼけて。良心のかけらもないの?妹のことで私はどれほど心を痛めたか。ソヌがどれほど辛い思いをしたか、横で見ていたくせに、よくも偽物を続けていられたわね!私たちが可哀想だと思わないの?」
「姉さん…そんなんじゃなくって…。」
「出てけ!今すぐ出てけ!」
「本当にごめんなさい。お祖父さんにやらされたの。本当よ。」
お祖父さんのせいにしたことで今度はソジュンがキレた。
「何言ってんだよ。いくら死んだ人だからと言ってお祖父さんの責任にしてとぼける気かよ、この野郎!」
「本当よ。お祖父さんが黙ってろって言ったのよ。私、ここまでやる気はなかったのよ。本当よ。」
「お祖父さんが何でそんなことを。」
「テヒ姉さんのためよ。テヒ姉さんが妹探しでそれ以上余計な時間を使わせたくないって。死ぬまで黙ってユニのふりをしておけって。お祖父さんに言われるがままにやっただけなの。」
嘘か真か、とにかく涙を流して許しをこうスンヒ。
「じゃあ、ソヌが本物の妹だって話をお祖父さんにしたの?…しなかったでしょうね。していたら、お祖父さんだってアンタに偽物の妹役をやらせなかったことでしょう。アンタには最初から最後まで真実と言うものが一つもない。今だって保身のために嘘をつき続けている。かえって、最初から本当のことを言ってくれていたら良かったのに。代価としてお金をくれと。そう言ってくれたら、いくらでもお金は出したのに。財産だって分けてあげたのに。今は何よりもソヌを助けるのが最優先だから、静かに送りだすしかないと思う。もしソヌに何かあったら、私はただではおかないから。…今すぐ出て行って。そして二度と私の前に姿を見せないで。」
その怒りの言葉を聞いて泣きじゃくるスンヒ。
テヒは部屋に戻って父の遺影を見て涙ぐみ、叔母・キム・ヒョンジャは呆れ返る。
「家政婦さん、水を持って来て頂戴…。あああ、いつまで泣いているの!うるさい!」
ヒステリーを起こし、取り乱すヒョンジャ。
「このいかさま女!すぐに警察に突き出してやりたい!しかし、家の体面を考えるとそれもできない!こんな酷いことをするなんて!家政婦さん!この女をすぐにつまみだしてちょうだい!すぐに!」
ソジュンもイライラして言う。
「いつまでそうしているんだ!立てよ!」
スンヒはやおら立ちあがって、何も持たずに出て行ってしまった。

 玄関ではスンヒの母が荷物を引きずっていた。
「スンヒ!待って!」
そこへ家政婦が現れてスンヒの母に塩をまいた。
そして最後に頭からたっぷり塩をかけて言った。
「神が恐ろしくないのか!」
そして激しく門を閉め、鍵をかけるのだった。
「ああ…スンヒときたら、お母さんをほっぽっといて何をしているのかしら、もう!」

 そのスンヒはただ一人、とぼとぼと当てもなく、夜の街を歩くのだった。

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 本物のキム・ユニでもあるソヌはチョルンと二人きりで病室にいた。
「私…本当に無事に退院できるのかしら。こうやって何分か座ってるのだって苦痛なのに。日に日に体が悪くなっていくのが自分でも分かるし。このまま死んじゃったらどうしようか。今は眠るのだって怖いの。眠ったまま…そのまま死んじゃうんじゃないかって。やっと家族を見つけたのに。やっと自分が誰なのか分かったのに。」
不安げに力なく言うソヌにチョルンが言う。
「詰まらないことを言うな。心配するなよ。きっと助かる。助かって家族とずっと暮らせるさ。」
「チョルン、私生きたい!」
そこへやってきたテヒは病室のドアの陰でそれを聞いて泣いた。
ソヌが急に鼻血を出した。
「ソヌ!」
チョルンの声にテヒが慌てて病室に入る。
「ユニ、どうしたの!」
「しばらくしたら、よくなるわ。」
「今、医者を呼ぶ。」
ナースセンターに行こうとするテヒを引き止めるソヌ。
「こういうことときどきあるの。大丈夫だから。」
手を握り合うソヌとテヒ。
チョルンは入り込む余地がなく、廊下に出る。
そしてチョルンは父の病室に行った。

「父さん、具合はどう?」
「うむ…」
「ソヌが家族をみつけたよ。父さん、知ってたの?ソヌがチェハ財閥会長の2番目の孫娘だったって。」
既に人工呼吸器は外され、意識もしっかりしているパク運転手だったが、チョルンのその質問には答えなかった。
その様子をドア越しに見ていたのは妹のヨヌン。
そこへスタクがやってきた。
「ヨヌンさん、ここにいたんだ…。」
スタクを無視し、ふらふらと歩いていくヨヌン。
ついていくスタク。
病院の中庭で話す二人。
「え?なんだって?ソヌさんがチェハ財閥会長の2人目の孫娘だったって?」
「そうだって。」
「え、そうなると、スンヒさんが俺たちみんなを騙して偽物になりすましていたってこと?怖い女だな。化けの皮が剥がれてよかったよ。そうでしょ、ヨヌンさん。」
何も答えずため息だけをつくヨヌン。
「何でそんなにため息ばかりつくんです?ソヌさんは本当の家族が分かったし、スンヒの悪事は露見したし、よかったじゃない。」
「ソヌ姉さんにはいいことかもしれないけど、うちの兄さんには辛いことかも。」
「何で?お姉さんに会えたんだから、チョルン兄さんはチェハ財閥会長の2番目の孫娘のお相手ってことになるんでしょ?」
「あのうちがどんなうちか分からないの?」
「私のことを『運転手の娘』って馬鹿にするのよ。その上、ソヌのカレシがチョルン兄さんだなんて明らかになったら、私たち韓国から出て行かなくてはならなくなるわ。」
「運転手の娘だって言ってなんでヨヌンさんを馬鹿にするんですか?」
「運転手の娘なんか相手にする気がないってことでしょ。」
「それって…ヨヌンさんのことを遊び人の娘だとでも?」
「そうよ。だからチョルン兄さんのために恋愛なんて止めようかってね。うちは裕福じゃないし。人間関係は大事だけど、チョルン兄さんはたった一人のお兄さんよ。」
「恋愛?」
「けど、あんまりじゃないの。よりによって、何でソヌ姉さんがあんなお金持ちの家の出身なのよ。」
「酷いな。ヨヌンさんのことを遊び人の娘だなんて。」
「ソヌ姉さんはいいけど、チョルン兄さんは踏んだり蹴ったりよ。」
「俺だって弱り目に祟り目だって。ヨヌンさん。」

 そのチョルンはソヌが遠いところに行ってしまったかにような寂しさを抱え、病院の廊下にあるベンチに座り、以前ソヌにプレゼントした指輪を見ながら落ち込んでいた。

 ジェヒョクの家にやって来たキム・テヒ。
コーヒーを飲みながら、テヒが言う。
「私ね、今日、骨髄検査を受けることにしたの。病院であなたのことを思い出して、お礼を言いに寄ったの。あなたがいなかったら、最後まで妹を見つけられなかったわ。」
「…俺は…どうすればいい?立ち去った方がいいのかな?その方がキミとソヌさんにはいいと思うけど。ソヌさんがキミの妹だって分かったときからずっと悩んできた。俺はどうすればいいのか?って。キミたちのためには俺は去らなくてはならないんじゃないかって。俺は別にいい。そうでなくてもキミは妹さんのことで頭が一杯だろうし。その上、俺のことで悩ませたくない。キミが望むとおりにするよ。キミが消えろといったら、俺は消える。」
「あなた、私がそんなこと出来ないって分かってて私をかき乱すの?私にうんざりしてるの?」
「俺がそういう風に仕向けたんだ。何の言い訳もできない。キミを騙して、利用した。キミではない別の人を愛してしまった。キミが立ち去れと言えば、いつでも消えるよ。だから言ってくれ。俺はどうすればいい?キミの言うとおりにするから。」
「まずは…ユニが治るまで、その話は結論を延ばしましょうよ。時間をかけて、私とあなたがどうすればいいかじっくり考えましょう。それまであなたがいてくれた方がいいわ。アイコンパックだって発売して間もないじゃない。私は妹のことがあるから会社に専念することなんてできないわ。もしできれば、私の代りに会社を引っ張っていってくれると嬉しい。やってくれる?」
「わかった…。そうしよう。」
「ありがとう…。じゃ、行くわね。」
お互いの複雑な想いを時が解決するだろうという結論に達した2人だった。

 かくして、テヒは病院で骨髄検査を受けた。
ソヌのナムグン(南宮)主治医は言う。
「兄弟姉妹と言う場合でも骨髄が一致する確率はそれほど高くないんです。」
「もし、私の骨髄が妹と一致しなかったらどうなるんですか?」
「その場合は骨髄が一致する人を他から探さなくてはなりません。」
「同じ骨髄を見つけられる確率はどれぐらいですか?」
「韓国では骨髄提供者がそれほど多くないので難しいです。勿論私たちは一致する骨髄を最後まで探しますが、イ・ソヌさんの場合は残された時間が短すぎます。それが一番の問題です。」

 病室でうなされ、ぱっと眼を覚ますソヌ。
「どうしたの?痛むの?」
「悪い夢を見たわ。私が死んじゃう夢。傷みがひどくなってからときどき見るの。ごめんね、お姉ちゃん。やっと出会えたのに心配ばかりかけて。悪い妹よね。」
「気にしないで。私、骨髄検査受けたから。一致したら、すぐに手術をしてもらえるわ。」
「もし、結果が悪くても、がっかりしないでね。私だって知っているの。姉妹でも骨髄が一致する確率は低いって。」
弱気なソヌに余計なことを考えずに体を治すことだけを考えなさいとお説教をするテヒ。
 数日後、骨髄検査結果がでた。
テヒとジェヒョク2人で結果を聞きに行く。
従兄のユン・ソジュンも検査をしたのだが、結果、キム・テヒの骨髄が一致したという。
無菌室で2,3週間抗がん剤でがん細胞を取り除く治療を行ったのちに手術を実施することになった。
「で、ソヌさんは助かるんですか?」
「その2~3週間を乗り越えられれば、恐らく助かります。勿論副作用はありますが、私たちとしては最善を尽くします。」

 何も知らないチョルンはソヌの見舞いにやって来た。
しかし、そこにはソヌがおらず、看護師が「今日から無菌室に移され、抗ガン治療をすることになりました。」
「抗ガン治療?」
「ええ、お姉さんの骨髄が一致したので手術が決まりました。」

 ソヌは無菌室のビニールカーテンの向こう。
ジェヒョクは手術服を着させられ、カーテン越しにソヌに声をかける。
「絶対、諦めるなよ!こんな姿、ソヌさんらしくない。だから、必ず立ちあがってくれ。」
そこへ同じく手術服姿のテヒもいる。
無菌室を出たテヒをチョルンが見つける。
「骨髄が一致したとか、すると、ソヌさんはどうなるんですか?助かるんですか?」
「手術の結果が良ければ。」
「ソヌは中でしょ?入ってもいいんですか?」
「今はちょっと困るわ。あとで来てくれる?」
「そんなに悪いんですか?」
「いや、そういうことじゃなくて…。」
無菌室からジェヒョクが出てきた。
気まずい空気が流れる。
チョルンは「分かりました。あとでまた来ます」と引き上げる。
チョルンが行った後、テヒはジェヒョクに「手術が終わるまでしばらく来ない方がいいわ。叔母さんにも何か言われそうだし…」と言う。
そして、テヒは無菌室に戻った。
テヒ、ソヌ、チョルン、ジェヒョク…微妙な四角関係が4人に暗い影を落とす。

 チョルンは屋台で一人焼酎をあおる。
それを陰からこっそりのぞくサンパンウル一家。
いつか命を奪ってやろうと虎視眈々と狙っているのだ。
屋台から出てチョルンが家に戻る道で繁華街を通った。
するとキャバクラからホステスとなったウ・スンヒが客と一緒に出てくるところにぶつかった。
「ウ・スンヒ!」
振り向いたスンヒはチョルンの顔を見て驚く。

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第34話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 
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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第全話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第34話

ガラスの靴 第34話
 父・パク運転手が意識を取り戻したことで、喜ぶパク・チョルン。
それと同時に恐ろしい夢を見たからか、部屋で寝ていたウ・スンヒが目を覚ます。
気持ちを落ちつけようと、1階で水を飲む。
そこに出てきたユン・ソジュン。
ビックリして思わずコップを放り投げて割ってしまう。
「どうしたんだ?何驚いているんだ?」
戸惑うソジュン。
「わ…悪い夢を見たの。それで気持ちを落ちつけようと水を飲みに来ただけ…。」
「おい、大丈夫か?」
「だ…大丈夫…。」
スンヒはテヒの部屋に行く。
テヒは会社の書類を見ていた。
「お姉さん、忙しい?」
「うん…ちょっとね。」
「ねぇ、今夜はお姉さんと寝ていい?」
「ごめん。今日は自分の部屋で寝て!」
引っ込むスンヒ。
眠れなくなって、部屋でロックを聴く。

 早朝の病室。
気が付いたパク運転手のベッドの脇にはチョルンとともにお婆さんとヨヌンがいる。
「気が付いたかね!」
「お父さん!」
「ああ、人を見分けられるようじゃ。ああ、ありがたや、ありがたや…。」
「だから私が言ったでしょ。お父さんは必ず意識を取り戻すって。」
ほっとした表情で廊下に出るチョルン。
そこで廊下をジェヒョクが歩いているのを見て声をかける。
「こんなところで何をしてるんですか?」
「ソヌさんが昨日の晩、道端で倒れました。」
それを聞いてソヌの病室に行くチョルン。
「倒れただって?何で一人でほっつき歩くんだ!」
「もう大丈夫よ。」
「今すぐ入院手続きをしろ!」
「その話は終わったでしょ。」
「病院代なら、俺が何とかする!おまえは治療に専念しろ。他の心配事は人に任せりゃいい!」
「人の世話にはなりたくないの。よしんば世話になったとしても、骨髄が見つからない限りは何の意味もないの。分かっているでしょ。ほんの数カ月命を延ばして、周りの人に迷惑をかけたくないの。」
「それで何もせずにただ死ぬのを待つってか?」
「もう無理なのよ。」
「悔しくはないのかよ!そのまま力なく倒れていいのかよ!」
「悔しいわよ。こんな死にかたするの、誰よりも悔しいわよ!よりによって何で私なのって思うわよ!」
「ソヌ…。」
「私が死にたがってるとでも思ってるの?私だって生きたいわよ。長生きしたいわよ!誰よりも働いて成功したいわよ!他の人みたいに希望を持って行きたいわよ。でも仕方ないじゃない。私の力でどうすることもできないじゃない!」
「ダメなもんか!やれるところまでやればいいだろ!あきらめちゃダメだろ!やれるところまでやろうぜ。俺のために最後まであきらめるなよ!」
ソヌを抱きしめるチョルン。
「お前がいなくちゃダメだ!頼む!もう諦めるなんて言わないでくれ!」
泣くソヌ。
病室の外ではジェヒョクがそれを聞いて無言で立っていた。

 チェハ通信会長室のテヒを訪ねてジェヒョクがやってきた。
「どうしたのよ。遅刻した上、連絡も遅いけど。本当に辞める気?」
「…今、病院に寄って来たところだ。」
「病院?何で?」
「イ・ソヌさんがそこにいる。白血病で長くはないそうだ。何か手伝ってあげたかったんだけど、俺の手伝いは全て断られた。俺はどうしていいのか分からない。」
「いつからなの?イ・ソヌが病気になったのは?」
「分からない。病気のことを知ったのも先週だったから。もうお手上げだよ。もう、ソヌさんが死ぬのを黙って見ているしかないんだ。」
酷いことをしすぎたんじゃないか?…と目が泳ぐキム・テヒ。

 ソヌの治療が始まった。
「患者さんが動かないように押さえていてくださいよ!」
チョルンにソヌの体を抑えさせ、医者は太い注射を打つ。
「痛いですよ…」
悲鳴を上げるソヌ。
医者はチョルンに言う。
「一旦、薬物治療が始まったら、患者さんは相当苦しみますよ。薬が強いため、何より痛みを伴い、衰弱した患者さんは精神的にも不安定になります。これからは闘いになりますよ。」
覚悟するパク・チョルン。
抗がん剤を打たれ、激しく嘔吐するソヌを必死で介抱するチョルン。
「出てってよ!臭いでしょ?」
「そんなこと気にするな!」
「あんたのそんな姿を見るのはイヤ!」
「お前は病人だ。俺は介護人だ。死んでもそばを離れないからな!」
必死の看護をするチョルンをこっそりドアから覗き込むキム・テヒ。

 宝石店で「イ・ソヌ」と刻まれた指輪を特注するウ・スンヒ。
「何これ?明らかに偽物だってばればれじゃないの!」
「現物を見ていないですから無理ですよ、そんなこと言われても。その上、中に文字まで彫るとなると…。」
「仕方ないか…。とりあえずはめて歩くか…。」
とりあえず偽指輪で誤魔化すことにした偽ユニ・ウ・スンヒ。

 夕飯でその偽指輪をはめたまま食事をするスンヒ。
「何、あなた、指輪を買ったの?」
「前からしてたじゃないの。」
「それが母さんの指輪ですって?」
「ええ、そうよ。」
「そうなの?だったら見せなさい。」
「ちょっとあんた、母さんの指輪をどうしたの?」
「まさか…お母さんの指輪を失くしたんじゃないでしょうね?」
そこでツッコミを入れる叔母・キム・ヒョンジャ。
「…はい、失くしました。」
「何ですって?母さんの指輪を亡くしたですって?何やってるの!」
「手を洗うとき外したとき、下水に間違って流しちゃったの…。」
「呆れた子ね。」
冷たい目で見るキム・ヒョンジャ。
「失くした場所は?」と冷静に尋ねるユン・ソジュン。
「ん?病院で。パク運転手さんの入院で病院にお見舞いに行ったとき、トイレで…。ごめんなさい。お姉さん。私のうっかりミスで…。」
「だったら、正直に落としましたって言えばいいじゃないの!それを偽物で誤魔化そうとするなんて。私がそんなインチキなもの見てだまされるとでも思ったの?本当にがっかりさせる子ねぇ。」
「指輪をなくすことより嘘をついてだますことの方が悪いでしょ!」
ウ・スンヒはテヒに雷を落とされた上、キム・ヒョンジャに嫌味まで言われてしまった。
「ちゃんと仕舞っとけよ、ったく!」
ソジュンの小言に怒りを爆発させるスンヒ。
「誰が好き好んで失くすのよ!」
キム・ヒョンジャがそれを聞いて怒る。
「誰に向かって口をきいてるの?従兄の兄さんで、あなたの友達や弟じゃないのよ!」
「何よ!怒られてただでさえ、へこんでいるのに、追い打ちをかけるようなこと言って!」
「指輪を失くしたのはアンタの責任でしょ!」
ヒョンジャ、ソジュンと口論になり逆ギレするスンヒ。

 そのスンヒがテヒの部屋に謝りに行く。
「お姉さん、ごめんなさい。もう怒らないでよ。私だって指輪を落として正直ショックだったんだから。絶対怒られると思って。」
「それだったら、そうだと正直に言いなさい。何でお姉さんをだますようなことするの!」
「本当にごめんなさい。」
膝をついてひたすら謝るスンヒ。
「もういいわ。失くしたものしょうがないでしょ。分かったからもう行って!」
テヒに抱きついて言うスンヒ。
「お姉さん!最近私にすっごく冷たいの分かる?お祖父さんが亡くなってからずっとそう。どうして?私のことが嫌いになったの?私、お姉さんに何か悪いことしたの?以前みたいに笑わないし、目も合わせてくれない。私、お姉さんに何か気が付かないうちに悪いことをしているんじゃないかって、いつも不安だったの。私が悪いのならちゃんと怒ってよ!怒られた方がむしろスッキリするのに。」
「そんなんじゃないの。この頃頭の中が一杯で余裕がないだけなの。会社の経営を引き継いで、悩み事も増えたし。そんな中であなたが指輪を失くしたって言うから、カッとなっただけなの。とにかくあの指輪はあなたと私を結ぶ唯一の絆みたいなものだったからね。」
「ごめんなさい。お姉さん!わざわざだますつもりじゃなかったの。ホントよ、信じて!」
「もう分かったわ。」
誤魔化すのに成功したと陰でほくそ笑むスンヒ。

 翌日のユン・ソジュンのレストラン。
社長のユン・ソジュンが尋ねる。
「おじさんがついに目を覚ましたって?」
「はい、社長!もう家族の顔も分かるようになったし、簡単な意思表示もできるようになりました。」
嬉しそうに答えるヨヌン。
「よかったね。ヨヌンさんはお父さんが意識を取り戻すのずっと待ってたもんね。」
ソジュンはそう言いながら指輪をとりだす。
それはお揃いの指輪だった。
「指輪には人と人をつなぐという意味もある。これで僕とヨヌンさんは一つになれるんだ。」
「そんな大切な指輪をふざけ半分で渡すわけ?」
「じゃぁ、どう渡せばいいの?」
「そんなの…もらう人のことをちゃんと考えて渡せばいいじゃないの!私はまだ指輪をもらうには若すぎるし、いや、それよりももらうんならちゃんとした場所で、ちゃんとドレスアップして、格式を持って渡してくれなきゃ。」
「格式ばるのはいいことじゃないぞ、ヨヌンさん。」
「かといって格式を無視するのもよくないと思いますけど、社長。」
そうやって立ちあがったヨヌンを追いかけ、店のフロアーの真ん中でひざまづくソジュン。
「え?お客さんが見てるのに困ります!」
慌てるヨヌン。
「プロポーズ致します!ヨヌンさん、私と結婚してくれませんか?」
「ええ~~?け…結婚!?社長、冗談きつ過ぎますよ。」
「冗談でこんな恥ずかしい真似するかよ。」
「社長…。」
「本気だよ!真剣にヨヌンさんを我が妻に迎えたい。」
客席のお客さんがそれを聞いてヒューヒュー!…と声を挙げる。
ソジュンは大胆にも堂々と指輪をヨヌンの指にはめ、キスをする。
客席中から拍手が聞こえた。

 タクシーで屋敷に帰ってくるスンヒの母。
物陰から出てくるファン・グット。
「あら?あらららら…あなた、どうしちゃったのよ!」
「追い出されてから着の身着のままじゃけぇ。それにしても、お前は立派ななりになったのう。」
「私は娘のおかげで、ここのうちに身を寄せて暮らしているわ。」
「そいつはよかったのう。金持ちン家に入りこめて。」
「最初のうちはよかったけど、時間が立つとだんだん嫌になって来たのよねぇ。毎日毎日食べて、寝て、ショッピングに行って…。話を聞いてくれる人もいないし、壊れた放送みたいにいつも静かにしろとかうるさくて。」
「わしがうらやましくなったかいのぅ。」
「ホームレスのどこがうらやましいのよ。」
「スンヒに連絡しようにもどうにもならないけぇ。」
「あ、そうそう、ソヌが倒れたのよ。」
「ソヌが倒れたって?何でじゃ?」
「白血病ですって。かかればいくらもたたずに死ぬんですって。」
「ホントか?ソヌが死ぬって?」
「私もその話を聞いてやりきれないのよ。」
「スンヒは知っとるんか?ソヌがそんとなことになったって。」
「知ってるわよ。スンヒから聞いた話だもん。」
「それでスンヒは?」
「スンヒはやったぁって喜んでいるわよ。私の産んだ子だけど、スンヒはキツい子よねぇ。」
「それにしてもソヌは気の毒だのぅ。」
当のイ・ソヌはいつ絶えるともしれない命に不安を抱え、病室のベッドで母の形見の指輪を眺めていた。

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 パク運転手の病室ではお婆さんが看護をしていた。
「今、チョルンは大変だよ。昼間は工事現場に行って、夜はあんたの介護で。ソヌも会社で働いて。最初も今もずっと一緒だ。チョルンのことを考えるとソヌと一緒にさせてあげてもいいかもしれないねぇ…。ソヌの気持ちが分からないから、こちらからどうこう言えないしね…。」
何か言いたそうにお婆さんを見つめるパク運転手。
「忙しいのか、ここのところソヌを見掛けないねぇ…。」
この2人はまだソヌの命が危ないことを知らないのだった。

 病院でソヌを介護しているチョルンのところにジェヒョクがやってきて、小切手の入った封筒を差し出した。
「何だ、これは…。」
「これをソヌさんの治療費に充ててください。」
「要らないです、そんなの。持って帰って下さい。」
「こういうときは余計なプライドは捨てた方がいい。これはパク・チョルンさんに渡すんじゃない。イ・ソヌさんのためのお金です。勿論、ソヌさんは僕が治療費を出すと言ったら断るでしょう。それで、パク・チョルンさんを通じてなら受け取ってもらえるかと思って。骨髄を探す間治療をつなげないとならないでしょ?悪化したら骨髄が見つかっても手術できないから。手遅れになるのは望まないでしょう?パク・チョルンさん。今はあなたのプライドよりソヌさんの命を救うことが先決な筈ですよ。私の言っていること、分かりますよね?」
「これは…俺が借りるということにします。何年かかっても俺が返します。いいですね。」
「お好きなように。」
やっとのことでパク・チョルンに治療費を渡したジェヒョクはため息をついた。
と…そのとき、病院の受付に来てイ・ソヌの病室がどこかを尋ねているファン・グットを見つけた。
「もしかして、イ・ソヌさんの病室をお探しですか?」
「そうじゃけど、誰じゃ?」
「イ・ソヌさんの職場の上司です。」
「上司?」
「その声に聞き覚えがあります。もしかして、ファン・グットさんでは?」

 こちらはウ・スンヒの部屋。
スンヒの母がファン・グットが現れたことをスンヒに言う。
「何よ。シカトしとけばいいじゃないのさ。」
「そんなこと出来ないわよ。あんまり可哀想だから、お小遣いちょっと渡してね…。」
「それで?ソヌの病気のことまで言っちゃったの?余計なことを!私が偽物のキム・ユニだって情報を握っているのはあのおじさんなのよ!」
「ええ~!?」
「もし、それでソヌのところに行ったら、全てが水の泡よ!」
「どうしよう!」
「生きていけないわよ!」
慌てて家を飛び出すスンヒ。

 チャン・ジェヒョクはオ・ハニョンとファン・グットを連れて、自宅に戻った。
「ここはどこじゃ?」
「僕のオフィステルです。隣にいるのは僕の部下。ここならファン・グットさんが真実を話すのを妨害する人は誰もいませんからね。安心して全部話してください。さ、どうぞ座って下さい。」
ジェヒョクはファン・グットにソファーを勧めた。
ファン・グットは腰をかけると口を開いた。
「気になることはなんじゃ?」
「真実です。」
「真実じゃて?」
「はい。真実です。今、キム会長の家に入り込んでいるキム・ユニが偽物であることまではつかんでいます。私が知りたいのは本物が誰かです。」
「う…話にくいのう。酒はないんじゃろか?」
それを聞いたオ・ハニョンがすかさずウイスキーの瓶とコップを差し出す。
「こがぁ高い酒…。」と一言言うと一気にあおるファン・グット。
そして話し始めた。
「以前のことじゃ…。その前に、ソヌは本当に死ぬんか?」
「はい、一日も早く家族を探し出して骨髄を提供してもらわないと死にます。」
「わしの2人目の娘がじゃ、市場で拾ってきた記憶喪失の子じゃ。」
「誰なんですか、それは!」
「ソヌじゃ。」
「ソヌ?イ・ソヌさんのことですか?」
「そうじゃ。イ・ソヌじゃ。あの子が本物じゃけぇ。」
仰天するジェヒョク。
まさか、自分が恋愛していた相手がキム・テヒの妹だったとは…。

 その頃。ウ・スンヒはソヌの病室に忍び込んでいた。
ソヌはスンヒが病室にいることに気が付き、声をかける。
「あ、スンヒ…。」
「あら、目が覚めたの?」
「あんた、何でここまで来たの?」
「話は聞いたわ。病気、重いんだってね?」
「そうなんだ。」
「だいぶ痛むの?」
「まだ、我慢できる程度よ。」
「退院できそう?」
「骨髄が見つかるまで待たなければいけないんだけど、見つけるのが難しいそうなの。兄弟なら一致する可能性が高いそうだけど、私には兄弟も家族もいないから。テヒ姉さんには言っていないわよね?言っちゃダメよ。色々な人に余計な心配かけたくないから。」
「そう?あんたがそう言うんなら…。ところで、ここにおじさんはこなかった?」
スンヒはファン・グットがやってきたかどうか確認した。
「来なかったけど、何で?」
「ん、別に大した意味はないけど。」
「そういえば、倒れる前、おじさんに会ったわねぇ…。」
「え?で、どういう話をしたの?」
「家を出たって話をしたけど。」
「他には?」
「あんた、おじさんに優しくしてあげな。好き嫌いは別にして父親みたいなものじゃない。」
「追い出したくって追い出したわけじゃないわよ。変なことばっかりするからよ。」
そこで呻くソヌ。
抗がん剤のせいで体力を失い、話も長い間できないという。
部屋を出るスンヒに声をかけるソヌ。
「スンヒ、ごめんね。同じ布団でいつも一緒に寝ていたのに、憎んで冷たくして。もっと優しくしてあげればよかった…。今度から病室に遊びにおいで。色々想い出話をしましょう。」
「何バカなこと言ってるのよ。さっさと体治せば?」
自分の地位保全のため、ソヌの命を狙おうとしていたスンヒ。
しかし、ソヌの善良さに罪悪感を感じる。
病室を出ると、涙がこぼれたが、それを振り払うように「クソ女め」と小声で悪態をつくスンヒ。

 ファン・グットが帰った後のジェヒョクの部屋でオ・ハニョンと2人きり。
しかし、余りにもショッキングな内容だったため呆然とするジェヒョク。
「チーム長、大丈夫ですか?」
不安そうにジェヒョクを覗き込むオ・ハニョン。
「キム・テヒさんに知らせないと。」
「ん…そうだな。しかし、何といえば…。イ・ソヌが本物の妹だと?俺が愛した女がお前の妹だと?そういうのか?」
「チーム長…。」
「何で、こんなことになってしまったんだろう…。」

 裏付けをとるため、ジェヒョクはパク運転手の病室を訪れた。
「私が分かりますか?」
うなずくパク運転手。
「テヒのところに行く前に立ち寄らせてもらいました。一つだけおじさんに確認したいことがあります。テヒさんの本物の妹さんはイ・ソヌさんで間違いありませんか?」
大きくうなずくパク運転手。
「会長が亡くなる前にそのことに気が付かれましたか?」
うなずくパク運転手。
「そうでしたか…。」
すると、パク運転手は手を差し出す。
握手をするジェヒョク。
「もう安心してください。私がイ・ソヌさんを救います。テヒさんに本当のことを言って全てを明らかにします…。」

 病室を出たところで、ウ・スンヒと出くわす。
「チャンチーム長、こんなところで何をしているんですか?」
「キム・ユニさんこそ、ここで何を?…いや、もうこれ以上この名前で呼ぶわけにはいきませんね。違いますかな、ウ・スンヒさん!」
「何ですって?」
「もう、劇は終わりです。これまであなたが何をしてきたのか、全部判明しました。」
「何のことよ。あんた、今何を言っているの!」
「何のことか、本人がいちばんご存じでしょう?」
ジェヒョクはそう言うと、オ・ハニョンとさっさと駐車場の方へと歩いて行ってしまった。
追いかけるウ・スンヒ。
「どこに行くの!」
「気になりますか?勿論あなたのお姉さん・テヒのところですよ。」
「テヒ姉さんのところに行って何を言うつもりなの!」
「行って、全部本当のことを言わないとね。これまで妹だと信じていた女が偽物だと。本物はウ・スンヒではなく、イ・ソヌだと。」
「ダメ!そんなことしないで!テヒ姉さんに言わないで!私が自分で言うわよ、正直に。だから1日でもいい。待って!言うのは!時間をちょうだい!」
「何の時間がいるって?今まで、テヒを散々騙してきたくせに!イ・ソヌの幸せを全部奪い取って来たじゃないか!それで充分楽しんできただろう。」
「ソヌのこと好きなんでしょ?違うの?テヒ姉さんと婚約しておきながら、愛していたのはソヌの方じゃないの!どうする気?ホントのことをばらせば、アンタだって困るんじゃないの?」
「俺もあんたも受けるべき罰は受けなくちゃならないんだよ!逃げ回ったって仕方がないんだよ。」
「そんなこと言わないで、私を許して!ねぇ、私を助けてよ!何でも言うこと聞くから、テヒ姉さんにだけは言わないでよ!ばらされたら私死んじゃう!」
「もう、終わりかもしれないね。今まで、散々酷いことをしてきたくせに。死よりもっと辛いことになるかもしれないね。」
スンヒの手を振りほどいて行ってしまうジェヒョク。

 ジェヒョクは会長室に現れた。
「テヒ!今すぐに言わなければならないことがある。」
「何なの?」
書類を決裁し、チン室長に渡し、「じゃ、行ってください」と人払いをするキム・テヒ。
「話って何なの?言って。」
「キミの妹についてだ。」
「妹って…ユニのこと?」

 ジェヒョクに逃げられたスンヒは再びソヌの病室に忍び込む。
「…お前なんかにアタシの座を奪われてたまるか。会長の妹の座は私のものなのよ。テヒ姉さんは私のものだし、チェハ財閥だってアタシのものよ。盗られてたまるもんですか!アンタは私より持っているモノが多いじゃないの!仕事が出来て、頭が良くて、チョルン兄さんまでアンタのところに行っちゃった!…どうせ短い命なんでしょ?だったら、アンタの地位は私に譲ってよ。アンタがみんな持って行っちゃうんなら、アンタを殺すわ。アンタもあたしも死ねば、全てが終わるわ。」
そうつぶやくと、震える手でソヌの首を絞めようとするスンヒ。
しかし、なかなか絞められず、手を離してしゃがみこんでしまう。
「…私には…殺せない…。どうしよう。また昔になんて戻れない!あんな生き方もうヤダ!」
そこへチョルンが入って来る。
「あれ、スンヒ。ここで何してんだ?」
慌てて非常階段に走って行くスンヒ。
「ど…どうしよう。」

 さて、こちらは会長室。
調査した資料をテヒに見せてジェヒョクが言う。
「これまで、キミのそばにいたのは偽物だ。それがその証明となる書類だ。なによりキミが一番それを感じていたはずだ。キミのそばにいる妹は偽物だと。それが分かっていても顔をそむけていたんじゃないか?分かってくれ。もう二度と傷つきたくないんだ。もしかしたら、本物の妹を見つけられないんじゃないかと怖かったかもしれない。」
「何なの?それ。分かりやすく説明して!」
「キミの妹は偽物だ。本物は別のところにいる。誰だか気にならないのか?」
「…本物の妹を見つけたって言うの?」
大きく目を見開いて言うテヒ。
「そうさ。キミもよく知っている人物だ。」

病室のイ・ソヌはうなされていた。
父の夢を見て、「父さん!父さん!」とうわごとを言う。
目を覚ますと、そこにはソヌの父・キム・ヒョンホが立っていた。
ソヌが声をかけるとキム・ヒョンホは無言で病院の廊下をすたすたと歩いて行ってしまう。
ソヌが「父さん!」と叫びながら追いかけて行くと、キム・ヒョンホはドアの前に立ち、バーンという音と共に扉を開ける。
まぶしい光がソヌに降り注いだ。
その扉の向こうには子供の姿のキム・テヒがいた。
「ユニ!アタシよ、テヒ姉さんよ!」
指輪のことも父さんの靴のことも全てが走馬灯にように流れ、最後にテヒに抱きしめられた。
全ては夢だった。
だが、それは全ての記憶を取り戻す夢でもあった。
目が覚めたとき、チェハ通信のキム・テヒ会長こそが本物の自分の姉であることに気が付いた。
「姉さん!」
涙がこぼれるソヌ。

 チェハ通信会長室ではテヒが驚いていた。
「え?…ソヌさんが本物の妹!?」
「そうだ。」
「なんでそんなことに…。じゃぁ、すぐそばに本物の妹がいたのに気が付かなかったってこと?」
「信じてくれ。ウ・スンヒが全て隠していたんだ。会長はそれを知って、ソヌさんに会いに行こうとして事故に遭ったんだ。」
「じゃぁ、あの指輪は?」
「イ・ソヌさんのものだ。記憶を失って、指輪に刻まれた名前を自分の名前だと思い込んでいたんだ。妹に会いに行かないか?」

 病室では記憶を取り戻したソヌがよろよろと立ちあがって出て行こうとしていた。
「そんな体でどこに行くつもりだ!」
チョルンが引き止めるとソヌは「お姉さんのとこに行かなくっちゃ…」と息も絶え絶えに言う。
ふらつきながら廊下に出たところで、テヒとジェヒョクが走って来た。
「お…お姉ちゃん!」
ソヌの言葉に思わず抱き締めるテヒ。
「アンタがホントのユニなの?」
「全部思い出したわ。父さんの顔もテヒ姉さんの顔も…。一緒に暮らした家も全部…。会いたかった!」
「ごめんなさい!ユニ!私はどうすればいいの?」
涙を流すテヒ。
ユニも一緒に泣くが、そのまま倒れ込んでしまった。
「…行かないでお姉ちゃん…。もう離れないで…。手を離さないで…。」
「もうどこにも行かないから…」
泣きながら抱きかかえるテヒ。
その手の中でソヌは意識を失った。

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第33話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 
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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第全話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第33話

ガラスの靴 第33話
 イ・ソヌの前にいきなり現れたファン・グット。
なにやら気の毒そうにみえたのでソヌは食事をさせてあげることにした。
「いったいどうしたっていうんですか?家出でもしたんですか?」
「まぁ、色々とあったけぇ。」
「おばさんと別れたんですか?」
「別れただなんて…。一方的に追い出されたんじゃ。」
それを聞いたソヌは「私はいいですよ。おじさん食べて」と言って、自分の分のコムタンをファン・グットに差し出す。
「ソヌ。ありがとうな。わしはソヌに何一ついいことをしてこなかったのに、こがぁに親切にしてくれて…。ほんまに面目ない!」
「もう、過ぎたことじゃないですか。何をしたって、おじさんとおばさんは私を育ててくれた恩人じゃないですか。実は、最近になって死んだ父の顔が夢に出てくるんですよ。」
「なんじゃって?お父さんの顔が夢に出てくるって?もしかして、記憶が戻ったんかい?」
「やっと、お父さんの顔を思い出しただけです。他のことも思い出そうとしているんですけど、上手くいかなくてもどかしいんです。もし、家族がいるんなら探したいです。時間が立ち過ぎて難しいだろうけど、生きている間に会いたいです。…ほら、冷めちゃいますよ。食べて食べて!」
ソヌはコムタン2杯をファン・グットに食べさせると、少ない所持金を小遣いだとあげてしまう。
「これでパンでも買って。おなかをすかせないで。それから道端で寝ないように。病気になりますよ。早くおばさんと仲直りしてね!」
そしてソヌは自分の携帯番号をマジックでファン・グットの手に書いて、困ったときは連絡してと言って去る。
そして、家に帰ると発作を起こしむせかえる。
慌てて薬を飲むソヌ。

 ウ・スンヒはパク運転手が目覚めないうちに暗殺しようとまたもや病室にやってきた。
しかし、手をかける勇気もなくためらって帰ろうとしたところにパク・チョルンがやってきた。
「ウ・スンヒ。お前こんな時間に何の用だ?」
「近くまで来たから、おじさんの具合はどうかなって寄ってみたの。」
病院の庭で自動販売機のコーヒーを飲む2人。
憂鬱な顔をしたチョルンにスンヒが尋ねる。
「何か心配ごとでもあるの?」
「何でそんなこと聞くんだ?」
「おじさんが快方に向かっているっていうのに何でそんな暗い顔しているの?」
「何でもねぇよ。」
「ソヌのことでしょ?私って何もしてあげられないのね。」
「お前は多くのものを持っているじゃないか。お金持ちの家にお金持ちの姉貴。やりたいことは何でもできる。俺から見たら雲の上の世界さ。」
「私は元々欲張りよ。分かるでしょ。でも得られるものなんてないわ。だから、執着しているクセがあるの。ヒトとお金に執着する。そうでもしなければ、何もかも失う気がして。何よりもそれが一番怖いの。正直こんな生活、疲れちゃったわ。だから誰かに頼りたいけど、頼れる人は誰もいないの。そんなんだからチョルン兄さんがうらやましくって。」
「スンヒ…俺、ソヌと結婚しようかと思ってるよ。」
「ソヌがそう望んだの?」
「ソヌはまだ知らねぇ。さっきそう決めたから。でもきっと結婚するつもりだ。」
「あ…そう。」
そういうスンヒの目つきが険しくなる。
「…私がどうなろうと、ソヌが幸せになればそれでいいんじゃない?」
そういいながら、スンヒの目から涙がこぼれる。
「お前が傷ついたんなら、すまん。」
「私にすまないと思おうんなら、ソヌと別れてよ。出来ないくせしてすまないなんて言わないでよ。」

部屋に戻り、泣きながら独り言を言うスンヒ。
「絶対、ソヌを幸せになんかさせないわ。」

 チェハ通信会長室ではキム・テヒがチン室長からチェハ財閥の株式市況について報告を受けていた。
「なんですって?株価が下がっているですって?」
「それが私たちの実力です。チェハ財閥に対する悪いうわさが広まっています。アイコンパックが成功すれば、それらを払拭はできそうですが…。」

 事務所ではアイコンパック売り出しに向けて着々と準備が進められていて、イ・ソヌも忙しく働いていた。
そこで、ジェヒョクに呼びとめられた。
「イ・ソヌさん、ちょっといいかな…。」
ソヌをチーム長室に連れて行って、一枚の名刺を渡す。
「骨髄移植の専門家を紹介されてアポを取った。後で行ってくれ。本当はついて行ってあげたいけど、断られるだろうから、一人で約束の時間に必ず行ってくれ。それと治療費を用意しておいた。何も言わずに受け取ってくれ。どうか断らないでくれ。こんなせめてものことさえできなければ、一生後悔するから。むしろ死ぬのが僕ならよかったのに。」
「本当に私が怖いのは病気や痛みじゃないんです。心が折れてしまいそうになる方が怖いんです。治療費はいいです。お気持ちだけ受け取っておきます。」
そのまま部屋を出るイ・ソヌ。
うなだれるチャン・ジェヒョク。
ソヌが出てきたところで、ドアの前に現れたキム・テヒ。
「あ、チーム長なら中です。」
「あなたが出てきたんならそうでしょうね。」
一言嫌味を言って中に入るテヒ。
「邪魔した?」
「いや、そんなことはない。座れよ。」
「イ・ソヌのことね。あなたはイ・ソヌのことになるといつもそうなんだから。『なんでもない』って。お金で解決したいことでも起きたの?」
「なんでそんなこと言うんだよ。」
「言ったでしょ?ネチネチあなたをいじめるって。」
「もうよせ。そんなやり方はお前には似合わない。」
「私も知っているふりをして知らんぷりしているのよ。私はもう充分に多めに見て来たわ。お祖父さんに反対されても私はあなたに味方した。それを裏切ったのはあなたじゃない。」
「俺のせいで傷ついたのは分かってる。だからすまないと思っている。」
「すまないと思っている人がまだイ・ソヌに会うわけ?」
「そんなんじゃないって。」
「そんなんじゃないっていったって2人が一緒にいるときに私がぶつかるじゃないの。どうしてそんなに隠し事が多いの!」
「キム・テヒ!」
「何なら、イ・ソヌに直接聞こうか?」
「そんなことするな。イ・ソヌはキミよりずっと立場の弱い人間だ。何の力もお金もない。そんな弱い人間を見捨てるような真似はよくない。」
「あなたに捨てられたのはイ・ソヌではなくて、この私よ!なのにあなたにはイ・ソヌだけが可哀想に見えるのね。私に許しを請う資格なんてないわ。それと、アイコンパックの発売式典には私も参加するわ。いずれにせよ、アイコンパック事業は必ず成功させて。会社の存亡がかかっているんだから。」
そういってチーム長室を出るテヒは何故かジェヒョクの書く仕事の内容が気にかかった。

チョルンが工事現場の事務所に呼び出され、解雇を言い渡される。
「何で、クビなんですか?人の倍は働いているし、毎日休まず働いているじゃないですか?いったい理由は何ですか?」
「うちだって、こんなことはしたくないさ。でもうちにも事情ってものがあって。すまん!」
怒って出て行くチョルン。
そして、現場監督はチョルンが行った後、あらぬ方向に一礼する。
そこにはサンパンウル一家の組長の車が停まっていた。
そう、工事現場の建設会社がサンパンウル一家に脅されていたのだ。
他の工事現場に行っても追い出されるばかりで、行くところを失ったチョルンは仕方なく、イ・インス一家の組事務所に行く。
「お、パク・チョルンじゃなかと?いったいどげんしたと?」
出迎えるカントン若頭。
「組長は?」
「おっ、チョルンじゃねぇか。」
杖をついて奥からイ・インス組長が出てきた。
「組長…。」
「最初は不便だったが、もう杖にも慣れた。ところで、どうしたんだ?」
「組長、手術しないですか?」
「まぁ、中に入れよ。」

組長室で食事をしながら話すチョルン、カントン若頭とイ・インス組長。
「何?工事現場をクビになったと?」
「いったい何が悪いのか、さっぱり見当がつきません。他の工事現場に行ってもどこも俺を使ってくれないんです。」
「誰か、裏から手を回したんだな。そうでなくてもクンソンが裏で暗躍しているという噂があって、うちでも調べていたところだったんだよ。」
「クンソン?」
「組長をこげん目に遭わせたサンパンウル一家のことたい。」
「クンソンと言うやつは恨んだ相手には必ず仕返しをすることで有名な奴だ。どうやら、工事現場からお前を追い出したのはそいつのようだな。」
「ちきしょう!」
「今お前が動いたら、状況は更に悪くなる。お前のガールフレンドを拉致したやつだぞ。今度は何をしでかすか分からない。」
「だからといって、やられっぱなしはないでしょう?」
「とにかくだ、しばらく大人しくしていろ。」
「組長、俺はカネを稼がなくっちゃならないんですよ。父さんの病院費を稼がなくちゃならねぇし、ソヌも病気なんです!せっかく頑張っているのにこれじゃ失望させるだけですよ。」
 チョルンは病院に行く。
するとソヌが廊下を歩いていた。
「ソヌ、お見舞いか?仕事が終わったの、今日は遅かったからな。」
「…アンタ、お酒飲んだでしょ?」
「工事現場のおっさんに一杯やろうって言われてちょっとだけな。」
チョルンの肩にもたれかかるソヌ。
「どうした、めまいか?」
「いや…別に…。」
「無理してるんじゃねぇか?」
「明日、アイコンパックが発売されたら、会社を辞めるの。」
「会社辞めたら、ちゃんと入院して治療を始めろよな。返事は?」
「チョルン、骨髄の提供を受けられなければ、治療なんて意味ないわ。役にも立たない希望にはすがりたくないの。」
「なんだそれ。諦めるつもりか?」
「私は貧しいの。薬物治療なんかするお金なんてないの。」
「心配するな。俺が何とかする!」
「治療が始まったら、とても辛いことになるわ。私だって大変だし。あなただって大変よ。どうせ死ぬんだったら、きれいに死にたいの。」
「お前、どうしてそんな酷いことを俺に言えるんだよ!頑張ればいいじゃないか!最初からあきらめるのかよ!」
「死ぬのは私だって怖いわよ。夜中に何度も目を覚ますくらい怖いわよ。だからって生きることに執着する気もないし。私このままがいい。本当よ、チョルン。」
哀しい表情でソヌを思わず抱き締めるチョルン。

 夜、ジェヒョクの家にオ・ハニョンがやってきて、ジェヒョクに書類封筒を渡す。
「キム・ユニに関する調査結果です。あのウ・スンヒが偽物だということはキム・ピルチュン会長も知っていたようです。キム・ピルチュン会長はパク運転手を使って、こっそり本物を探していたようです。」
「やっぱりそうか…。」
「調査を続行しますか。」
「ああ、続けてくれ。本物が誰か明らかになるまで。」
「明日はアイコンパック発売日なのに…。こうも雨が降っていたんじゃ、躓きの元ですね。」

 雨脚は一層強くなり、部屋にいるキム・テヒも外を気にする。
ソヌもまた部屋から空模様を気にしていた。

 翌日のアイコンパック発売日。
やはり、朝から激しく雨が降っている。
朝からチラシを配ろうとするが、通行人は足早に通り過ぎて行くだけである。
ソヌは先輩社員に声をかけ、「人が会社に集まってこないのなら、私たちが人の多い場所に行けばいいだけのことですよ」とチラシを持って移動する。
 ハンバーガーショップに行ってソヌが大声で宣伝する。
「今日、アイコンパックが発売になりました。会社の方で端末をお配り致しますので是非当社にお越しください!」
更に地下鉄の駅なども回って端末を見せながら宣伝を続けるソヌ。
ジェヒョクが「無理はよせよ」と引き止めるが、「重要なのは式典に人を集めることでしょ?」と言って手を休めない。
ソヌに触発されて、ジェヒョクも雨の中、積極的にチラシを配り始めた。

 結果、代理店に問い合わせが殺到。
オ・ハニョンもイベントが成功したとキム・テヒ会長に報告する。
事務所には契約の申し込みが殺到していた。
それを見届けたソヌは辞表を持って会長室に行った。
「どうしたの?」
「お別れの挨拶に来ました。怒っているのは知っています。辞める前に怒りを解いてもらおうと思ってはいましたが、力不足でした。」
「イ・ソヌさんが私に何を出来るの?自分で凄い人のように思っているようだけど、錯覚しないで。あなたは私にとって何の意味もない人。あなたが何をしたって変わりはないわ。用がすんだら帰って。」
「どうもすみませんでした。それと長い間いろいろありがとうございました。」
辞表を置いて帰るソヌ。

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 ソヌはオ・ハニョンに置手紙を残していた。
それを渡すオ・ハニョン。
「チーム長。挨拶もないまま去る失礼をお許しください。アイコンパック発売イベントが成功して何よりです。おかげさまで喜んでお別れすることが出来ました。この会社で出会った人々のことは私にとっては佳い思い出です。長い間ありがとうございました。」

ジェヒョクは会長室に行った。
「イ・ソヌさん来た?」
「ええ。辞表を出して辞めて行ったわ。」
「なんだって?」
「あなたに言ったわよね?イ・ソヌはアイコンパックが出たら会社を辞めるって。」
「それで、辞表を受け取ったのか?」
「受け取らないわけにいかないでしょ。心配しないで。アイコンパックの功労者なんだから、がっかりさせないように退職金はずんどいたから。」
「ソヌさんに酷いじゃないか。今回のアイコンパックの件では誰よりも一生懸命にやっていたのに。ソヌさんがいなかったら、成功してなかったぞ。」
「過大評価よ。イ・ソヌがいなくたって、アイコンパックは出せたわよ。」
「ああ、出せたとも。あと、1,2ヶ月は遅く、よその会社に先起こされた上でな。そんな公私のけじめもつけられない人間だったのか?キミは。」
「イ・ソヌがいなくなって、そんなにさびしい?」
「テヒ!」
「もう行ってよ!」
「何だと?」
「そんなにイ・ソヌがよければあなたも辞表出して会社辞めなさいよ。さっさと消え失せてよ!あなたがいなければ私が何もできないとでも?結構よ。一人でも立派にやっていけるわ。あなたがいたところで居心地が悪いのは同じだから。」
「本当に俺がいない方がいいワケ?」
「消え失せて!」
あまりの冷たく利己的なテヒの発言に呆れて会長室を出るジェヒョク。

 家へ戻る道で石段を登るソヌ。
登ったところでウ・スンヒに出くわす。
「お久しぶりね、イ・ソヌ。あんた、チョルン兄さんと結婚する気?」
「何?」
「まだ、あんたに話していないんだ。…チョルン兄さんはあんたと結婚するって言っていたわよ。あんた、結婚する気?」
「そんなこと言いにここまで来たってわけ?」
「答えなさいよ!」
「呆れてものが言えないわ。」
「チョルン兄さんは本気よ!あんたと結婚するって。」
「私は結婚なんてできる状況じゃないの。」
「まだ、チャンチーム長に未練があるのね。正直に言いなさいよ!いったい、アンタが好きなのは誰なのよ!チョルン兄さんなの?チャンチーム長なの?」
スンヒが胸ぐらをつかんで問いただそうとすると、ソヌは崩れるように倒れてしまった。
 焦ったスンヒは慌ててソヌを家に連れて行き、寝かせた。
「大丈夫なの?薬買ってこようか?」
「かばんの中に薬があるわ。それを出して。」
「あ、分かった。」
薬を出してソヌに飲ますスンヒ。
しかし何の病気か気になる。
薬の名前をこっそりメモって、知っている薬局で見てもらうと薬剤師は「これは白血病の薬ですよ」という。
そこでソヌが白血病で長くないことをスンヒは知ってしまった。

 テヒの家ではスンヒの『義母』が暇で暇でならず、部屋で演歌を聴くのにも飽きて、台所に出てきた。
台所では家政婦が洗った皿を拭いていた。
「まだ終わらないの?」
「もうすぐ終わりますよ。」
「あ~あ、一人でいるのが暇で暇で…。」
「本を読むとか、庭で体操するとか、他にやることあるでしょうに。ずっと部屋にいるから退屈なんですよ。」
呆れて意見する家政婦。
ムッときたスンヒの母は「私が部屋にいると邪魔なわけ?」などと突っかかる。
「はいはい、不満なんかありませんよ」と鬱陶しそうに対応する家政婦。
「高々女中が高尚ぶらないでよ!」
スンヒの母のこの一言でキレる家政婦。
「何よ、いつもいつも私のこと『女中』って呼んで!失礼しちゃう!」
「女中に『女中』といって何が悪い!」
二人がけんかになっているところに声を聞いたキム・ヒョンジャがいらいらしながら出てくる。
「何やってるの、もう!」
家政婦は「いえ、何でもありません」というが、スンヒの母は「2階が暇だったから、こっちに…」と答える。
「テヒが夜食ぐらい出してあげなさいっていうから、二階を歩きまわるのは大目に見てきたけど、1階の仕事を邪魔するのはやめてくださる?」
キム・ヒョンジャはスンヒの母に文句を言う。
スンヒの母はいらいらしながら部屋に戻る。
そこにスンヒが帰ってくる。
「母さん、一体どうしたの?」
「どうもこうもあっちに行っても小言、こっちに行っても小言。文句ばっかり言われて、アタマにきちゃう!」
「もう少し我慢してよ、なに子供みたいなこと言ってるのよ!」
「我慢って…アタシが婆になって死ぬまで?」
「ソヌが白血病ですって。あと何カ月かの命だそうよ。」
「ソヌが死ぬって?どうするのよ。」
慌てる母親をスンヒが御馳走するといって、外に連れ出した。
それを物陰から見ていたファン・グット。
「店を売り払ったとは聞いておったけど、ここにおったんか…。」

 ソヌはチェハ通信を辞めた退職金でお婆さんやパク運転手、ヨヌン、チョルンに今までお世話になったお礼として服を買ってあげていた。
靴屋のショーウインドーで亡き父に買ってあげたのとそっくりの靴を見たとき、父のために靴屋で下働きをして靴を買ってあげた子供の頃のことを思い出した。
家に戻るとそれを家族一人一人に渡した。
「アイゴー、お金もないくせしてこんなものを買って…。あたしゃ、汗っかきだからね。こんな素敵な夏服を買ってくれたんなら、この夏は涼しく過ごせるね。」
手放しで喜ぶお婆さん。
チョルンは試しに着てみようといって買ってもらった服を持って部屋に入る。
しかし、辛さから着ないで涙ぐむ。
部屋の外からソヌが「どうかしら」と尋ねると「ぴったりだ、ありがとう」と着ているふりをする。

 ソヌがお茶の間に戻り、お婆さんやヨヌンと雑談をしていると、ファン・グットから電話がかかってきた。
「今、シンチョン(新村)駅じゃ。話があるけぇ、出てきてくれんかのう?」
呼び出されるイ・ソヌ。
しかし、駅まで来たところでめまいからうずくまってしまう。

 夜、ヨヌンには突然の電話。
しかし、かけてきたのはユン・ソジュン。
「ヨヌンさんの声が聞きたくって…。」
ソヌは家に電話をしたが、このソジュンの電話のせいで話し中。
かけ直そうとしたところで、そのまま倒れてしまった。

 ソヌが倒れたことを知らせる電話はなんとジェヒョクのところにかかった。
病院に駆けつけるジェヒョク。
ファン・グットはソヌが倒れて病院に運ばれたことも知らず、シンチョン駅の古い駅舎の前でたばこを吸いながらひたすら待っていた。
あまり待たされたファン・グットは思い余ってソヌの携帯に電話をする。
意識のないソヌの電話を代わりにとったのはジェヒョクだった。
「もしもし…これ、イ・ソヌさんの携帯じゃろ?」
「そうですが…。」
「イ・ソヌさんに電話を代わってくれんかのう?」
「今、イ・ソヌさんは電話に出られない。用件は伝えます。どなたですか?」
「わしか…。わしはクッパ屋におって昔イ・ソヌを育てた…。」
「まさか…ファン・グットさんでは?」
慌てて電話を切るファン・グット。
「ソヌは結婚しとるんか!?」
ジェヒョクは探していたファン・グットからの電話だったことで少し驚いていた。

 チョルンはその頃父の病室にいた。
意識不明の父に言う。
「父さん!俺はソヌと結婚するつもりだ。許してくれないか?でもさ、ソヌが重い病気なんだよ…。俺が横にいないとどうにもならねぇ…。」
「う…うう」
急にうめく父・パク運転手。
「父さん!気が付いたか!俺だ!パクチョルンだ!」
目を開き、チョルンの顔を見るパク運転手。

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第32話

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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第全話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第32話

ガラスの靴 第32話
 ウ・スンヒが指輪を落としたことで指輪を取り戻したイ・ソヌ。
「あのとき指輪は出て来なかったって言っていたわよね。どこで見つけてきたのよ!」
ソヌの追及に「あ…お母さんが店を売って片づけたとき出てきたのよ」と誤魔化すスンヒ。
スンヒはソヌと別れて一人になるや「指輪…どうしよう!」と焦ったのだった。

 チャン・ジェヒョクは部下のオ・ハニョンから秘密調査の結果を聞く。
「パク運転手の事故とキム・ユニの電話との間には深い関係があることが考えられます。」
それが調査報告の結論だった。
「あと、パク運転手に会ったというファン・グットなる人物のことは?」
「行方不明で、目下探しているところです。」
「キム・ユニにバレないように引き続き探すように。危険な女だ。我々が調べていることが分かったら何をしでかすか分からないからな。ハッキリとした証拠をつかむまでは隠密行動で。」
「分かりました。」
「…ああ、パク運転手が意識を取り戻してくれたらなぁ…。」
ため息をつくジェヒョク。

 その頃ソヌはパク運転手のお見舞いをしていた。
眠ったままのパク運転手にソヌが言う。
「おじさん…、私ね、ついに指輪を見つけたのよ。気分がとてもいいわ。これからいいことが起こりそうで…。

 病院にやってきたパク・チョルン・ヨヌン兄妹とお婆さん。
ヨヌンはあきれ顔で「デートをすっぽかしたって?何やってるのよ!」と兄貴にお説教中。お婆さんにまで「もう喧嘩は止めたはずじゃなかったの?」と追い打ちをかけられ、たじたじのチョルン。
「違うよ!ヤクザに戻ったんじゃなくて、助けてくれって頼まれて助けに行っただけさ!」と弁明するも旗色はよろしくない。
病室の入口でソヌと会う3人。
「なんだい。体もよくないのに無理して。」
お婆さんに言われ、答えるソヌ。
「先週は忙しくて1回も来れなかったから…。お婆さん、来週は会社で大きな会議があるの。準備もあるからこれで失礼するわね。」
「無理するんじゃないわよ。」
ヨヌンにも挨拶し、チョルンを無視するソヌ。
「許してくれるかな…。」
不安になるチョルンにヨヌンが言う。
「それはお兄ちゃん次第よ!早く追いかけなさいよ。」
慌てて追いかけるチョルン。
「すまん!すまん!ソヌ!」
「どこの誰ですかね~~。また喧嘩したんでしょ?私は言ったはずよ。今度喧嘩したら口を利かないって。」
「違うよ!組長…いや、知り合いが悪い奴に襲われて命を狙われていたから助けに行ったんだよぉ。男が助けてくれってすがられたら無視はできないだろう。じゃぁ、なにか?俺が、助けてくれって言われて無視する卑怯者になれとでも?ヤクザに戻ったんじゃねぇ。ただ、避けようのない事情だったから、行くしかなかったんだってば。天に誓うよ!親父にも誓うよ!」
チョルンの必死の言い訳にソヌがようやく口を開く。
「薬塗った?」
「お祖母さんがぬってくれた。」
「骨は折れてないの?」
「折れてない。…許してくれるのか?」
「今度こそ最後よ。今度喧嘩してみなさい。絶交だから。」
「分かったよ。もう喧嘩しないから。」
「じゃあ許してあげる。昨日デートできなかった分、今日しよ!」
ヒャホ~~イ!と歓喜するチョルン。

そして2人でちょっと高級そうな中華料理店へ。
でも食べるのは庶民的にジャージャー麺だが。
そしてゲームセンターでエアホッケーとラフティングのゲームをし、カラオケにも行く。
たっぷり楽しんだ帰り道。
「今日は気分いいなぁ…毎日こうならいいのに。今度は映画でも見るか?スタクとヨヌンをつれて…」とチョルンが言っていると急によろめくソヌ。
ふらふらするソヌの手を引いて、将来子供たちに今日のデートのことを言おうといっても無反応なソヌを見て心配になるチョルン。
「どこか悪いのか?」
「別に…」とソヌがごまかすがチョルンの目はごまかせない。
「どうもおかしいな…。急にデートしようというし、ゲームセンターなんかお金がもったいないっていつも言っているくせにゲームセンターで遊ぶし。何かあったんじゃないか?」
「そんなことないって。今までほとんど遊ぶことなんてなかったから、急に遊んでみたくなっただけ。今日は楽しかったわ。一緒に遊んでくれてありがとう。」
「俺が遊んでやったんじゃなくて、お前が遊んでくれたんじゃねぇか。」
「私はここから一人で帰るわ。さようなら。」
「ソヌ!お休み!」
明るくソヌを見送るチョルン。
しかし、一抹の不安は隠せない。

 ソヌは一人借りている部屋に帰った。
そして子供のころからの習慣でポケットの小銭をガラス瓶に貯金した。
会社で発表する企画書を眺め、そこからポロリと出てきた辞表を眺める。
ジェヒョクに突っ返された辞表だった。

 キム・ユニの家ではウ・スンヒの母(義母ということにされている)に気を遣い、家政婦が果物をむいて持ってくる。
何の気も遣わず、花札で遊びながらそれを食べる無神経なウ・スンヒの母。
ウ・スンヒの母は家政婦に尋ねる。
「お一人になってどれぐらいたつんですか?」
「20年ぐらいね。」
「まぁ、お一人で女中暮らし20年?お可哀そうに。」
余計なことを言うウ・スンヒの母の相手をしない家政婦。
なのに更に「一人でさびしいのならお酒など飲まれたらよろしいのに」とお節介を焼く。
家政婦は完全に無視し、聖書を読み上げ始める。
対抗して花札をやり「ほれ!役が出来たぁ!」と叫ぶウ・スンヒの母。
「うるさい、黙れ」と吠えられない家政婦は更に大きな声で聖書の一節を読み上げるのだった。
やってられなくなったウ・スンヒの母、トイレ!といって部屋を出る。そして屋敷の中をうろつき、台所に入って、つまみ食いをする。
そして、冷蔵庫の中にビールがあるのを見つけて飲むのだった。
 それを見咎めたのは口うるさいキム・ヒョンジャ。
「このおばさんときたら、夜中に何やってるの!」
盗み食いを責める。
その騒ぎにテヒが出てくる。
「なんなの?」
「アンタも自分の目で御覧なさいな。このおばさんが何をやっているのか!」
またもや金切り声をあげるキム・ヒョンジャ。
呆れて言葉を失うウ・スンヒ。
仲裁するテヒは「明日からこのおばさんの夜食を準備するように家政婦さんに言って!」とスンヒに命じた。
キム・ヒョンジャもテヒもいなくなると顔をゆがめてスンヒが言う。
「アイゴー!母さんのせいで大恥かいちゃったじゃないの、もう!」

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 翌日のユン・ソジュンのレストラン。
キム・ヒョンジャはソジュンの幼馴染で大学講師のチェ・ミニョンを連れてやって来る。
「ソジュンを呼びなさい!」
「社長は外出中です。」と答えるマネージャー。
そのソジュンは大きな果物かご2つを抱え、パク運転手の病室にお見舞いに来ていた。
「おじさんの具合はどうだい?」
「怪我は治って来たんですが、意識が全然戻らなくて。」
「うちの母のせいで、怒ってるでしょ?」
「大女将がああいう態度に出るのは分かるわ。分かるけど、簡単に答えられる問題じゃないわね。」
「母さんが怖いのか?」
「怖くはないけど、複雑な気分ね。いつも『運転手の娘』ってののしるのはちょっと傷つくわね。たぶん社長のお母様には分からないでしょうね。」
「困ったな…。これからもうちの母さんのせいで気分を害しそうだな。でも我慢して俺のことをあきらめないだろ?俺だって決めたんだ。ヨヌンさん一人を愛するって。だから、キミも諦めるな!俺たち、おじさんの前で約束しよう。」
にっこりするヨヌン。

 そして2人で仲良くレストランに出てくる。
待っていたキム・ヒョンジャが文句をつける。
「本当に親の言葉を聞かない子だねぇ。」
「ここの責任者は俺だ。俺がよかれと判断してやってんだよ。子供扱いするなよ。」
「全くこの子ったら!」
「母さん、もう店に来て邪魔するのはやめてくれ。母さんがこういうことばかりするんなら店をたたんで遊び人に戻るよ、俺は。」
「何ですって!」
ソジュンを殴りつけるキム・ヒョンジャ。

 パク運転手の看病はお婆さんと交代。
そこにチョルンがやってくる。
「父さん。俺だよ。これから仕事だ。今度来るときは下着買ってくるよ。それまでに意識を取り戻してくれよ。」
チョルンは病室にある果物を見つける。
「ん?これは?」
「あ、ヨヌンが働いているレストランの社長さんがお見舞いで持って来たんだけど、誰も食べないからね。持って帰って、ソヌにでもあげてよ。」

 チョルンが病室を出て、受付に行くと、そこにイ・ソヌの姿が。
「ソヌ!」
声をかけるがソヌは気が付かず、すたすたと行ってしまう。
そして、病院の廊下で医者に呼び止められているところを目撃する。
「イ・ソヌさん、体の具合はいかがですか?」
「あまり変わりません。」
「骨髄移植リストにあなたの名前を入れておきました。骨髄が一致する人は探しているのですが、まだ見つかりません。探すのに時間はかかりますから、とりあえず薬物治療から始めませんか?」
「いいえ。今忙しいから無理です。」
「イ・ソヌさんは病人なんですよ『白血病』は突然悪化するんですから。そうなったら、1か月だってもちませんからね。」
『白血病』…その言葉を立ち聞きしてしまったチョルンは持っていた果物の袋を落としてしまった。
「お…おい…これはどういうことだ。ひと月で死ぬだと?誰が?ソヌのことか?」
「出ましょう。私が説明するから。」
「お前は黙ってろ。お医者さんに直接聞くから。言ってください。ソヌはどこが悪いんですか?」
医者は難しい顔をし、しばらくだまってから口を開いた。
「イ・ソヌさんは白血病です。急性で時間はもうあまり残っていません。今のままならば余命はあと2,3ヶ月というところでしょう。」
「笑わせるな。医者がそんな悪い冗談…言うべきではないでしょ!」
「今すぐ入院して、薬物治療をすべきです。さもなければ、長くはないでしょう。」

 夜の公園でうなだれるチョルン。
「もう遅いわよ。早く帰りな。」というソヌ。
「やっぱ、おかしいと思ったんだよ。お前が俺とデートしたいって言ったのも、あの日普通ならやらないようなことをしたのも。なのに俺ときたら、ソヌの気持ちをつかんだと有頂天になって遊んじまった。まさかこんな悲惨な理由があったとは…。俺が可哀想だと思ったのかよ。それで残り少ない時間を俺のために使ったのかよ。」
「そんなんじゃないわよ。」
「だったら?」
「今まで辛く生きてきたから、楽しくやりたいと思って。自分のことが哀れでならなかったのよ。」
「こんなのは現実じゃねぇ!藪医者の勘違いだ!他の病院に行ってみてもらおうぜ!」
「もうやめて、チョルン。」
「お前が死ぬはずねぇ!俺が生きてるのに、お前が死ぬはずがねぇ!」
「もうやめて!私怖いの!死ぬのが怖いの!」
泣きながら言うソヌをチョルンは抱きしめた。
「俺を信じろ!このままでは済まさねぇ!」
そして自分の部屋で一人になったとき、枕に顔をうずめてチョルンは泣くのだった。
ソヌは一人で眠れない夜を過ごし、取り戻した指輪を握りしめた。

 翌日、会長室のテヒを訪れるソヌ。
企画書を渡し、ソヌは挨拶する。
「会長と2人で作ってきたアイコンパックの企画書です。これまでアドバイスもくれたし、私のことを認めてくれたこと、とても感謝してます。最後まで会社にいてお手伝いしたかったのですが、それは難しいようです。アイコンパックが無事に発売されたら会社を辞めます。会長のことが大好きでした。どうぞお幸せに。」
「…私とチャンチーム長のために身を引くの?」
「それが理由なら、もうとっくに辞めてます。」
「じゃぁ、なんで突然会社を辞めるっていうの?」
「他に行くところが出来ました。」
まさか『天国へ』とは言えないソヌ。
「どこの会社?」
「とても遠いところです。では、失礼します。」

 会社の会議室で外国人バイヤーの前でプレゼンをするソヌ。
「携帯電話で世界中のインターネットにつなげる新しいサービスです。わが社はこれでモバイル市場に打って出ます…。」
白血病のめまいのためなんども倒れそうになりながら、それをこらえてプレゼンを続けるイ・ソヌ。
説明を聞いたバイヤーは好意的に受け止め、「社内で真家向きに検討させていただきます」と答え、企画書を受け取った。
立っているのがやっとだったが、何とかプレゼンを乗り切ったソヌは廊下で母の形見の指輪を取り出して眺める。
そこにやってくるジェヒョク。
「あのう…何か失敗してませんでした?」
ソヌが聞くとジェヒョクは「いや、立派だったよ」と答える。
外国バイヤーの社長は大喜びで、必ずいい結果を得られると答えたという。
「…ところで…、顔色が悪いけど、どっか悪いの?」
「緊張したからでしょ」と誤魔化すソヌ。
「この事業が成功したら、正社員に昇格させるからね」というジェヒョク。
「そんなに気を遣わないでください。何かを達成できて、認められて…。」
「本当にお疲れ様。」
慰労するジェヒョク。

 何日もたたずに気に入られた外国バイヤーとチェハ通信はアイコンパックの契約締結式を行った。
サインは会長であるテヒが行ったが、立役者はソヌである。
だが、テヒはソヌのことを無視して行ってしまった。

 ソヌが行っている病院に行き、担当医から話を聞くチョルン。
「ソヌを助ける方法はないんですか?」
「骨髄移植しかありません。どなたか御家族がいれば、どうにかなるのですが、イ・ソヌさんの場合は家族がいらっしゃいませんからねぇ。」
「俺の骨髄を検査してください。一致しなければ、周りの人も連れてきますから。」
「そんな簡単な問題じゃないですよ。」
「ソヌを助けてください!あいつは可哀想な奴なんです。」
土下座までするチョルン。

 アイコンパック発売に向けて会議や打ち合わせが進むチェハ通信。
ソヌは残された命の火を燃やし、積極的に参加する。

 一方、チョルンは工事現場で落ち込んで作業に身が入らない。
そのチョルンを密かに監視していたのがサンパンウル一家だった。
この間イ・インス組長を襲ったとき助っ人でやってきて酷い目にあわされたため、報復の機会をうかがっているのだ。

 会長室ではチン秘書室長とキム・ヒョンジャは2人っきりで会社乗っ取りの密談をしていた。
「アイコンパックは来週発売になります。」
「今回の事業で取引先と上手くいけば、テヒ嬢は経営者として社会的にも認められることでしょう。」
「で、これからどうするの?」
「奥様の分を加えても持ち株は32%ってところですね。」
「ひっくり返せないの?」
「ソジュンが私たちの側に回らないと無理ですね。」
そこへやってきたテヒ。
チン室長は何事もなかったかのように「ああ、会長、いらっしゃいましたか!」と会い層を振りまく。
「叔母さんが何で会社に?」
訝しがるテヒ。
「来ちゃいけないっていうの?」
「用もないのにうろうろされたのでは社員の仕事への妨害になります。」
「私だってこの会社の株を5%保有する株主なのよ。あんたがどう会社を運営しているのか報告を受ける権利のある人間よ。」
「もう報告ならチン室長から受けたでしょうから、私から言うことはないですね?具体的に知りたいことがあれば、来週株主総会がありますから、そこに出席して話を聞いてください。」
冷たく事務的な言い方に目をむくキム・ヒョンジャ。
その場を取り繕おうとジェヒョクが「会長は今度出すアイコンパックの件で疲れているんです。どうか叔母様はご理解の上、今日はお引き取り下さい」という。
それに反発し、「私は財産を持っていて、お前たちを追い出す力は充分にあるの。分かってるわね!」と挑発的な捨て台詞を言って会長室を出て行く。
「チン室長も出て行って!」
テヒもこの二人の陰謀にうすうす勘づき始めている様子だ。
2人がいなくなってジェヒョクと2人きりになるとにやりと笑って言うテヒ。
「演技うまいわねぇ…。本当にあの二人のことを心配しているように見せかけるんだから。ま、私をだまし続けた人だから、これぐらい簡単か…。」
「俺の気持ちを真実かどうか疑うのはキミの自由だが、そうやって周りの人たちを憎み続けていたら、辛くなるのは俺じゃなくてキミだぞ。」
「私の心配をするふりなんかして。」
「会長との約束だ。キミを守るって。キミを幸せにする…その会長との約束をただ守りたいだけだ。」
「もっと早くそういう決心をすればいいのに。私もそうしたら、何も言わなかったわ。…イ・ソヌがうちを辞めるんだって。私のところに来て直接言ったわ。勿論私は引き止めないわ。」
「何で俺にそれを言う?」
「反応が見たかったのよね。あなたがイ・ソヌをつかまえるかどうかもね。」
「いい加減にしろ。キミの気持ちは分からないでもないが、こんなスタイルはキミには似合わない。これ以上がっかりさせるなよ。」
顔をしかめて会長室を出て行くジェヒョク。
完全に孤立してしまったテヒ。
もはや心を許せる味方はいないのか?

 夜の会社のロビーにはチョルンが来ていた。
チョルンはエスカレーターで降りてきたソヌに声をかけようとするが、柱の陰にジェヒョクがいるのを見つけてしまう。
が、結局ソヌはチョルンと帰り、夜の公園のベンチに座る。
「…死ぬってどういうことなのかなぁ。私が死ぬ日なんて遠い未来だと思っていたのに。だから考えてみたこともなかったわ。死ぬ準備なんてどうやってすればいいのか分からない。」
「つまらねぇこと考えるな!何でお前が死ななくっちゃならねぇんだよ。」
「やりたいことがいっぱいあるのに。こんなに早く終わりが来るのならやりたいことを全部やっちゃえばよかった。くやしい。」
「今からやればいいじゃねぇかよ。何がやりたい?」
「海に行きたい!」
「海だって?」
「実は私ね、海に一回も行ったことないの。子供の頃はクラスの子たちが海に行って真っ黒になって帰ってきたのがうらやましくって。それで思ったの。好きな人が出来たら、海に連れてって言おうと思って。そう思って今まで我慢してきたの。…チョルン、あなたと海に行きたい!」
「そうか…じゃ、行こうか。明日日曜日だからな。」
「私のことがお荷物になっているでしょ…ごめんね。一つだけ約束してくれる?私のために泣かないで。私のことで胸を痛めないで。私はチョルンのために生きている間チョルンのために頑張るから。」
泣きそうになるのをこらえて言うチョルン。
「誰が泣くだと?俺は男パク・チョルンだ。」

 翌朝、海でのデートのためにいそいそと化粧をするイ・ソヌ。
同じ日の朝早くチョルンはジェヒョクの家に押し掛ける。
「いったい何の用何ですか?」
ジェヒョクに切符を渡すチョルン。
「カンヌン(江陵)行きの汽車の切符だ。ソヌが海に行きたいってよ。」
「え?何だって?」
「聞こえなかったか?ソヌが海に連れて行ってほしいってよ。子供の時から海に行くのが望みだったそうだ。俺だって喜んで譲っているわけじゃないんだからな、誤解するなよ!俺はただ、ソヌに幸せになってほしいだけだから。…早く行けよ。ソヌを待たせるなよ。」
「俺はソヌとの関係を終わらせ、他の女性と結婚することにしたんだ。」
「そんなの関係ねぇ!今日は何も言わずにソヌと行ってくれ!頼む!ソヌの最後の望みなんだ!」
「いったい何なんだ?わけが何かあるのか?」
「ソヌは…重い病気だ。もうすぐ死ぬかもしれないんだ!」

 雨の中チョルンを待つソヌの前にジェヒョクがやってきた。
そしてソヌを抱きしめる。
「何で俺に何も言わなかったんだ!どこまで俺を悪役にすれば気が済むんだよ、ソヌさん。」
「チーム長!」
「もういいんだよ!俺から去る時、幸せな姿を見せてくれたら、それで十分に幸せだって言っていたよね?だから頑張ったんだ!ソヌさんを傷つけまいと。なのになんだよ!もうソヌさんから離れないよ。絶対に離すもんか!」
それを聞いて雨に打たれながら両眼から涙をこぼすソヌ。

 ソヌの本当の意中の相手はジェヒョク。
だから残り短いソヌの命のために身を引いたチョルンはそのまま病院へ行った。
そして、父・パク運転手が未だに目を覚まさず眠っている病室にやってきて、父の眠っている姿を一目見ると、病室前の廊下の椅子に座る。

 雨の中ジェヒョクに言うソヌ。
「私一人身を引けばみんなが幸せになれると思ってました。」
「違う。俺がそばにいるじゃないか!だから、これからもそばにいてくれよ。」
「それはできません。私がチーム長についてくと寂しがる人がいるじゃないですか。私が辛いときいつも寄り添ってくれていた大切な友達です。その友達のために私はまだ何もしてあげてません。その友達を傷つけたくないんです。チーム長、大好きです。後悔なく愛しています。でも私の残された時間はその友達にあげたいと思ってます。私しか見てないその馬鹿な友達のために。どうか私の病気のことは忘れてください。残された時間を楽しく過ごすためにも。」
そういってソヌはジェヒョクを抱きしめる。

 チョルンは夜一人ぼっちでとぼとぼ歩く。
ふと気が付くと道端にソヌがうずくまっていた。
「お前、何でここにいるんだよ。海に行ったんじゃなかったのかよ。」
「あなたこそ何よ。約束しといて、人を待たせるなんて。」
「ソヌ。おまえ…。」
「もうこんなバカみたいなことしないでよね。二度と詰まらないことしないで。私はあなたと海に行くっていったのよ!何でチーム長に譲るのよ。」
チョルンを抱きしめて言うソヌ。
「…ごめん。」
「私から去らないのなら、何でこんなことするのよ。」
「ごめん。…もう二度とこんなことしないから。」

 孤独なソヌは部屋で一人、指輪と父の遺影を眺めている。
ため息を一つついて部屋を出て行くと、スンヒの部屋からにぎやかな声が。
覗くと、スンヒの『義母』がスンヒの耳掃除をしていた。
「ああ、母さんが来てくれたから、気が楽だわ!」
「あたしがお腹を痛めた子だよ!あたりまえじゃないか!」
そうやってじゃれあう2人。
あれ?あのおばさんは『義母』ではなかったのか?
首をかしげるキム・テヒ。

 ホームレスになって道端の吸い殻を拾って吸っているスンヒの元義父・ファン・グット。
ふと見ると、家へ向かってとぼとぼ歩くイ・ソヌを見つけた。
思わず後を付ける。
その怪しい人影を見つけたソヌが誰かと尋ねる。
「わしじゃ!」
ファン・グットを見て驚くイ・ソヌ。

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第31話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 
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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第全話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第31話

ガラスの靴 第31話
 パク・チョルンの目の前で倒れるイ・ソヌ。
チョルンはソヌを部屋に運び込み介抱する。
しばらくして気が付くソヌ。
「ダメだこりゃ。病院に行かないと…。」
「大丈夫…。少し寝ていれば…。」

イ・インスがチャン・ジェヒョクの家を訪ねてやってきた。
「久しぶりだな。」
「俺のために苦労かけたな…。」
「苦労ってほどのものじゃないさ。」
「中へ入ろう。」
「さっき、キム・テヒさんが来た。すでにジェヒョクのことをあれこれ知っているらしい。それで、本当のことを正直に言った。」
「そうか…どの道バレるだろうからな。それがあって来たのか?」
「それもあるが、別れを言いに来たんだ。お前さんのことをそばで助けるなんてことできないだろうし、いい加減足を洗おうかと思ってな。お前さんもそろそろ終わりにしたらどうだい?でも死ぬまで友達だから、お前さんが困ったときはいつでも駆けつけるよ。」
握手をしてイ・インス組長は去って行った。

 ジェヒョクがソヌの携帯に電話をする。
しかし電話を取ったのはチョルン。
ソヌが寝ているからだ。
「誰だ。電話をかけたら名乗れよ!」
「チャン・ジェヒョクだ。今、イ・ソヌさんが横にいるんだろ?」
「この野郎!二度と近寄ってくるなって言ったろ!なのに何で電話なんかしてきやがった!ソヌをつけまわしてうろうろしやがって、テメエ、変態か?」
「ソヌさんと話がしたい。変わってくれ。」
「ソヌは病気だ。テメエのせいで倒れたんだぞ、この野郎!二度と電話なんかしてくるんじゃねぇ!」
チョルンが切ろうとする前に布団から手が伸びで、ソヌが電話に出る。
「私です。チーム長。」
「だいぶ具合が悪いのか?」
「私は大丈夫です。それよりテヒ姉さんは大丈夫ですか?誤解は解けましたか?」
「誤解なんて別にしてないよ。ソヌさんのせいなんかじゃない。僕のせいで怒っているんだから。テヒを見送ってから戻ったら、ソヌさんがもういなかったから。それが気になって電話したんだよ。元気になってくれよな。」
そうして電話を切るソヌ。
ジェヒョクとソヌの間に割って入れないものを感じるチョルンは一抹の寂しさに顔をゆがめるのだった。

 翌朝、ウ・スンヒはチェハ通信本社にやってきて、チャン・ジェヒョクと同じエレベーターに乗り合わせる。
「昨日の晩、テヒ姉さんに黙ってイ・ソヌと密会したんですって?しっぽが長ければ踏まれないようにしないとね。」
嫌味を言うスンヒに言い返すジェヒョク。
「もっと頭のいい女だと思ってたら、そうでもないようですね。」
「なんですって?」
「会長が亡くなって日が浅いのだから、おとなしくしているかと思ったんですけどね。ユニさんはそれをお望みではないようですね。」
そういうとさっさとエレベーターを降りてしまった。

チーム長室に入るとジェヒョクに話しかけた。
「会長の交通事故の原因はパク運転手の運転中の何らかのトラブルが原因だよねr。」
「そう、聞いてますが。」
「事故が何だか怪しいんだよ。パク運転手は元々酒を飲まない人だったしな。何でそんな人が酒を飲んだか、しかも会長を車にお乗せするという状況でだ。それに酒を飲んだパク運転手がどこに行こうとしていたのか…。妙だろ?」
「何が気になるんですか?」
「どんなでもいい。パク運転手が会長を連れてあの晩どこに行こうとしていたのか?パク運転手が何故酒を飲んで運転したのか?調べられることはすべて調べてくれ。」
「分かりました。」

ウ・スンヒは会長室のテヒを訪ねる。
「うわぁ…凄い!テヒ姉さん、本当に会社の会長みたし!かっこいいわねぇ。」
「会社まで何のようなの?」
「お姉さんの仕事を見学したかったし、ちょっと話もあって…。」
「座って。」
「テヒ姉さん!エレベーターでチャン・ジェヒョクさんに会っちゃった。見れば見るほどムカつくわね。何を考えてるのか全く分からない人ね。しかも婚約までしといてソヌに会い続けるなんてさ。もっと強気に出て!会社でも家でもお姉さんがお祖父さんの代わりなのよ!チャン・ジェヒョクに姉さんが負けたら大変でしょ?」
「言いたいことはそれだけ?」
「私の話は聞きたくないのね。よけいなことを言ったんだったら、ごめんなさいね。」
「とにかく、この問題は私に任せて。」
「分かったわ。ところで、テヒ姉さんに会いに来たのは他にお願いがあったからなの。実は実家のクッパ屋さんでおばさんと住んでいたおじさんがいなくなっちゃったの。で、育ての母であるおばさんが行くところが無くなっちゃって困っているからこの機会に引き取って、一緒に住めないかな…って思って。」
「そうねぇ…。そういう問題は叔母さんに頼んだ方がいいと思うけど。いずれにせよ、うちの中じゃ叔母さんが一番の年長者でしょ?」
「そうね…。じゃぁ無理ね。叔母さんは私の言うことなすこと気に入らない人だから。」
「そんなにおうちに連れてきたいの?」
「おばさんは私にとっては母親同然の人だからね。」
「そう…。だったらそうしなさいよ。叔母さんには私が話をつけてあげるから。」
「ありがとう!お姉さん!」

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 女将のところにいってそのことを報告するスンヒ。
「え~~!?本当に一緒に住めるの?」
感激する女将。
「だから、私を信じなさいって言ったでしょ?」
誇らしげなウ・スンヒ。
「あとは、チャン・ジェヒョクとイ・ソヌさえ追い出せば、アタシの天下よ!」

 イ・ソヌはチェハ通信でアイコンパックの資料をコピーしていた。
仕事の最中に病院から呼び出しを受ける。
呼ばれるがままに診察室に入る。
「体の具合はいかがですか?めまいや鼻血はありませんでしたか?」
「前に何度か鼻血が出ました。めまいは最近になってひどくなってきました。何でそんなこと聞くんですか?」
「この間、風邪の悪寒で入院されたとき、血液検査をしました。単純な過労と栄養失調だと思っていたのですが、検査の結果他の病気が見つかりました。」
「他の病気ってなんですか?」
「白血病です。」
「急性で現在かなり進行しています。最善の方法は身近な親族から骨髄を移植することです。さもなければ…。」
「さもなければ、死ぬかもしれないんですね。」
「もし骨髄移植ができない場合は、早ければ3カ月、長くても半年の命でしょう。」
がっかりして病院を出るソヌ。
天涯孤独なイ・ソヌにとってはそれはまさに死亡宣告だった。

 チェハ通信会長室では重役会議が行われていた。
「来月から始まるアイコンパックサービスの進捗状況は?」
「技術面で課題があります。我々がアイコンパックを始めることを知って出資者が独占契約をしてくれている状態です。」
「来月始めるということで、もう宣伝もしているのに、まだ技術面に課題を残しているんですか?いったい何をやっていたんですか!」
テヒは仕事の進捗状況のことで激しくジェヒョクを責める。

 会議の後、ジェヒョクをチン室長が呼びとめる。
気が強いなどと色々陰口を言うチン室長にジェヒョクは口を慎めと制止する。

 テヒはイ・ソヌを呼びだそうとするが、電話交換台からは食事中でいませんとの返事。
そのソヌは会社前の公園でぼうっとしていた。
昼休みが終わって事務所に戻るソヌをテヒが呼びとめる。
「昼休み前から会社を抜け出して何やってるの!会社は遊び場じゃないのよ!」
激しく責めるテヒ。
「お姉さん…。」
「姉さんなんて呼ぶんじゃないよ!私は代表取締役会長、あなたは平社員。」
そこへ通りかかったチャン・ジェヒョク。
「会長からうちの部下が怒鳴られているなんて…。どういうことですか?」
「私のミスです。気になさらないでください。会長が私を探しているのに個人的事情で席に居なかったのですから私の過失です。以後注意します。申し訳ありません。」
庇おうとするジェヒョクに対し、ひたすら平謝りするソヌ。
「ソヌさんは事務所に戻りなさい。」
ジェヒョクがソヌを事務所に戻らせると、テヒが顔をゆがめて笑い、こういう。
「笑わせるんじゃないよ。」
「イ・ソヌさんはうちの部下です。上司が部下を管理するのと、会長が直接平社員を怒鳴りつけるのとどちらが笑わせる行為ですか。なんでそう突っかかるんですか。本来そういう人じゃなかったのに。」
「それはあなたと言う人を知らなかったからでしょ。あなたは私をだまし続けた。私はそれが許せないだけ。」
「それで周りの人に迷惑をかけるのはやめろ。」
「私が嫌がらせを終わりにすれば、あなたはまたソヌのところに行くんでしょ?お祖父さんは亡くなったし、チェハ通信も手に入れた。私なんて利用価値ないんでしょ?」
「ふざけたこと言うな!」
「よく聞きなさい!私は終わらせないわよ。結婚もするし、一生付きまとってやる。あなたが私を利用して苦しめたように私もあなたに同じことをするわ。」
「なら、俺の話もよく聞きなさい!俺は昨日の晩、イ・ソヌに会いたいなんて言わなかった。ソヌの方もテヒが会おうといってきたとあそこにやってきたんだ。その上お前まであそこにやってきた。おかしいとは思わないのか?」
「それってどういう言い訳?どういう嘘?」
「昨日の晩、お前に公園に行こうといったのは誰だ!あの御立派な妹のキム・ユニじゃないのか?お前に忠告したのもキム・ユニだろ?違うか?状況判断は正しくやれ。誰の言葉を信じるべきかよく考えろ。」
睨みつけて立ち去るテヒ。
怒りで冷静さを失っていた。

 廊下で呆然としているソヌにジェヒョクは声をかける。
「随分辛そうだね。なんで外出していたか、理由を話してくれるかな。」
「個人的事情です。」
「辛いことがあるのなら言ってくれよ。手を差し伸べられることなら手助けするから。」
「そっとしといてください。そうやって優しくされると余計に辛いんです。頼りたくなるから。そんなことしちゃダメでしょ。知らんぷりをしてください。チーム長が私にできることはそれだけです。それで全ての状況が変わりますから。」

 ユン・ソジュンのレストランはランチタイム。
家族連れが大勢やって来る。
早退するパク・ヨヌン。
マネージャーからお父さんの具合を聞かれ、少しずつ快方に向かっていると答えて帰ろうとするヨヌン。
 そこにソジュンの母親であるキム・ヒョンジャがやって来る。
「ソジュンは?」
「お友達との約束で外出中です。」
「丁度良かったわ。あなたに話があるの。」
ヨヌンを席に着かせ、話を続けるキム・ヒョンジャ。
「うちのソジュンはちょっと個性的な女の子を見つけるとすぐに声をかけるのよねぇ。最近ソジュンはあなたに関心があるみたいだけど、やけどしないうちに上手くお逃げなさいな。しかもうちのソジュンは後継ぎの息子なの。地方の農場の娘と結婚させるつもりよ。」
「身分をわきまえろってことですか?」
「それが分かるんなら頭の悪いコではにみたいね。」
「そういうことでしたら、直接社長におっしゃったらいかがですか?身分をわきまえるべきはむしろ社長の方でしょう。」
「なんですって?」
「社長を説得してください。そうしたら、私も考えを改めますから。父の看病のため祖母と交代しなくてはなりませんから、これで失礼します。」
席を立って、店の玄関まで歩いたところで、ソジュンがやってきた。
「病院に送ってあげようと思って、時間に合わせて来たんだよ。」
「結構です。大女将が向こうで待ってますよ。」
そういってヨヌンは病院に行ってしまった。

 病院でお婆さんと看病を交代するヨヌン。
「まだ目が覚めないのが心配よ」という祖母にヨヌンは「心配することないわ。そのうち気が付くわよ」と明るく言う。

 家でヒステリーを起こすキム・ヒョンジャ。
「プライドってものがないの?運転手の娘を従業員に雇ったですって?」
「やっと意中の人を見つけたんだ!」
「ダメ、アンタのフィアンセはチェ・ミニョン!」
「おれの女房だろ?母さんが頭を悩ますことじゃないだろう。」
「誰が『女房』ですって?」
「パク・ヨヌンさんですよ。俺は、妻に迎えたい。本気ですから。」
「母さんを死なせたければそうすれば?」
「母さん!」
「母さんって気安く呼ぶんじゃないわよ。私の希望はあなただけなの。アンタがこういう風にアタシに逆らい続けるんなら、アタシはこれ以上生きているつもりはないわ。」
「ヨヌンさんはいい人ですよ。」
「ダメなものはダメ!」
まるで子供が駄々をこねるような反対の仕方をする幼稚なキム・ヒョンジャ。

 工事現場の事務所にチョルン宛ての電話。
電話に出るチョルン。
「パク・チョルンです。」
「私よ。チョルン。」
「あ、ソヌ!どうしたんだよ。お前から電話だなんて!」
「今日、これから時間がある?」
「仕事が終わったら、父さんの病院に行くだけだけど、どうかしたか?」
「ねぇ、夕飯おごってよ。」
ビックリして黙りこむチョルン。
「何で黙っているの?デートを申し込んでいるのに。ダメなの?」
「ダメなわけないだろ!行きたいところはどこだ?世界の果てだって連れてってやるぞ!」
デートが決まりアチョ~~っと奇声を上げるチョルンに工事現場の人はドン引き…。

 ソヌはアイコンパックの資料作りをしていた。
そして資料を完成させるとその中に辞表を忍び込ませた。

 一方、チョルンは口笛を吹きつついつもより軽快にバンバン仕事をこなす。
「何かいいことでもあったのかね?」
「歴史的なことがあるんですよ。何と俺の初デート!」
仕事をさっさと終えるといそいそと帰るチョルン。

 チョルンが工事現場を出ると血まみれのカントン若頭がそこにいた。
「チョルン!一大事ばい。サンパンウル一家が事務所を襲ったばい。助けてくれんね。」

 夜、ソヌは約束の地下鉄市庁(シチョン)駅出口前のベンチに来て座って待つ。
そのころサンパンウル一家が出入りでイ・インス一家の組員たちをボコボコにのしていた。
イ・インス組長を捕まえて、サンパンウル一家の組長が言う。
「うちの傘下になるんなら命は助けてやるぜ。」
「誰がお前の組になんか!」
「二度と減らず口をたたけないようにしてやろう。」
チンピラに命じ、斧で膝を叩き割る。

 そこにチョルンがやって来る。
「テメエ!死にてぇのか!」
サンパンウル一家に飛びかかるチョルン。
チンピラを全て倒し、組長にとび蹴りをくらわせる。
とどめを刺そうとしたところで、イ・インス親分が制止する。
「もうよせ。」
拳を下ろし怒鳴るチョルン。
「殺されたくなかったら3つ数える間に消え失せろ!い~ち、に~!…」
引き上げるサンパンウル一家。
組長はこのお歳前は必ずつけてやるとばかりに最後に睨みつけて行った。
「組長!大丈夫ですか?」
「どうやら靭帯を切られたようだ…。」
「組長、ソヌが初めてデートしてくれるって言ったんですよ。」
「俺のせいで女を待たせたか…。行けよ。俺は大丈夫だ。」
「カントン若頭、後をお願いします。」
「分かったけん。さっさと行かんね。」

 チェハ通信の事務所ではソヌが作った企画書をジェヒョクが読んでいた。
そして、忍ばせた辞表を見つける。

 チョルンはデートの時間に大幅に遅れて、慌てて走る。
しかし、タッチの差でソヌはデートをすっぽかされたと思い帰ってしまう。
会えずに地下鉄の駅前で「ソヌ!」と絶叫するチョルン。

 デートをあきらめてとぼとぼと家に戻るソヌ。
家のそばまで来ると、そこにはジェヒョクが待っていた。
「チーム長、なんでここまで来たんですか?」
「警戒することはないだろう。企画書読ませてもらったよ。凄いなぁ。」
「合間を見て少しずつ作ってました。」
「来週、提携先の業者が来る。それだけにこちらも相手を納得させられる資料がいるんだ。その会議に出てくれないか?そこでこの企画書を出して、イ・ソヌさんが説明をしてくれ。」
「でも…私は…。」
「ソヌさんなら出来る!そう信じている。辞表は見たが、受け取れない。」
そう言ってジェヒョクは帰って行った。

 家に着くと倒れ込み、鼻血を出すソヌ。
そこへチョルンがやってきて、家のドアを叩く。
「すまん!ソヌ!デートに遅れて…。急に用事が出来て遅れたんだ!」
「帰って…チョルン。私、今あなたと話す元気がないの…。」
ソヌは最悪のコンディションなのだが、チョルンは振られたと思いすごすごと引き揚げる。
ドアの向こうのソヌはぐったりしていた。

 ホームレスとなったファン・グットが食堂を訪れるがそこには「店売ります」という貼り紙。
 そして、女将はスンヒに連れられ、テヒの家に。
 キム・ヒョンジャが金切り声をあげて「だれがあんたの育ての親を住まわせるなんて許可したのよ!」
そこにテヒが出てくる。
「私です。ユニに頼まれたから。家事は家政婦さんがこれまで通りやりますが、手が足りない時は手伝ってもらってください。」
「部屋なんてないわよ!」と冷たく言うキム・ヒョンジャ。
「私なら義母と一緒でいいですよ」と言うスンヒ。
キム・ヒョンジャのヒスをなだめるようにテヒが言う。
「では、部屋が出来るまで当面の間、家政婦さんの部屋を共同で使って下さい。」
そして家政婦室に通された女将。
「何、この部屋。ベッドもないの?」
「私が布団が好きなもんで…。」

 偽ユニことスンヒはテヒのところにお礼を言いに行く。
「お姉さん!本当にありがとう。クッパ屋のおばさんと一緒に暮らせるようにしてくれて。」
「ところで、ユニ、最近お母さんの指輪を首から下げていないわね?」
「指輪?お姉さんが見てないだけで、ときどき下げていたのに・・・。」
「あら、そう?」
「邪魔したみたい。ごめんなさいね。」
慌てて部屋を出て行くスンヒ。
その不審な態度に前日のジェヒョクの言葉を思い出すテヒ。

 スンヒは部屋に戻ると慌てて部屋中をかきまわし、指輪を見つけてほくそ笑むのだった。

 ジェヒョクはオ・ハニョンを呼び出し、密命の結果を聞く。
例のパク運転手とキム・ピルチュン会長がどこに行こうとしていたかの話だ。
「パク運転手かこれまで何度も旌善(チョンソン)に行っています。記憶喪失の女を探していたようです。」
「記憶喪失?」
「そこで、面白い物を見つけました。パク運転手の携帯電話通話記録を手に入れました。その一番最後の電話番号がまさにキム・ユニさんのものでした。事故を起こした時間とぴったり一致します。」

 スンヒはまた病院に忍び込む。
またもやパク運転手の命を狙っているのだ。
ドアに隠れて様子をうかがっているとソヌがやってきた。
「スンヒ、何してるの?」
「おじさんが気になって…。」
「私もお見舞いに来たのよ。」
手を後ろ手に組んで、指輪をこっそり外すスンヒ。
ところがチャリ~~ンと音を立てて転がる指輪。
それをソヌが拾ってしまう。
「あれぇ?私の指輪だ!どこで見つけたの?!」

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第30話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 
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韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第全話

韓国ドラマ ガラスの靴 あらすじ 第30話

ガラスの靴 第30話
 ウ・スンヒがパク運転手に取り付けられた人工呼吸器のチューブをハサミで切る…。
その瞬間パク運転手は目を覚ます。
慌てて鋏を引っ込めてウ・スンヒが言う。
「おじさん、ごめんね。でも私にはこれしか生き残る道はないの。もう昔には戻りたくないの…。ソヌにはテヒ姉さんがいなくたってやっていける。だって、いつもソヌのことを気遣う人がいっぱいいるんだから。でも私は違うの。テヒ姉さんがいなければ生きてはいけないの。あそこから追い出されたら、何も残らない。おじさんさえ黙っていてくれたなら、誰にもわからないんだから。どうか、見逃して。お礼はするから。もししゃべったら、私もただではおかないから…。ソヌを殺して私も死ぬ。」
 そして鋏を再び近づけたとき、パク運転手は発作を起こし、呼吸停止に陥る。
鳴り響く警報。
あわてて逃げ出す。ウ・スンヒ。

 スンヒが廊下に出ると、そこにパク・チョルンがいた。
「こんな夜中に何でお前がここにいるんだ。」
「お…おじさんが心配で様子を見に来ただけなのよ。」
無言で病室にチョルンが入るとパク運転手は心肺停止状態に。
医者が電気ショックを行っていた。
「お…オヤジ!」
とりすがろうとするチョルンを看護師が病室から追い出した。
廊下で呆然とするチョルン。

 翌朝…チョルンの家にソヌが来て早朝から朝食を作っていた。
驚くお婆さん。
「ソヌ、何してるの?」
「このところ、おじさんのことでみんな食事もろくにとっていないじゃない。だから、著職を作ってあげようと思って。」
「あんただって疲れているじゃないか。あとは私がやるから。」
「いいわよ、お婆ちゃん。もうほとんどできているから。」
お互い慰め合うお婆さんとソヌ。
お婆さんは集中治療室に息子が入り、治療費がかかるので、店を売ることを考えていた。
「それじゃ寂しいでしょ!」とソヌ。
「私ももう歳だ。そろそろ引退するつもりだったから。店より息子の方が大事じゃろ。」

 病院の集中治療室前の廊下ではチョルンとウ・スンヒがベンチに座っていた。
もう帰れよというチョルンに「おじさんがどうなったか、分かるまでここにいる」というスンヒ。
「お前、悪い女だと思っていたら、いいとこもあるんだな…」
 本当はパク運転手が死ぬか植物人間になるのを見届けようという悪い魂胆でいるのに、お人よしなチョルンはスンヒの言葉を信じてしまった。
そこに病室から医者が出てきた。
「父は大丈夫ですか?」
「峠は越えました。もう一度発作を起こさなければ、助かるでしょう。」
「おじさんが無事で良かったわね。」
「そうだな。」
ほっとしてへなへなと座り込むチョルン。
スンヒは自動販売機のコーヒーを買いに行く。
その間にソヌが朝食を持ってやってきた。
ベンチで崩れるように眠っているチョルン。
「チョルン…パク・チョルン!朝食持って来たよ。また、夜を明かしたのね。」
「昨日、父さんが発作を起こした。本当に死ぬかと思ったよ。」
「そんなことがあったんなら、何で電話しないのよ。」
「昨日はえらい目に遭った。この世に怖いものなんてないこのパク・チョルン様が父さんが死ぬかもしれないと思ったとき、急に怖くなった。」
「よかったわ。おじさんが無事で。」
「ホント、よかった…。」
横たわるチョルンの髪を静かになでるソヌ。
それを後で見たスンヒは怒って、コーヒーをごみ箱に投げ捨てた。

 スンヒが家に戻ると、キム一族が応接間に集合していた。
弁護士が家に来ていて、遺言状の公開をするのだ。
弁護士が遺言状を読み上げる。
「まず、チェハ財閥の株式並びに経営権の28%はキム・テヒ氏に譲渡するものなり。次に、この家屋とキム会長所有の不動産はキム・テヒ氏が相続するものとする。娘であるキム・ヒョンジャ氏にはピョンチャン(平昌)の別荘と済州島の農園、並びにチェハ財閥の株式のうち5%を相続するものとする。その息子であるユン・ソジュン氏にはビラ1棟とチェハ財閥の株式の5%を相続するものとする。」
「では、私たち母子が相続できるのはそれだけですか?」
「はい、そうです。」
「キム会長の下の孫娘であるキム・ユニ氏についてはチェハ通信の株式のうちの10%とサンドドン(上道洞)にあるビラを相続するものとする。但し、それらを個人的理由で売却しようとした場合は相続権を喪失するものとする。」
「それ、どういう意味ですか?」
「お持ちの株式とビラを売却しようとした場合は、所有権がキム・テヒ氏に移るということです。それと、キム・テヒ氏婚約以降に追加された部分があります。チェハ通信株式のうち18%をチャン・ジェヒョク氏に相続するものなり、です。」
「シャレにならないわ !チェハ通信の株式をチャン・ジェヒョクに譲るって?」
怒りだすキム・ヒョンジャ。
「静かにしてください。」
テヒが制止するが叔母・キム・ヒョンジャの怒りは収まらない。
「ソジュンには株式の5%で血のつながっていないジェヒョクにはチェハ通信の株式を18%もですって?そんなの話になると思って?」
「御祖父様の最後の遺志ですよ。最後まで聞いてください。」
「アンタが最後まで聞けばいいでしょ!」
叔母・キム・ヒョンジャは怒って行ってしまった。
 ユン・ソジュンは「俺は満足しているよ。株式なんてよくわからないからな。テヒに預けるから上手く増やしてよ。母さんのとこに行くね。」といって立ちあがった。

 部屋で怒りを爆発させるヒョンジャ。
「全くお話にもならない!私のことを実の娘だと思っていなかったのかしら。」
「母さんは、経営にタッチしていなかったじゃない。母さんには別荘とか残してくれたじゃない。」
慰めるソジュン。

 スンヒも部屋で怒りを爆発させる。
「何さ、相続だなんて言って言葉だけじゃない!こんなの絵にかいた餅だわ!見てなさい!チェハ財閥に私の居場所を作るから。」

 テヒは部屋でぼうっとしていた。
そこにやって来るジェヒョク。
「何してるんだ?」
「あれこれ考えごとをしていて…。正直私怖いの。お祖父さんはとんでもない宿題を残して言ったわ。本当の私はとても臆病なのに。」
「心配するなよ。キミなら上手くやれるさ。会長だってそれを信じて任せたんだろうよ。」
「それでもあなたがそばにいてくれるおかげでどれほど気丈に振舞えたか…。この世で頼れるのはユニとあなたしかいないの。」
今まで沈着冷静に振舞っていたテヒはジェヒョクと二人きりになってようやく甘えられたのだった。

 ジェヒョクが部屋を出て1階に降りるとそこには言葉だけの相続に怒るスンヒがいて、たっぷりと嫌味を言う。
「お幸せね。姉さんと婚約して、祖父さんが死んで、すっかりチャン・ジェヒョクの天下じゃない。」
「いったい、何が言いたいんですか?キム・ユニさん。」
「いつまでお姉さんをだませるんですかねぇ。」
「会長と約束しました。テヒを幸せにする、テヒを守るってね。」
「それで?」
「約束を守れるか深刻に考えているところです。」
「あなたがお姉さんを守るですって?お祖父さんとの約束を守るですって?ハッキリ言いなさいよ。姉さんと結婚してチェハ財閥を乗っ取るって。」
「何が怖いのでしょう?あなたが偽物だとテヒにばらすんじゃないかって怯えているんでしょう?だったら、安心してください。お祖父さんが亡くなったことで私の報復は終了しましたから。乗っ取ることまでは考えてません。当分大人しくしていたらどうですか?」
しっかり言い返されてムカつくスンヒ。

 病院の庭でソヌの作った弁当をむさぼるように食べるチョルン。
「随分寝てたわね。目を覚まさないのかと思ったわよ。」
「お前がそばにいてくれたからぐっすり寝られたのさ。」
「ご飯食べたら、早く帰りな。明日朝から工事現場に行かないとダメなんでしょ?」
「いいってば。お前こそ早く帰って休めよ。病院に入院していたときより顔色が悪いぜ。」
話をしているうちにソヌが鼻血を出した。
顔を洗ってくるというソヌはフラフラしている。
不安になるチョルン。

 舞台は変わってユン・ソジュンのレストラン。
出勤してきたソジュンはいつもと違いヨヌンを無視して行ってしまう。
気になったヨヌンがソジュンの後をついて行く。
「社長、大丈夫ですか?」
「…おじさんの具合は?」
「…まぁ、まだよくはなっていませんが…。実は…、社長に言いたいことがあって…。2週間ぐらい午後からの勤務にしてほしいんです。祖母が父の看病をしてるんですけど、年齢が年齢なので大変なんです。」
「ヨヌンさんがお祖母さんの代りに看病をしたいということですね。」
「一人娘だから、やらないといけないでしょ。」
「俺がときどき自分ちを嫌いになることがあるってヨヌンさんに言ったことあったかなぁ…。」
「え?」
「ときどきそう思うんだよ。自分ちにとてもうんざりして嫌になることがあって…。うちは確かにお金持ちだけど、いつも家族がお互いに傷つけ合うんだ。ヨヌンさんとこみたいに自分を犠牲にして家族のために何かするってことがないんだ。それでときどきヨヌンさんを羨ましく思うんだよ。」
「羨ましくなんて思わなくていいですよ。私が社長のために尽くしますから。正直、社長に私はもったいないですけど、可哀想な人を助けてやるつもりで社長を受け入れることにしました。それが社会正義だと思いますから。」
「ヨヌンさん、俺は今ヨヌンさんをめちゃくちゃ抱きたい!」
「社長、ここは職場ですよ。神聖な職場でそんなこと言っていいんですか?」
「でも抱きしめたい。」
「じゃあ、3秒だけね。」
ぎゅっと抱きしめるソジュン。
「…社長、3秒たちましたよ。」
「俺の時計はまだ3秒たってないよ。」
「社長の時計は壊れてます。」
「そうさ、壊れているさ。可哀想な人のため、気を使ってくれてありがとう。」

 さて、こちらはチェハ通信。
イ・ソヌが書類の入った大きな段ボールを抱えてエレベーターに乗り込む。
エレベーターの中でも出てからも社員たちが噂話をする。
「聞いた?キム・テヒさんが新社長ですって。」
「チャンチーム長と結婚するらしいね。」
「イ・ソヌになびいたかと思ったのに、結局キム・テヒを選んだみたいよ。」
「男なんてみんなそんなもんよ。」
「まぁ、ずうずうしい。」
「となると、イ・ソヌは退職ね。」
噂をしている女子社員の前に仁王立ちになるイ・ソヌ。
「私に何か言いたいことがあるの?言いたいことがあるんなら陰口をたたかないで私に直接言いなさいよ!」
「あの…内輪話で…」
「他人のことをむやみやたらに言っていいと思ってるの?何で私が会社を辞めないといけないの?何か悪いことしたの?男女関係はお互いに別れることだってあり得るでしょ?何で別れ話が出たら女の方が去らなきゃいけない訳?」
「みんな言ってるしぃ…。」
「じゃあ、噂話をしている人みんなに言って!私は会社を辞める気はないって。」
「…行こう。」
陰口を咎められて、居心地が悪くなって立ち去る女子社員。
その後にいつの間にやら立っていたチャン・ジェヒョク。
慌てて書類の箱を持とうとするとジェヒョクが行った。
「イ・ソヌさん。ちょっと話をしましょう。」
「私は話なんてないですけど。」
「分かっているさ。僕のために苦しんでいるってことぐらい。」
「何も言わないでください。どうか知らんぷりをしていてください。」
そういって箱を持って立ち去るソヌの後ろ姿を寂しく見送るジェヒョク。
ソヌはしばらく歩くとうずくまってしまった。
体調がかなり悪い。

 会議室ではキム・テヒの会長就任式が行われていた。
就任の挨拶をするとテヒは会長室へ。
この間までキム・ピルチュンが座っていた席には「会長 金太喜」という真新しいネームプレートが置かれている。
秘書たちに挨拶したのち、会社の始業時間を8時からにすると宣言するテヒ。
チン室長が「そうですね」と返事をするのを咎めるテヒ。
「前会長のときもそうだったんでしょうか?『そうですね』ではなく『承知しました』とか『分かりました』というものでしょう?」

 そのころ家にいたウ・スンヒは会長が使っていた書斎に忍び込み、チャン・ジェヒョクの秘密の日記帳を探し、見つけていた。
そして、その日記帳を「お祖父さんがなんで結婚に反対したか分かる?お姉さんのことが心配なのよ…」などと言いながらテヒに見せた。
「何なの?これ…。」
「新聞記事に出ているチャン・ギユン会長というのがチャン・ジェヒョクさんの実のお祖父さんなのよ。姉さんを利用したのもそれが原因。ヤクザにチェハ通信の株を買い占めさせたのも復讐のため。最初から謀っていたのよ。だから、お祖父さんも結婚を認めたんじゃない。でも今は状況が違うわ。姉さんを守ってくれるお祖父さんがいないじゃないの。ごらんなさい。チャン・ジェヒョクはお姉さんをとことん利用してチェハ財閥そのものを乗っ取るつもりだわ。」
「…ユニ…私を一人にしてくれる?」
 部屋を出たスンヒはざまあみろとにやりと笑う。
そこに通りかかったソジュンが言う。
「何にやにやしているんだ、気味が悪い。」
「何じろじろ見てんのよ!」
反発してそのまま行ってしまうスンヒ。

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 翌日チン室長にイ・インス組長についての資料を提出させるテヒ。
そして、チャン・ジェヒョクを会長室に呼ぶテヒ。
「お祖父さんが亡くなってまだ日が浅いけど、こんなことをいうのも何だけど…私たちの結婚。すれば、社会的信用は増すでしょう。でもその前に聞いておきたいの。あなたの気持を。どういう気持ちで私と結婚しようとしているのか、本当のことを聞かせてほしいの。」
「別に他意はない。結婚しようと思ったから結婚するまでだ。」
「それがすべてなの?」
「キミのことが好きだよ。テヒ。」
「愛しているという言葉を聞こうとしているんじゃないの。お互いに正直にありたいだけなの。もしかして…。」
「何を聞きたいんだ?イ・ソヌのことか?」
「違うわ。私たちの結婚に何の問題もないのか、それを知りたいの。」
「ないよ。問題だなんて。」
「そう…なら、いいわ。」

 そしてソヌは工事現場で働くチョルンのところに行き、イ・インス組長に会わせろと頼み込む。
頼まれたチョルンはテヒの車を運転して組事務所に行った。
「久しぶりだなぁ、チョルン」
「お客さんを連れてきました。」
そうしてテヒとイ・インスを引きあわせた。
社長室で話す2人。
「私に何の用ですか?」
「チャン・ジェヒョクさんとの関係について教えてください。お二人はいつからお付き合いがあるんですか?どうか逃げないで答えてください。私には大変に重要な問題なんです。」
「どこまで知っているんですか?」
「ジェヒョクがお祖父さんに報復するために私を利用したこと。私を利用したのは別にいいです。どうせ利用されてもいいと思ってジェヒョクと婚約したんですから。」
「で、何が問題なんですか?」
「ジェヒョクが、いつから私がキム・ピルチュンの孫娘だということを知っていたのかよ。」
「会長はもう死んだのに、それのどこが問題なんだ?キム・テヒさんはチャン・ジェヒョクを愛していたから婚約したんじゃないですか?」
「確かにそうでした。でも今は状況が変わりました。」
「ジェヒョクはキム・テヒさんにではなく、お祖父さんに報復しようとしたのです。ジェヒョクはキム・テヒさんが傷つくことを望んでいませんでした。」
「ジェヒョクはいつから私とお祖父さんのことを知っていたんですか?答えてください!」
「…旌善(チョンソン)で知ったのです。私がジェヒョクに教えたようなものです。」
「じゃぁ、あのときの財布を奪った旌善(チョンソン)のチンピラが…。」
「はい。」
「何で…何でそんなことをするの。ジェヒョクもあなたも子供だったじゃないの。なのに何でああいう酷いことをしたの!」
「それだけ、生きるのに必死だったってことですよ。哀れな身の上だったってことです。」
「なんて汚いヤツ!絶対許せない!死んでも許さないわ。」
怒りに満ちたまなざしで組長を睨みつけるとテヒは一人で帰ってしまった。

 家でテヒを迎える偽ユニことウ・スンヒ。
スンヒのおかえりなさいという言葉に反応せずさっさと自分の部屋に入ってしまった。
それをみて、作成成功とばかりににやにやするスンヒ。

 パク運転手の病室にはイ・ソヌがやってきた。
「おじさん、元気出して立って下さいよ…。おじさん…私、正直この頃辛いの。会長が死ぬ前に言った言葉がずっと引っ掛かっていて…。私にどうか会社を辞めてくれって言ったの。私がチーム長やテヒ姉さんのそばにいると不幸になるって。会社でどんな仕打ちを受けても私は我慢できるの。でもね、チーム長まで奪われたら私、どうしていいのか…。会社でチーム長と顔を合わせる度に何事もないかのようにふるまうのもとても辛くて…。おじさん…どうすればいいの?会社辞めたほうがいい?」
意識不明なままのパク運転手の前で泣きながらそう言うソヌ。
それを後でパク・チョルンが聞いていた。
そして病室を出たソヌがチョルンを見つけた。
「いつ来たのよ?」
「ん?たった今。中にいたのか?」
「ええ。お医者さんがちょっと顔を見るだけならいいって。」
「そうか…」
急にむせかえるイ・ソヌ。
「どうしたんだ?」
「まだ風邪がよくなっていないみたい。」
ソヌの額にチョルンが手を当て「あ、熱があるな、そんなきつい会社辞めちまえ」と言う。
「会社辞めたらどうやって暮らせって言うの?」
「俺が食わせてやるよ。」
「しっかりしてよ、パク・チョルン。おじさんの治療費のためにお婆さんが店を売るって言っているのよ。一生懸命仕事をしてお婆さんを助けようと思わないの?」
「俺がそこまで能力のない男だと思うのかよ。俺なら家族もお前も食わせていけるよ。俺はやるって言ったらやるんだよ。」
「言葉だけでも感謝するわ。」
「口先だけで言っていると思っているのかよ!」
「分かっているわよ、本気だって。」
「辛かったら、俺を頼れよな。一人で世の中の不幸をしょい込むんじゃねぇよ。」
「最初から、チョルン一人だけを愛せばよかった。そうすれば、チョルンだってこんなに苦しまなかったし、私だって苦労はしなかった。」
「今から愛せばいいじゃないか!ここから始めようぜ!」
「自分が良かれと思ってやったことですもの。辛くはないわ。じゃ、行くわね。バイバイ。」
チョルンと別れて歩きだすソヌにメールが来た。
「会社の前の公園で待ってる。 急ぎの用なの。 テヒ」
ところが、これはウ・スンヒが出した偽メール。
スンヒはジェヒョクにも同様のメールを送ったのだった。
但し差出人の名前はソヌと変えてある。
メールを見て、出かけようとしたところにテヒから電話が来た。
「これから会えない?」
「すまん、先約があるから今からだとちょっと困る。明日にしてくれないか。」
「分かったわ…じゃ、明日。」
ジェヒョクは急いで公園に向かった。

 テヒの部屋にはスンヒがやってきた。
「お姉さん、何してるの?」
「仕事をしてたの。」
「チャン・ジェヒョクさんとはどうなったの?まさかこのまま黙っているつもりはないでしょ?」
「お祖父さんの件は見過ごせないわね。」
そこで、スンヒが畳みかける。
「イ・ソヌさんってばまだチャン・ジェヒョクさんと逢っているみたいよ。どうする気?電話で話したんだけど、ソヌったら、会社前の公園でチャン・ジェヒョクチーム長と会う約束があるんですって。それでも姉さん、黙っている気?」

 偽メールで会社前の公園に呼び出されたソヌとジェヒョク。
「どうしたんですか?チーム長。」
「ソヌさんがメールで呼びだしたじゃないか。何か起きたんじゃないかって気になって。」
「私、メールなんてしてませんけど。テヒ姉さんに会いたいってメールをもらって来たんですけど。」
携帯を取り出してメールの文章を見せようとしてよろめくソヌ。
そこに現れたキム・テヒ。
「2人でいったい何をやっているの!なんで私の前でそんなことが出来るの!ソヌさん、その人は私のフィアンセなのよ!私に内緒で密会だなんてどういうことなのよ!」
「違う!ソヌは…。」
「言い訳なんて聞きたくもないわ!…私だって人間なの!女なの!もう我慢できないわ!」
激怒して立ち去るキム・テヒ。
追いかけるジェヒョク。
テヒはジェヒョクにビンタをする。
「何だよ、お前こそ。理由も聞かずに怒るのかよ。」
「この目で見たんですもの。それ以上何の説明がいるの?お祖父さんが死んだから私はもう用済みってこと?チェハ財閥が欲しくないの?元はと言えばお祖父さんへの仕返しでしょ?それで最初から私を利用していたんじゃない。イ・インスだってアンタのおかげで事務所を開けたんじゃないの。そんなことも知らず本当に愛していたのに。私のことを支えてくれてとっても感謝していたのに!だから、お祖父さんに反対されても婚約に応じたんじゃないの!それが全てアンタのシナリオだったってことよね!最初から私をだましていたんじゃないの!もう私の名前を呼ばないで。汚らしい!このままでは済まさないわ!」
恨みつらみを言ったテヒは車に乗って去り、一人、部屋で泣いた。
それをこっそりのぞいてニヤつく陰険なウ・スンヒ。

 公園からフラフラしながら家に帰るソヌ。
ジェヒョクが家の前で待っていたが、ソヌは家の前の道路で倒れてそのまま動かなくなった。
駆け寄るチョルン。
「ソヌ!しっかりしろ!」